2020年12月17日、パソコン工房はOSにWindows10 IoT Enterprise 2019 LTSCを採用したIntel NUCの完成品「SOLUTION-INFR-iX1U-UCX」および「SOLUTION-INFR-iX2U-UCX」を発売いたしました。
Windows10 Home搭載モデルも同時発売ですが、この記事ではWindows10 IoT Enterpriseモデルに焦点を当てています。
スペック

CPU | Core i5-10210U Core i3-10110U |
---|---|
メモリ | 8GB DDR4-2666 |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
USB | Type-C(TB3)×1 Type-C(Gen2)×1 3.2(Gen2)×3 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 117×112×51mm |

特徴
パソコン工房のNUCは、Intel NUCをベースとしていて、第10世代Comet Lake搭載モデルになります。

ベアボーン機であればAmazonでも販売されていますね。
この手のものはベアボーン機に自分で組み込んだ方がコスト的に安くなるのが相場なのですが、今回あえて記事にしたのは、パソコン工房のNUCにはWindows10 IoT Enterprise 2019 LTSCモデルがあったからです。
Windows10 IoT Enterpriseを簡単に説明すると、「ボリュームライセンスのいらない組み込み向けのOEM版Windows10 Enterprise」となります。SBC向けのWindows IoT Coreは、名前が似ていますが別物です。
誤解を招きそうな表現ですが、公式ドキュメントにも「Windows10 Enterpriseと同等のバイナリ」と記載されています。
参考:Windows 10 IoT Enterprise の概要:Microsoft
Windows 10 Enterpriseとの違いは組み込み向けである点、組み込み用途に不要なEdgeブラウザ、Windows Store、Cortanaなどがない点です。
Windows 10 IoT Enterpriseはシンクライアント端末や特定用途向けのライセンスとなっており、一般OA用途はできないということになっています。
例えばレジや受付用だとか学校の学習用だとか、小売店の販売管理用だとか、そういうのですね。
それら用途のためにUSBやストレージ書き込みの制限、起動可能アプリの制御などを行うロックダウン機能も提供されています。
そういうライセンスだからか、汎用用途に使えるWindows 10 Homeモデルよりちょっと安くなっています。
本体の話に移ると、CPUは第10世代Comet LakeのCore i3-10110UまたはCore i5-10210Uです。
メモリは8GB、ストレージは250GB M.2 NVMe SSDとおとなしめ。高背タイプなので2.5インチの増設もできます。
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応です。
▲インターフェースです。
フロントのロゴのダサさが…
Intel NUCはThunderbolt 3があるのがいいですね。
最近ではサードパーティー製でも搭載されるようになりましたが、以前はIntel NUCくらいしかTB3は搭載していませんでした。
▲サイドにはSDカードスロット
まとめ
「SOLUTION-INFR-iX1U-UCX/SOLUTION-INFR-iX2U-UCX」は、個人では入手しづらく、自作機だと厳しいWindows 10 IoT Enterprise搭載機を手軽かつ安価に入手できるという点で、面白いモデルと言えます。
Windows10 IoT Enterprise 2019 LTSCはLTSC(Long-Term Servicing Channel)なので2029年までのサポートが付く点もポイントですね。
価格については、Core i3モデルで税別61,980円~(送料・税込70,378円~)、Core i5モデルで税別71,980円~(記事執筆時点では在庫切れ)となっています。
Windows 10 HomeモデルはCore i3モデルで税別63,980円~と2.000円高くなっています。
用途限定という条件こそ付きますが、価格もお手頃ですし、業務用としては割といいんじゃないかと思います。
…でも、販売されているモデルって、ロックダウン機能が有効化されていないんですよね…これってそういうことでは…?
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