ほぼ1年前の2019年4月16日、DFIが1.8インチフォームファクタ(Femto-ITX)な組み込みRyzen搭載SBC「GHF51」を発表していました。
組み込み向けはなかなかキャッチアップできないので、取り上げるのが遅くなっています。
スペック
モデル名 | GHF51 |
---|---|
メーカー | DFI |
発売日 | |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | Ryzen Embedded R1000 |
GPU | Radeon Vega 3 |
NPU | – |
メモリー | 4~8GB DDR4-2400 |
サポートOS | Windows 10 Linux |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | – |
Bluetooth | – |
チップ | Intel i211AT or i210IT |
ストレージ | 16~64GB eMMC |
USB | 3.1(Gen2) x 1 |
GPIO | 10pin(digital) x 1 |
映像 | microHDMI(1.4) x 2 |
カメラ | – |
オーディオジャック | – |
その他インターフェース | UART mPCIe x 1 |
消費電力 | |
電源 | DC 12V |
幅 | 84mm |
奥行き | 55mm |
高さ |
特徴
「GHF51」はRyzen Embedded搭載ボードなわけですが、ボード規格がFemto-ITX(84 x 55 mm)で、これはラズパイ(85.6 x 56.5mm)とほぼ同じ大きさになります。ちょっと意味が分からないですね。
ボードの表裏の画像ですが、CPUがめっちゃでかいです。
組み込みRyzen(Ryzen Embedded)はV1000シリーズとR1000シリーズがありますが、「GHF51」は低TDPなR1000シリーズのみとなります。TDPは最大12Wで、現在発表されているR1102G、R1305G、R1505G、R1606Gの全モデルが対象です。
メモリはさすがにオンボードで、4GBまたは8GBです。
データシートにはDDR4-2400と書いているものとDDR4-3200と書いているものがありますが、そもそもR1000はDDR4-2400までの対応なので、DDR4-2400の方が正しいものと思われます。
ストレージはeMMCで、16GB~64GBです。
残念ながらSATAポートはありません。そういえばmicroSDスロットもないですね。
拡張スロットはminiPCIeが1スロットのみです。
このサイズに載せてきただけでも頑張っているとは思いますが、M.2スロットの方が汎用性というか、使えるカードが多かったんじゃないかなぁと。
残念ながらWi-fiはありません。Wi-fiを使いたければminiPCIeを使えってことなんでしょうが、貴重な拡張スロットと引き換えなのはどうなんでしょうね。
電源はDC12V(最大60W)ですが、DCジャックではなく、2ピンターミナルブロックで、産業用!って主張しています。
インターフェースは1GbE、USB Type-C(3.1 Gen2)、microHDMI×2です。
基盤面積の制限が強すぎて必要最低限レベルとなっているわけですが、USBは2ポートあってもよかったかも。
これらを基盤レイアウト図で見るとこうなっています。
ブロックダイアグラム図だとこうです。
PCIeが2レーンしか使ってないので、miniPCIeをM.2 Key B(2230)+M.2 Key M(2242)とかできたんじゃないかなぁと。
やったらやったでホールを確保するのが大変そうですが。
ヒートシンクイメージはこんな感じになっています。
まとめ
「GHF51」は2019年4月に発表されたにもかかわらず、記事執筆時点でもステータスは”準備中”となっています。
もちろん価格もついていません。
小さいのはいいことですが、インターフェースとのトレードオフなのが悩ましいところです。
しかし、やろうと思えば組み込みRyzenでもここまで小型化できるというのが分かっただけでも、収穫かなと。
でもやっぱり、ストレージ周りとWi-fiなしがネックになりそうなのがどうなんだろうなぁ…
2020年7月14日追記:いつの間にか公式で販売されていました。価格は333ドルです。
GHF51-BN-43R15:DFI ITOX
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