【レビュー】 ワイヤレス骨伝導イヤホンのAfterShokz「Aeropex」は外での使用に最適なイヤホン

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がじぇっとりっぷはずいぶん前にワイヤレスイヤホンをレビューしています。

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これはこれで使い勝手がよく重宝しているのですが、周りの音が効きづらくなるというインナーイヤー型の欠点もあり、自宅にいるのに不在連絡票が入っているということが何回かありました。

そのため、オープン型のイヤホンか骨伝導イヤホンを試してみたいなーと思っていたのですが、この度CyberMedia Japan様の協力により、AfterShokzの骨伝導イヤホン「Aeropex」を試用する機会をいただけましたので、レビューしていきたいと思います。

Aeropex:AfterShokz

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AfterShokz「Aeropex」

GoodPoint
耳が痛くならない
予想以上にいい音質
長時間駆動

BadPoint
服装を選ぶ
操作系が左右に分散

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外観

「Aeropex」の箱はおしゃれで、内箱を取り出すとこんな感じです。

中身を全部取り出したところです。
真ん中にどーんとあるのはラバー製のケースです。
これの中に説明書やらケーブルやらがつめ込まれていました。
真ん中にあるのは耳栓です。

正面から見たところです。
(装着した状態における)右側にマイク、左側にコントロールボタンがあります。

右側の底面に音量ボタンと充電端子があります。
電源は音量の+ボタンを長押しです。起動後も押しっぱなしでペアリングモードになります。
起動後に短く押すと大雑把なバッテリー残量確認となります。

充電ケーブルはUSBで、充電端子は独自のマグネット端子になっています。
断線に備えてなのか2本入っているのですが、microUSB to マグネット変換アダプタにして、ケーブル部の交換で対応できるようにしてもいいんじゃないかと思います。

充電中と充電完了です。
充電完了のLEDは実際に見ると青紫で、そりゃそうかとちょっと笑っちゃいました。

バッテリー部(?)の内側には各種技適マークと給電仕様が印字されています。

使ってみた感想

先にお断りしますが、装着イメージについて、髪で隠れてうまく撮影できなかったので、公式画像をお借りしています。

掛け心地について

「Aeropex」を2週間ほど使ってみたのですが、掛け心地は悪くなく、しばらくすればあまり意識することもなくなります。
がじぇっとりっぷはインナーイヤー型イヤホンだと耳が痛くなりやすいのですが、そもそも耳に入れない骨伝導イヤホンではそういうことも起こりません。

一方で、バンド部に形状記憶素材が使われており、こめかみの下あたりを左右からかるーく圧迫するので、初日は5時間ほど連続してつけたところで違和感が強くなり、かけるのをやめてしまいました。
この時点では、スポーツなら2〜3時間だからまぁ大丈夫かくらいに感じていました。

で、その後に気付いたのですが、これって初めてメガネをかけた時の感覚に似ているなぁと。

一旦気付いてしまうとこの違和感も最初だけと思うようになり、しばらくすればまったく気にならなくなりました。
音楽を流していなかったら、他のことに集中している間は意識することもないくらいです。

環境音について

これが一番びっくりしたのですが、音楽をかけると環境音が気にならなくなります。
なんというか、環境音の優先度を低くしているといえばいいのでしょうか。

かといって聞こえなくなるわけではなく、後ろから来た自転車などはだいたい気付きます。曲に集中しすぎていると気付かないこともありましたが、ベルを鳴らされれば確実に気付きます。

インナーイヤー型イヤホンだとベルを鳴らされても気付かないこともあるので、外出時にはインナーイヤー型より有用だと感じました。

音質について

「Aeropex」を起動するとき、「AfterShokzへようこそ」とアナウンスが流れるのですが、そのアナウンスの音がかなりこもっています。骨伝導はこんなものなのかなと落胆したのですが、実際に音楽を流すとまったくそんなことはなく、とてもクリアでした。

特に中音域から高音域にかけてはクリアで聞き心地がいいです。
低音については、イヤホンとしては頑張って出していますが、ちょっと荒いというか中音域・高音域に比べて解像感が足りていない印象です。

がじぇっとりっぷは「Aeropex」が初めての骨伝導イヤホンなので他モデルとの比較ができないのですが、よその他モデルのレビューを見ると、重低音の振動でムズムズすることがあるとあったので、低音・重低音による振動を極力抑えた結果、こういう印象になったのでしょう。

ちょっと面白いのが、あえて鼓膜で聞いてみた場合です。

鼓膜で聞くとよく分かるのですが、破裂音やギターの弦を弾く音などの鋭い音が強調されていて、はっきりと聞き分けることができます。
骨伝導で聞くとこれがちょっとだけ柔らかくなり、他の音となじみ、いい感じになります。

音で注意するのは接触位置です。
骨伝導の性質上、接触位置が変わると音がすごく変わります。

耳から少し離した位置にするとフィルターを一枚二枚挟んだような、ぼやけた音になります。
逆に耳に近い位置に当てると音が鋭くなります。
何も考えずに耳にかければだいたいフィットするのでそれほど意識する必要はありませんが、位置がずれると音が変わってしまいます。

音漏れについて

これはイヤホン全般にも言えることですが、「Aeropex」も音漏れは発生しています。
とは言え、そこまで大きく漏れているわけではなく、普通に音を楽しめる中音量程度なら電車で隣の人に聞こえるかどうかくらいです。

ひとつふたつ音量を落とせば隣でも聞こえないくらいになります。

音量を最大まで上げると、3mくらい先まで聞こえます(特に高音域)が、そもそもそんな音量だと耳が持ちません。
ちなみに最大音量のまま机に置くと、振動スピーカーもどきになりました(が、振動スピーカーほど音量はないです)。

操作性について

「Aeropex」の操作は左にコントロール、右に音量と分かれています。
いっぺんにどちらも操作するというシーンはそれほどないわけですが、買い物中など片手がふさがっているタイミングだと、持ち替えて操作したりとちょっと面倒な場面もありました。

構造的に厳しいのかもしれませんが、どちらかに寄せてしまったほうが操作性は高くなると思います。

あと、気をつけるのがコントロールボタンです。
音楽停止中に二度押しで通話のリダイレクトなので、油断すると電話をかけてしまいます。
再生しようとしてミスり、ちょっと焦りました。

駆動時間について

「Aeropex」の仕様上の駆動時間は8時間です。
では実際にどうなのかと測ってみました。

測定に使ったのはCD16枚構成の陰陽座『廿魂大全』(全849分)です。
音量は中レベルの、通常使用程度です。

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結論として、16枚目の5曲目で電源が落ちました。だいたい、820分くらいですね。
仕様の1.5倍以上持つというのは予想していませんでした。26gという軽さでこれだけ持つなら十分でしょう。

1つ気になったのが、電源が切れるときに「終了します」のアナウンスしかなかったことです。
バッテリー残量は起動中かつ音楽停止中に、音量の+ボタンを押すことで確認できますが(もしくはスマホの表示)、実際に使っているとそうそう確認なんてしません。
「充電がありません」とかひとこと追加されると親切じゃないかなと思いました。

大きな欠点

「Aeropex」はバンドに形状記憶素材を用いて、バンドが首筋に当たらないようになっているのですが、これはメリットであり大きなデメリットでもあります。

この部分ですね。

本来の用途であるスポーツ用としては、違和感を減らしてイヤホンに意識を持って行かれにくくするという長所なわけですが、日常的に使用するとなると話が変わってきます。

まず、服装を選びます。

フードの付いている服だと、バンドが頻繁に当たります。冬は厚着になるので干渉しやすいです。
がじぇっとりっぷは使っていませんが、マフラーとの相性も悪そうです。

ただ、軽く当たったくらいでは接触部分がずれることもなく、耳掛け部が揺れて意識してしまう程度です。

もっと相性が悪いのがハイバックチェアです。
こちらは椅子に寄りかかって頭をもたれかけるということができません。

これらは「Aeropex」に限らず後頭部バンドタイプのイヤホン全般に言える話なわけですが、何かしら改善策がありそうな気がするだけに、残念なところです。
この問題はイヤホンメーカーも認識していると思うので、どこかでイノベーションが起きるんじゃないかと期待しています。

まとめ

骨伝導イヤホンというと発展途上技術というイメージでしたが、まったくそんなことはなく、普通のイヤホンと同レベルに聞くことができ、さらに長時間使っても耳が痛くならないというおまけまでついてきました。

まだまだ改善の余地はありますが実用性は十分に備えており、特に周囲にも気をつける必要がある屋外での利用には最適です。

唯一のネックは価格でしょうか。
とはいっても骨伝導といった要素を鑑みた上で、シューズやウェアに次ぐスポーツ用品のひとつと考えれば、こんなものなのかなという気もします。
スポーツ用品だと履き心地・着心地のよさを追求すれば値段は上がっていくものですしね。

関連リンク


Aeropex

Aeropex:AfterShokz

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