2020年12月4日、LenovoはRyzen PRO 4000Gシリーズを搭載したスリムデスクトップ「ThinkCentre M75s Small Gen2」(以下、M75s Gen2)を発売いたしました。
スペック
■ThinkCentre M75s Small Gen2 | |
CPU | Ryzen 7 PRO 4750G Ryzen 5 PRO 4650G Ryzen 3 PRO 4350G |
---|---|
メモリ | 4~16GB DDR4-3200(4スロット) |
ストレージ | 128~512GB NVMe SSD 2.5インチ、3.5インチ |
USB | Type-C(TB4)×1、3.0×2 |
wi-fi | なし |
電源 | 180/260/310W |
サイズ | 92.5×297.7×339.5mm |
重さ | 5.3kg |
特徴
Lenovoの格安デスクトップと言えばTinyシリーズのRyzenモデルです。
「M75s Gen2」は同じ路線をより大きな筐体で実現したものと言えるでしょう。
筐体が大きくなり、電源も容量がアップしたことで、「M75s Gen2」では低電力版(TDP35Wで末尾がGE)ではなく通常版(TDP65Wで末尾がG)のCPU(AMDではAPU)を搭載しています。
ただ、Passmarkで見る限りではスコアに差はありません。
筐体が大きくなったことで、デスクトップ用メモリが使えるようになり、入手性が少し高くなりました。ノート用SO-DIMMってパーツショップだとデスクトップ用の半分も置いてないですし。
また、メモリは4本まで挿せるので、最大容量の128GB(32GB×4)も、それほどコストを掛けずに実現できます。128GBって10年くらい前はロマンスペックだったんですけどねぇ…
ストレージはM.2+2.5インチ+3.5インチのトリプルストレージができるようです。
自前で何とかするなら、光学ドライブを外してのクアッドストレージも可能でしょう(固定をどうするかが課題ですが)。
▲筐体のサイズイメージ
一緒に映っているのはおそらく34インチの「ThinkVision T34w」と思われますが、もうちょっとサイズ感が分かりやすいディスプレイの方が良かったんじゃないかなぁと。
2. カードリーダー
3. マイク入力
4. マイク入力/ヘッドホン出力コンボジャック
5. USB3.1 Gen1 Type-Cポート
6. USB3.1 Gen1 x2
7. USB3.1 Gen2 x2
9. DisplayPort x2
10. HDMI
11. シリアルポート
12. イーサネット・コネクター(RJ-45)
13. USB2.0 x4
14. 電源コネクター
インターフェースはちょっと癖があって、背面のUSBがすべて2.0です。
映像出力は標準でHDMI+DP×2のトリプルディスプレイに対応しているのは良ポイントですね。
Wi-fi用のアンテナ穴がありませんが、カスタマイズで選択すると、おそらくPCIeスロットに挿すアンテナが付いてきます(間違っていたらごめんなさい)。
電源は標準で180Wですが、310Wまで強化できます。
そして、「M75q Tiny Gen2」にはなかった、PCIeスロットを持っています。
仕様上の構成は、PCIe x16+PCIe x1の2スロットで、ロープロファイルのみ、奥行きの最大が155.8mmです。
…155.8mm?
これ、GeForce GTX 1650は搭載が厳しいかもですね。
一番短いZOTAC「Gaming GeForce GTX 1650 Low Profile」で160mmです。
探してみましたが、GeForce系はGTX 1030、QuadroでQuadro P1000辺りが限界のようです。
GPUを追加したい場合はカスタマイズで電源260Wまたは310Wを選択すると、Radeon 520(2GB)を選択できるようになります。
が、Radeon 520って内蔵グラフィックより性能が低いという…
それで、なんでこんなことになっているかというと…
▲「M70s」のものですが、内部です。
ストレージトレーが邪魔しているんですね。
このストレージトレーは2.5インチ、3.5インチ、光学ドライブを支えるものなので、M.2 SSDのみと割り切って取っ払えば、GTX 1650も搭載できるかもしれません。
というか、個人的にはせめてPCIe x16+PCIe x4の組み合わせにしてほしかったなぁと。
そうすればギリギリ、GPU+10GbEができるんですけどね…
まとめ
カスタマイズの余地はあってもなんか微妙な「M75s Gen2」でしたが、メモリメインとかストレージメインで考えるならばありだと思います。
多分RAIDボードを入れて、3.5インチ→2.5インチ×2とかにすれば、2.5インチが4台くらいなら入るんじゃないかと。
使い方を考えれば、有用そうです。
「M75s Gen2」の価格は記事執筆時点でRyzen 3 PRO 4350Gが59,488円~ですが、価格com限定モデルがあり、Ryzen 5 PRO 4650Gが62,700円~となっています。
構成 | スペック | 価格 | 最安構成 |
---|---|---|---|
スタンダード | Ryzen3/4GB/128GB SSD 光学ドライブ/カードリーダー | 59,488円 | 50,908円 |
パフォーマンス | Ryzen 5 3400G/8GB/256GB SSD 光学ドライブ/カードリーダー | 71,500円 | 55,000円 |
パフォーマンス(価格) | Ryzen 5/8GB/256GB SSD | 62,700円 | 47,300円 |
プレミアム | Ryzen 7/16GB/512GB SSD | 94,600円 | 68,200円 |
プレミアム(価格) | Ryzen 7/16GB/256GB SSD | 79,860円 | 51,260円 |
通常版のRyzen 5モデルのみなぜかRyzen 5 3400Gなんですよね。
最安構成にカスタマイズすると、Ryzen 5モデルで4万円台にまで下げることができます。実際にはここから電源容量アップとかWi-fiなど入れると思うので、5万円ちょっとといったところでしょう。
ちなみに、通常モデルは50%オフなので、盛れば盛るほど値引き額が大きくなりますが、まぁオプションはどれも高いので、自前で増設した方が結局は安上がりだったりします。
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