2020年12月1日、ASRockの産業部門であるASRock Industrialは、Intel第11世代Core CPU(コードネーム:Tiger Lake)をオンボード搭載した各サイズのマザーボードおよびミニPCを発表しました。
この記事ではマザーボードについて触れつつもNUCサイズPCの「NUC 1100 BOX」シリーズをメインに紹介します。
スペック

■NUC 1100 BOX | |
CPU | Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 Core i3-1115G4 |
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メモリ | SO-DIMM DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2+2.5インチ |
USB | Type-C(Gen2)×2、3.2 Gen2×3 |
映像 | HDMI2.0a+DP1.4 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 110mm×117.5mm×47.85mm |
重さ | 1.0kg |
特徴
ASRockのTiger Lake搭載ミニPCについては以前に「iBOX 1100」シリーズおよび搭載マザーボードの「NUC 1100」シリーズを紹介しています。

今回の発表はその続報ともいうべきもので、NUC規格に続いてMini-ITXおよびMini-STX規格のマザーボード、「iBOX 1100」と同じく「NUC 1100」マザーボードを搭載した「NUC 1100 BOX」シリーズが発表されました。
横長だった「iBOX 1100」と違って、「NUC 1100 BOX」は正真正銘のNUCサイズ(約10cm四方)で、非常にコンパクトです。
がじぇっとりっぷでもほぼ同じサイズのASUS製NUCをいくつかレビューしていますが、本当に小さくて邪魔になりません。

「NUC 1100 BOX」シリーズが搭載するCPUは、Intel第11世代Tiger LakeのCore i7-1165G7、Core i5-1135G7、Core i3-1115G4です。
「iBOX 1100」シリーズでは同じマザーボードでも末尾に”E”の付いた組み込み向けTiger Lakeでしたが、こちらはコンシューマ向けが使われます。

メモリはDDR4-3200までで最大64GB(32GB×2)、ストレージはM.2 SSD+SATAのデュアルストレージが可能です。M.2はPCIe4.0対応なので、5000MB/sなどの高速SSDも使えます。
Wi-fiは、「iBOX 1100」シリーズでは非搭載(自力追加可能)でしたが、「NUC 1100 BOX」シリーズでは802.11ax(Wi-fi 6)対応のIntel AX200カードが標準搭載されます。
▲インターフェースです。
正面のType-C端子についてはUSB4認証試験の保留中となっているので、ハードウェア的には対応しているようです。
USBはすべて10Gbpsに対応したUSB3.2 Gen2です。有線LANの片方は2.5GbEとなっています。
Thunderbolt 3/4がない以外は、文句なしですね。
▲「NUC 1100 BOX」は、USB Type-CのDisplayPort出力も活用することで、クアッド4K表示に対応しています。
マザーボード(IMB-1224)
同時に発表されたマザーボードの一つが、Mini-ITXサイズの「IMB-1224」です。
搭載CPUは”E”付きの組み込み向けTiger Lakeで、Celeron 6305Eモデルも用意されています。
▲PCIeスロットはなく、代わりに大量のピンが並んでいます。
いかにも産業向けっぽいなぁと見ていたら、さらっとSIMスロットがあったりと、侮れません。SIMスロットの上はLTEカード用のM.2 Key B(3042/3052サイズ)スロットですね。
▲背面にはeDPコネクタ(左下の部分)があるだけです。
▲インターフェースはHDMI×4が目立ちますが、LANポートもGbE+2.5GbEになっています。
DisplayPortはモニタの電源を消すと接続も切れますが、HDMIは接続そのものは維持されます。
そのあたりの違い、規格の古さなどから、産業向けではHDMIが好まれているイメージがありますね。
マザーボード(STX-1500)
最後はMini-STXサイズの「STX-1500」です。
Mini-STXはMini-ITX(170×170mm)より小さい5.5×5.8インチ(140×147mm)で、ASRockで人気の「DeskMini」シリーズに搭載されているマザーボードのサイズと言えば伝わるでしょうか。
それでいてできるだけ「IMB-1224」から機能を削るまいとした努力が見え隠れしています。
▲表側はとても密です。
COMピンの数などはだいぶ減っていますが、SATA×2や、LVDSなどは残っています。
M.2もKey MとKey Bがありますね。
▲背面です。
メモリスロットは表裏に分かれる変則仕様ですね。
この手の変則仕様はASRockの得意とするところで、サーバー向けブランドのASRock RackではMini-ITXなのに表裏合わせて6枚のメモリを搭載できる「EPC621D6I」という、変態の極みみたいなマザーボードがあったりします。
▲インターフェースは前後に分かれましたが、HDMI×4は死守しています。
前面にHDMIが一つ来ているので、VRヘッドセットと相性がよさそうだなぁと思ったり。
まとめ
「NUC 1100 BOX」は産業部門のASRock Industrialから発表されたものの、明らかにASRock本家がかつて「BeeBox-S」の名で販売していたミニPCの流れを汲んでいます。
「BeeBox-S」は国内でも販売されていましたし、同じ系列にあたる、組み込みRyzenを搭載した「4X4 BOX」はAmazonで販売もされています。
産業向け要素の濃いファンレスの「iBOX 1100」は怪しいですが、コンシューマ寄りの「NUC 1100 BOX」は国内でも販売される可能性はあるでしょう。
今後のアナウンスが楽しみです。
関連リンク
NUC BOX-1165G7:ASRock Industrial
NUC BOX-1135G7:ASRock Industrial
NUC BOX-1115G4:ASRock Industrial
IMB-1224:ASRock Industrial
STX-1500:ASRock Industrial
ニュースリリース:ASRock Industrial
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