2020年7月22日、米AVNETのブランドEmbestは、NXP i.MX 8M Miniを搭載した、ラズパイサイズのSBC「MaaXBoard Mini」を発売いたしました。
スペック
モデル名 | MaaXBoard Mini | MaaXBoard |
---|---|---|
メーカー | Embest | |
発売日 | 2020/07 | 2019/08 |
価格 | 72.5ドル | 60ドル 85.95ドル |
価格(日本円) | ||
CPU | NXP i.MX 8M Mini(4コア) (1.8GHz A53 x 4) | NXP i.MX 8M(4コア) (A53 x 4) |
GPU | GC7000Lite | |
NPU | ||
メモリー | 2GB DDR4 | |
サポートOS | Android 9 Yockt | |
有線LAN | 1GbE x 1 | |
Wi-fi | 802.11 ac | |
Bluetooth | 4.2 | |
チップ | AR8035(LAN) BD71837(電源) AW-CM256SM(Wi-fi) | |
ストレージ | eMMC or microSD | |
USB | 2.0 x 4 | 3.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 | |
映像 | MIPI-DSI x 1 | HDMI(2.0a 4K/60Hz) MIPI-DSI x 1 |
カメラ | MIPI-CSI x 1 | |
オーディオジャック | × | |
その他インターフェース | SAI connector(12pin x 2) | |
消費電力 | 平均2.5W | |
電源 | 5V / 3A(Type-C) | |
幅 | 85mm | |
奥行き | 56mm | |
高さ | 12mm | |
その他 |
特徴
「MaaXBoard Mini」には兄貴分として無印の「MaaXBoard」があり、以前に紹介しています。
「MaaXBoard」と「MaaXBoard Mini」の違いは主にSoC(i.MX 8Mとi.MX 8M Mini)の違いによるものです。
大きな違いは以下のようになっています。
i.MX 8M | i.MX 8M Mini | |
Core | Cortex-A53 x4 Cortex-M4 x1 | Cortex-A53 x1~4 Cortex-M4 x1 |
L2キャッシュ | 1MB | 512KB |
メモリ | LPDDR4-3200 DDR4/DDR3L | LPDDR4-3000 DDR4/DDR3L |
GPU | 4shader OpenGL/ES 3.1 Vulkan OpenCL 1.2 | 1shader OpenGL ES2.0 OpenVG 1.1 |
VPU | 4Kp60 HEVC/H.265, H.264,VP9 | 1080p60 HEVC/H.265, H.264,VP9,VP8 |
映像 | 4Kp60まで HDR10、HLG対応 | 1080pまで |
映像 I/O | eDP HDMI 2.0a MIPI-DSI x1 MIPI-CSI x2 | MIPI-DSI MIPI-CSI |
I/O | USB3.0 x2 PCIe2.0 x2 | USB2.0 x2 PCIe2.0 x1 |
「MaaXBoard Mini」は4コア(最大1.8GHz)なので、CPUコアの部分は「MaaXBoard」と同等と考えてよく、GPUとインターフェースが劣化していると考えればいいでしょう。
セキュリティ系の機能やシステムコントローラの部分、表記以外のI/Oは共通なので、表面的な部分で差が付いているイメージでいいと思います。
▲i.MX 8M Miniのブロックダイアグラム図です。
▲こちらはi.MX 8Mのブロックダイアグラム図です。
似ていますが、よく見ると上の表の部分が違っているのが分かります。
“i.MX”シリーズについては「MaaXBoard」の記事でそれなりに詳しく書いているので、こちらでは割愛します。
▲「MaaXBoard Mini」のブロックダイアグラム図です。
USBは2.0×2のインターフェースを、USBハブチップをかませることで4ポートに増やしています。
メモリは2GBで同じ、Wi-fiも802.11ac(Wi-fi 5)を標準搭載しています。
そしてこれは「MaaXBoard」の記事を書いているときは気付かなかったのですが、microSDスロットがeMMCと排他利用になっています。
▲インターフェースです。
ちゃんと”TF(microSD) or eMMC”と記載されています。
電源はUSB Type-C(5V/3A)なので、電源アダプタの調達が楽ですね。
▲アンテナ(インターフェース画像の左下部分)はセラミックアンテナが用いられています。
▲違う向きから
▲背面には何もありません。
前回は取り上げていませんでしたが、「MaaXBoard」および「MaaXBoard Mini」はAndroidとLinux(Debian、Yockt)のイメージが用意され、しっかりとしたマニュアルも用意されています。
中身を見た限りでは業務成果物としてありそうな感じの、通り一辺の内容でしたが、LED操作やGPIO操作、MIPI-CSIからの画像取得など一通りの操作は覚えることができます。
ちょっと面白かったのは、Wi-fiのホットスポット(アクセスポイント)化の手順でしょうか。
Maaxboard mini Download:Dropbox
まとめ
「MaaXBoard Mini」の価格は72.5ドルです。
「Maaxboard」は60ドルじゃなかったっけ?と思ったら、85.95ドルに値上がりしていました。
GPUこそ貧弱になりましたが、”i.MX”シリーズの省電力を活かして、組み込みや映像の機械的監視などを用途として挙げられています。
USBやHDMIを必要としない用途なら「Maaxboard Mini」、必要とするなら「Maaxboard」と分かりやすい住み分けができそうです。
関連リンク
:AVNET
リリースノート:Embest
MaaXBoard Mini:Embest Shop
MaaXBoard Mini:AVNET Store
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