がじぇっとりっぷではASUS「PN62」をレビューしています。
「PN62」はUSB PD給電に対応したり、Type-Cケーブル一本でモバイルディスプレイ表示に対応したりと、機能面でのアップデートが多いのですが、その中でも特筆すべきがThunderbolt 3への対応です。
せっかくなので、Thunderbolt 3端子にeGPU(GPU BOX/外付けGPU)を接続して、グラフィック性能がどれだけ跳ね上がるかも検証してみました。
セットアップ
用意した機材は以下となります。
本体となるのはASUS「PN62」です。
GPU BOXにはSonnet Technologies eGFX BreakawayBoxと用意しました。
がじぇっとりっぷが購入したのは、350W版ですが、これから買うのであれば、上位モデル(550W)をおすすめします。
GPUは「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5600 XT」です。
新品ではなく、RADEON RX 6000シリーズへの買い替え放出品を購入。
▲こんな感じになります。
「PN62」とのサイズ感がひどいですね。
▲Thunderbolt 3機器を接続すると、こんなふうに表示されます。
▲ドライバをダウンロードしてインストール。
ドライバは公式サイトより入手しました。
なお、NVIDIAのドライバはこちら
▲なお、GPU BOXを接続する前(Radeonデバイスが認識される前)にインストールしようと失敗します。
▲ドライバのインストールが完了しましたが、エラー
このエラー(コード12)はPCIeレーンを使い切って、空きがないときなどに出ます。
▲今回は再起動だけでエラーが解消し、しっかり認識しました。
ベンチマーク
ベンチマークは2パターン計測しました。
・「PN62」本体から出力
・「RX 5600 XT」から出力
今回はグラフィックが絡むベンチマークのみの計測です。
3DMark FireStrike
GPUから出力した場合で、本来の性能のおおよそ62%強となりました。
GPUを経由して本体から出力すると、26%強にまで落ち込みました。
Thunderbolt 3は双方向40Gbpsです。これはPCIe3.0 x4相当なので、データ転送量がネックとなって性能が落ちています。
さらに、GPU出力の場合は本体からGPUに一方的に送るだけなので40Gbpsの帯域を使えますが、本体出力の場合はデータが往復するため、行きに20Gbps、帰りに20Gbpsとなり、これがさらにスコアが落ち込む要因となっています。
[軽量級] DQベンチマーク
軽量級のDQベンチマークでは、本体出力よりCPUの実の方がスコアがいいという、ちょっと不思議な結果となりました。
内蔵GPUでもそれなりに処理できるくらいに軽いので、ボトルネックが強調された結果と考えられます。
[中量級]FF XIV 漆黒のヴィランズ
中量級のFF XIV 漆黒のヴィランズでは、GPU出力と本体出力がほぼ同等となりました。
本来の性能だと、FHD(最高品質)で15000~16000なので、GPU出力時で57~61%ということになります。
[重量級] FF XV Windowsエディション
重量級のFF XVでは、低解像度時は本体出力が上回り、高解像度時はGPU出力が上回る、変な結果となっています。
本来の性能だとFHD(最高品質)で5600~5800程度のスコアとなるので、GPU出力の場合は84~87%程度まで性能を発揮できるようです。
VR Mark Orange Room
VR Markはスコア5000がVR Readyの基準なので、GPU出力の場合はかろうじてVR Readyを満たしています。
本来の性能ですと平均9250なので、66%弱といったところです。
まとめ
「PN62」はThunderbolt 3を搭載したことで、GPU BOXを使ってグラフィック性能をかなり強化できました。
データ転送速度がボトルネックとなりやすく、軽量級タイトルではむしろスコアが下がる場合もありましたが、GPU側から出力すれば、おおむねスコアが向上します。
データ転送量の多い重量級タイトルともなるとデータ転送量より映像処理負荷の方に重きを置かれるのか、本来の性能の8割を超えるスコアにまで近付いています。
軽量級であればRyzen 4000シリーズを搭載する「PN50」でも間に合いますし、中量級以上のタイトルをプレイするのであれば、こういうスタイルでノートPCとGPUを共有するのもいいかもしれません。
…まぁ、素直にデスクトップ機を買えって話ですけどね。
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