特徴いろいろ。モバイルディスプレイ購入時のポイントあれこれ

周辺機器

みなさんはモバイルディスプレイを所有していますか?がじぇっとりっぷは1台持っています。

【レビュー】 Lepow「Z1」は調整必須だけど安価な15.6インチFHDモバイルディスプレイ

モバイルディスプレイと一口に言っても、その機能は結構あり、全部を満たしている製品というのはまずありません。

そこで機能や仕様を取捨選択していく上で何を見るべきか確認しながら、いくつかピックアップしていきたいと思います。

スポンサーリンク

モバイルディスプレイの機能

サイズ(インチ数)

まずは画面サイズです。主流は15.6インチで、13.3インチが後に続いています。

そこから数がぐっと減って、大型の17.3インチや小型の10.1インチ、11.6インチ、12.5インチといった画面サイズがラインナップされます。

解像度

画面解像度はFHD(1920×1080)と4K(3840×2160)のふたつが大半となっています。4Kはデータ量が多いため、古いPCだと対応しきれなかったり、リフレッシュレートが30Hzどまりになることがあるので、お使いのPCの仕様を確認してからの方がいいでしょう。

13.3インチや15.6インチで4Kを等倍表示すると、本当に細かいです。
大型スマホと同じくらい(6.7インチFHDと13.3インチ4Kがだいたい同じくらい)の細かさと言えばわかるでしょうか。

それをPCディスプレイの距離で見ようとするわけで…まぁ、つらいですね。

価格面では住み分けができていて、大雑把ですが1万円台のFHD、3~4万円台の4Kといった感じになっています。

他に少数ですがWUXGA(1920×1200)とか2.5K(2560×1440または2560×1600)といった解像度のディスプレイもあります。

パネル仕様

パネル

液晶パネルには大雑把にTN(Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)、IPS(In-Plane-Switching)という3種類の方式があります。違いを大雑把に説明すると、液晶分子の並べ方と偏向フィルタの向きです。

他サイトですが、ちもろぐ様の説明が分かりやすいです。

液晶パネルの違いまとめ:TN / VA / IPSのメリットと弱点
パソコン用のディスプレイ(モニター)を選ぶとき、地味に悩むのが液晶パネルの種類です。現在主流のパネルは「TN」「VA」「IPS」の3タイプ。それぞれのパネルの特徴や、メリットやデメリットについて。本記事では図解もまじえて解説します。

特性や長所・短所はそれぞれで違っています。

TNVAIPS
視野角×
応答速度
リフレッシュレート240Hz144Hz240Hz
色再現性
コントラスト
価格(コスト)
向いた用途ゲーミング映画写真編集

特に視野角は一番わかりやすい違いです。

斜めから見るとこのくらい違っています(上下方向だとさらに顕著になります)。

最近はIPSパネルが普及した結果、VAはほぼ見かけず、TNパネルも格安品での採用程度で、中級以上では駆逐されつつあります。

液晶以外に有機EL(OLED)もありますがモバイルディスプレイでの採用例がほぼないので割愛します。

フレームレート

周波数とかリフレッシュレートとも呼ばれます。

基本的に数字が大きい方が滑らかな映像となりますが、その分PCのパワーが要求されます。

ゲーミングだと120Hz以上が望ましいとされていますが、一般的な使用法では60Hzあれば十分です。
そもそもゲーム用途はモバイルディスプレイではなく、据え置き型のゲーミングディスプレイを使うものですが。

1コマごとに黒を挟むことで残像を消すなんて技術もありますが、こちらもモバイルディスプレイで使われている例はほとんどありません。

表示色

ビット深度ともいいます。液晶の1画素が表現できる色の数ですね。
液晶はRGBの三色で1セットなので、8ビットならば一食当たり2の8乗(=256)の階調を表現できます。それが3色分となるので、約1677万(256×256×256)となります。

一般的には8ビット(約1677万色)、10ビット(約10億7374万色)のどちらかです。

輝度

使用に記載されている場合、ディスプレイの最大の明るさを示します。単位は「cd/m2」です。

250~300cd/m2もあればだいたいは十分だと思いますが、母艦となるPCより低いと、最大まで明るくしても暗く感じることがあります。

PCとモバイルディスプレイの明るさが違う例。こうなると、使っていても目が疲れる原因となります。
なるべく同じ明るさで使えるものを選ぶといいでしょう。

ちなみに太陽は直接見た場合で18.6億cd/m2、屋外で普通に感じる明るさだと2000cd/m2程度なんだそう。

コントラスト比

コントラスト比は最小輝度(黒)と最大輝度(白)の輝度の比率です。

なので例えば最小が1cd/m2で最大が250cd/m2と、最小が2cd/m2で最大が500cd/m2は、どちらもコントラスト比が250:1となります。

明るさの上限はせいぜい500cd/m2程度なので、コントラスト比が高いほど黒が締まって見えると思えばいいでしょう。

色域

色域とは、一言でいうと「人の目で認識可能な色の範囲で、特定の色の範囲を定めたもの」です。「ディスプレイが再現できる色の範囲」ではありません。

この色域に対し、この範囲を再現しましょうというのが色域の規格です。PC関連ではsRGB・Adobe RGB・NTSCの3つが良く使われます。

上の画像のようなものは、一度は見たことがあるんじゃないでしょうか?

U字と直線で囲まれた範囲が色域(人の目が認識できる範囲)を表し、中の三角形が各規格で定められた色表現の範囲となります。

ここで出てくるのが”比”と”カバー率”です。

ディスプレイが再現できた色の範囲と規格の三角形は形は一致しないので、重なるところと重ならないところができます。

単純な面積比が”比”で、規格の三角形のどれだけの面積を埋められたかが”カバー率”となります。

この例だと、AdobeRGB比100%、AdobeRGBカバー率95%とでもなるでしょう。

HDR

ダイナミックレンジ(Dynamic Range)とは階調性を保ったまま表示できる明暗差の幅のことです。

HDR(High Dynamic Range)とは従来のSDR(Standard Dynamic Range)に対するもので、より広い明るさの幅を再現できる技術です。

具体的な効果でいうと、今まで白飛びや黒つぶれして見えなくなっていた部分まで表現されるようになります。

左から黒つぶれ、白飛び、HDRのイメージです。
HDRでは黒つぶれした天井と、白飛びした外の景色の両方が表現できています。

国際標準規格も決められており、2016年7月に「ITU-R BT.2100」という名称で定められました。HDRかどうかは大雑把に「解像度」「フレームレート」「輝度」「色域」「ビット深度」の5つの項目で決められます。

テレビ業界では「HDR10」「Dolby Vision」「HLG」といった規格が用いられます。

HDRについてはEIZOの解説ページが分かりやすいです。

よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは | EIZO株式会社
EIZO製品情報。コンピュータモニターなどの各種映像関連 機器紹介、ビジネスソリューション、ニュース、サポート、EIZO オンライン ショッピング、用語解説、会社情報など

モバイルディスプレイの場合、HDR規格を満たすことなどまずないので、SDR規格より輝度やコントラスト比が高い程度の自称か、検索ワード程度に見ておいた方がいいでしょう。

映像入力

モバイルディスプレイでよく使われるのはHDMI、ディスプレイポート(DisplayPort)、USB Type-Cです。通常のディスプレイであればここにVGA、DVIなどが加わります。

HDMIはフルサイズ(タイプA)、miniHDMI(タイプC)、microHDMI(タイプD)の3種類が良く使われます。
タイプBは現在使われておらず、タイプEは車載用規格です。

左からフルサイズ、miniHDMI、microHDMIです。

最近のモバイルディスプレイでは薄型化が進んだ結果miniHDMIを使うことが多く、フルサイズは数が少なくなっています。

miniHDMIやmicroHDMIは家電量販店ではあまり見かけないため、付属ケーブルが壊れると探し回るかネット通販に頼ることになります。

ディスプレイポートのコネクタは通常とミニの2種類があります。

左がフルサイズ、右がミニです。

見て分かるように厚さはあまり変わらないためかモバイルディスプレイでの採用は多くありませんが、搭載されるときはミニであることが多いです。
最近では後述するUSB Type-Cに取って変わられつつあります。

USB Type-Cは最近のモバイルディスプレイでは必須となりつつある端子です。

USB Type-CにはAlt Mode(代替モード)というものがあり、PC側が対応していればUSB規格以外のデータを流すことができます

Alt Modeに対応している主なプロトコルは以下となります。

・Thunderbolt 3
・DisplayPort Over USB Type-C
・HDMI Alt Mode for USB Type-C Connector
・MHL Alt Mode for USB Type-C
・Virtual Link

このうち、モバイルディスプレイでよく使われているのはDisplayPort Over USB Type-Cです。
対応PCで使えば、給電と映像出力がUSB Type-Cケーブル一本で済むので、ここ最近は一気に普及が進んでいます。

タッチパネル

モバイルディスプレイの中にはマルチタッチに対応した機種もあります。

マルチタッチに関するデータはBluetoothまたはUSBで転送され、USBの場合はHDMIやディスプレイポートで表示している場合でもUSBの接続が必要となります。

スタンド

スタンドは本体内蔵か、スタンドカバーのどちらかに分かれます。

スタンドカバーであれば本体の筐体が一枚板で済む(=低コスト)ため、スタンドカバー方式の製品が主流です。

本体内蔵の場合は、いろいろとバリエーションがあります。以下はバリエーションの例です。




スピーカー

モバイルディスプレイの場合、結構な確率でスピーカーを搭載しています。
とはいってもないよりはましレベルの場合がほとんどです。

電源

ここ、結構重要です。

大きく分けて電源端子を備えるか、Type-C給電のどちらかとなります。

Type-C給電の場合は5V入力の場合が多く、その場合はスマホ用のUSB充電器(2A以上、できれば3A)でも作動します。

独自の電源端子の場合、電源アダプタが壊れると探すのに苦労することになるので、ここは結構重要ですね。

バッテリー搭載

モバイルディスプレイの一部では本体にバッテリーを搭載している機種があります。

無線対応

実は映像出力には無線で出力する方法もあります。Appleの「Air Play」やGoogleの「Google Cast」などが知られていますね。

他にWi-Fi Allianceが定める「Miracast」や、60GHzの電波帯を使う「WiGig」という規格もあります。

2020年8月には「Miracast」を用いたSamsung製スマホのデスクトップモード「Wireless Dexモード」が発表されたりもしています。

モバイルディスプレイをワイヤレスで使うには、ディスプレイ側が対応しているか、ワイヤレスアダプタを使用する必要があります。

「Google Cast」はGoogleがChromecastを販売しています。

created by Rinker
グーグル(Google)
¥9,150(2024/12/02 16:06:34時点 Amazon調べ-詳細)

Chromeブラウザのメニュー→”キャスト”→”ソース”→”デスクトップ”で、デスクトップ全体を表示させることができるようです。

「Miracast」対応製品は中華製品が多いですが、Microsoft謹製の製品もあります。

使い方はPC工房がレビューしていますね。

ワイヤレスディスプレイで画面を共有しよう!:PC工房

ただこれらの製品はUSB給電が必要でフルサイズのHDMIであるので、USB充電器またはモバイルバッテリーと、変換アダプタが必要になります。

created by Rinker
ホーリック(HORIC)
¥734(2024/12/02 16:06:36時点 Amazon調べ-詳細)

おすすめ機種

P16BT-4K
画面サイズ15.6インチ
解像度3840×2160
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 340 cd/m2
コントラスト比: 1000:1
色域: NTSC比72%
タッチパネル: 10点マルチタッチ
映像入力miniHDMI×1
Type-C×2
microUSB×1
スピーカー内蔵
電源入力Type-C
バッテリー8000mAh
サイズ360×232×9mm
重さ1057g
特記事項CAMPFIREでファンディング中


仕事にも遊びにも差をつける、次世代4KHDRディスプレイ「P16BT-4K」

Lepow Z1
画面サイズ15.6インチ
解像度1920×1080
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 300 cd/m2
コントラスト比: 1000:1
色域: NTSC比85% / sRGBカバー率118%
映像入力miniHDMI×1
Type-C×2
スピーカー内蔵
電源入力Type-C
サイズ368×225×8.6mm
重さ730g
JAPANNEXT JN-MD-IPS1010HDR
画面サイズ10.1インチ
解像度1920×1200
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 350 cd/m2
コントラスト比: 800:1
HDR: HDR10
映像入力miniHDMI×1
Type-C×2
スピーカー内蔵
電源入力Type-C
サイズ329.3×242.8×21.9mm
重さ258g
特記事項9月30日まで発売記念特価
サンコー WTCPM156
画面サイズ15.6インチ
解像度1920×1080
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 250 cd/m2
コントラスト比: 1000:1
映像入力miniHDMI×1
Type-C×2
スピーカー内蔵
電源入力
サイズ368×225×9mm
重さ700g
特記事項平凡ながら国内サポート
ASUS MB16ACE
画面サイズ15.6インチ
解像度1920×1080
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 250 cd/m2
コントラスト比: 800:1
映像入力
スピーカーなし
電源入力Type-C
サイズ359.7×226.4×8.0mm
重さ710g
特記事項スタンドホール
ASUS XG17AHPE
画面サイズ17.3インチ
解像度1920×1080
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 240 Hz
輝度: 300 cd/m2
コントラスト比: 1000:1
色域: sRGB比100%
映像入力microHDMI×1
Type-C×1
スピーカー内蔵
電源入力7800mAhバッテリー
サイズ399×250×10mm
重さ1060g
特記事項数少ないポータブルゲーミングモニター
cocopar dg-125mx
画面サイズ12.5インチ
解像度1920×1080
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 400 cd/m2
コントラスト比: 700:1
色域: NTSC比72%
映像入力miniHDMI×1
Type-C×2
スピーカー内蔵
電源入力Type-C
サイズ287×184×10mm
重さ445g(カバー込680g)
特記事項安価な中華系ディスプレイながら評価が高い

Type-C

EVICIV EVC-1504
画面サイズ15.6インチ
解像度3840×2160
パネル仕様パネル種別: IPS
リフレッシュレート: 60 Hz
輝度: 300 cd/m2
コントラスト比: 1000:1
色域: sRGBカバー率100%
映像入力HDMI(タイプA)×1
Type-C×2
miniDisplayPort×1
スピーカー内蔵
電源入力
重さ868g
特記事項割合安価で評価も高い、中華系4Kディスプレイ
スタンドホール

コメント

  1. 匿名 より:

    モバイルディスプレイに無線で映像を出力するのって、どんな方法がありますか?
    実際問題にそれでモバイルディスプレイを運用することって可能ですか?

    • がじぇっとりっぷ より:

      コメントありがとうございます。

      説明が不足しており申し訳ありません、無線でするにはディスプレイ側が対応しているか、ワイヤレスディスプレイアダプタを使用する必要があります。

      例えばKickstarterでファンディング中の「AirView2」などですね。

      「ワイヤレスディスプレイ」で検索すればいくつか出てきます。

      もうひとつのワイヤレスディスプレイアダプタも、Microsoft謹製製品の他、Amazonで「ミラキャスト」で検索するといくつも出てきます。

      基本的にWi-fi経由ですので、運用はWi-fiの状況によります。

タイトルとURLをコピーしました