2020年12月1日、SBCメーカーのFriendlyELEC(friendlyarm)は、Rockchip社のRK3399を搭載した小型SBC「NanoPi R4S」を発売いたしました。
スペック
モデル名 | NanoPi R4S |
---|---|
メーカー | FriendlyElec |
発売日 | 2020/12 |
価格 | 45ドル(1GB) 55ドル(4GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (2.0GHz A72 x2 + 1.5GHz A53 x4) |
GPU | Mali-864 MP4 |
NPU | – |
メモリー | 1GB DDR3 4GB LPDDR4 |
サポートOS | Friendry Core FriendryWrt |
有線LAN | 1GbE x 2 |
Wi-fi | |
Bluetooth | |
チップ | RTL8211E RTL8211H RK808-D |
ストレージ | microSD(〜128GB) |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 1(pin) |
GPIO | 10pin x 1 |
映像 | × |
カメラ | × |
オーディオジャック | × |
その他インターフェース | UART userボタン |
消費電力 | |
電源 | DC 5V/3A(Type-C) |
幅 | 66mm |
奥行き | 66mm |
高さ | |
その他 | 重量:40.9g |
特徴
「NanoPi R4S」の位置づけはエッジコンピューティングに対応したミニルーター(Rシリーズはすべてこの位置づけです)ということで、RK3399搭載機としては珍しく、映像出力を持っていません。
Rockchip RK3399は登場が2016年4月とだいぶ古いSoCになってきましたが、今でもこうして新機種が出るくらいには人気で、いまだにハイエンドSoCに位置付けられています。
というか、なかなかRK3399くらいに汎用性の高い新世代SoCが出ないんですよね。
「NanoPi R4S」はミニルーターらしく、外部インターフェースは2つのLANポートと2つのUSB3.0しかありません。
RK3399の持つPCIeレーンはGbEの片方に使われています。
そのため、「NanoPi R4S」は両ポートともに930Mbpsを超える、デュアルGbEとなっています。
とあるショップの実測では950Mbpsオーバーとなっていました。
個人的には、PCIeを1ポートのGbEだけに割り当てるのはもったいないので、トリプルGbEとかクアッドGbEとかにするとか、2.5GbEにするとかだったら、既存の「NanoPi R2S」とかと差別化が図れて面白かったんじゃないかなぁと思ったり。
まぁ、コストとの兼ね合いもあるのでしょうが…
なお、Wi-fiは非搭載で、USBアダプタで対応します。
OSとWi-fiチップセットとの対応は以下のようになっています。
Wi-fiアダプタの製品ごとではなく、製品に搭載されているチップセットとの対応表なので、どの製品にどのチップセットが搭載されているかは自分で調べる必要があります。
「NanoPi R4S」は1GB RAMモデルと4GB RAMモデルがありますが、驚いたことに設計が違います。
▲1GBモデルと4GBモデルの比較
インターフェース配置以外は全然設計が異なっているのが分かると思います。そもそもSoCの位置まで変えているのは驚きですね。
ちなみに、1GBモデルはDDR3、4GBモデルはLPDDR4という違いもあったりします。
▲1GBモデルのインターフェースです。
両面を使ってチップを実装しています。
eMMCを載せるスペースはないので、ストレージはmicroSDのみとなります。
▲4GBモデルのインターフェースです。
メモリ以外は内容的に変わりません。
▲「NanoPi R4S」には専用のメタルケースが用意されています。
ちゃんとLEDが見えるようになっています。
オプションとなっていますが、オプションの選択肢にケースがないんですよね…
このケース、一目見たときのイメージが↓これ
似てますよね?似てない?
▲「NanoPi R2S」との動作温度比較
「NanoPi R4S」のケースなしとケースありの比較ではない点に注意してください。
溝を深く入れて表面積を増やした効果か、メタルケースを使っても温度が高かった「NanoPi R2S」と比べても、10度以上低くなっています。
ちなみに「NanoPi R2S」は「NanoPi R1S」と共通の黄色のプラケースが使えますが、「エアフローを妨げるだけ」とまで言われていたりします。
まとめ
ミニルーター向けとして映像出力や音声など余計なインターフェースを持たない代わりに、デュアルLANとなった「NanoPi R4S」ですが、価格は1GBモデルが45ドル、4GBモデルが55ドルで、すでにAliExpressでも販売されています。
なお、メタルケースは14ドルです。
RK3399機としてみれば安価ですし、「R1S/R2S」よりもパワフルになったのはいいのですが、やっぱりもうひとひねり欲しかったですね。
関連リンク
NanoPi R4S:FriendryELEC
NanoPi R4S:FriendryARM Wiki
コメント