2020年12月18日、UMPCメーカーのGPDが手掛ける新ゲーミングデバイス「GPD WIN 3」のファンディングページのプレビュー版がIndiegogoに登場しました。
GPD WIN 3: Handheld Game Console for AAA Games:Indiegogo
ファンディングそのものは2021年になるようですが、全貌が明らかとなったので、見ていきましょう。
スペック
■GPD WIN 3 | |
CPU | Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 |
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メモリ | 16GB LPDDR4X-4266 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
画面 | 5.5インチ H-IPS 1280×720 |
USB | Type-C(TB4)×1、3.0×1 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 198×92×27mm |
重さ | 0.56kg |
特徴
「GPD WIN 3」はGPDの手掛ける最新のゲーミングUMPCです。
これまでのクラムシェル型から一新して、シャープの「W-ZERO3」や「VAIO type U」を彷彿とさせるディスプレイスライド式となりました。
…両方とも持ってたのに、捨てちゃったんですよね…残しておけば比較できたのに…
PC WatchにおけるGPD社Wade社長のインタビューでは、キーボードはIDやパスワードの入力、チャット用という位置づけとのこと。
確かにがじぇっとりっぷも「VAIO type U」などは入力装置というよりは表示メインのサブ機として活用していました。
プレイモードと入力モードです。
このスタイルならプレイに集中できますね。
「GPD WIN Max」と同時期から開発を始めていたそうで、全くスタイルの異なる兄弟機というのは面白いです。
CPUはCoer i7-1165G7またはCore i5-1135G7です。
CPUでカラーリングが異なっており、i7モデルはオールブラック、i5モデルはシルバー/ブラックとなっています。
なぜYプロセッサにあたるUP4ではなく、UプロセッサのUP3にしたのかも上記インタビューで語られていますが、「ゲーマーはプロセッサ性能の最後の一滴まで搾り出そうとする」の一言に集約されています。
「GPD WIN 3」ではCPU温度とファンの速度を細かく調整しており、40度以下では20%、40度を超えると2%単位で回転数が増えていきます。BIOSからTDPを三段階に設定できるので、CPU温度を抑えてファンの回転数を抑えるという選択肢も取れます。
逆に全開にするとGeForce MX 350も余裕で上回ります。
メモリとストレージはCPUにかかわらず共通で、16GBのLPDDR4X-4266、1TB M.2 SSDです。
特にSSDはPCIe Gen4対応モデルを採用し、リード5000MB/s、ライト3300MB/sオーバーと超高速になっています。
ついでに、microSDスロットもA2規格に対応し、リード最大160MB/sとなりました。まぁ、A2対応カードはまだ安くないんですけどね。
ディスプレイは5.5インチで、NTSC比84%のパネル、解像度は1280×720です。
解像度が低いため、大半のゲームで60FPS以上、重量級のタイトルでも40FPSや50FPSを確保しています。
あえて解像度を落とすことで高FPSを維持し、操作感を高めるという方針は「GPD WIN」シリーズ共通ですね。
ただ、1280×720ではなく、1280×800でも良かったんじゃないかなぁと。
▲インターフェースです。
本体にはThunderbolt 4が1ポートとUSB3.2 Gen2が1ポートだけと、シンプルにしています。
とことんスタンドアロンで遊ぶことを目的としていますね。
TB4は充電ポートも兼ねており、付属の65Wアダプタを使えば1.5時間でフル充電が可能です。
▲背面にはカスタマイズ可能なボタンがあり、よく使うキーを割り当てることで、キーボードをスライドさせる必要を減らしています。
▲スピーカーは持った時に下に来ます。
音にもこだわっているようで、ドイツ製のスピーカーに0.9ccの空間を確保しています。
少ないように見えますが、1ccって1cm角ですからね?このサイズでそれだけのスペースを確保するって、かなり大変だったと思います。
▲ドッキングステーションも用意されており、USBとHDMI、有線LANを使えるようになります。
これもインタビューによると「ただクールな機能を提供したかった」だけで、オフィス用途などを想定したものではないそう。
ドッキングステーションは別売りと報じられていますが、実際にどうなるかは現時点では不明です。
まとめ
「GPD WIN 3」はキーボードを隠せるようになったことでゲーム機感が増し、「GPD WIN Max」を含むこれまでのシリーズの中で、最もゲームプレイに集中できそうです。
ファンディング価格についてはi7モデルが969ドル(約10万円強)、i5モデルが829ドル(約8.55万円)となるそうです。
Core i5-1035G7を搭載した「GPD WIN 3」が6.038香港ドル(当時のレートで約84,000円)だったことを考えると、ほぼ同じ価格帯といえます。
正直かなり気にはなりますが、がじぇっとりっぷはここ10年くらいはゲームから遠ざかっているので、買ってもなかなか使う機会がないんですよね…「GPD WIN Max」も埃をかぶっていますし…
ところでファンディングページでもインタビューでも言及されてはいませんが、「GPD WIN Max」まではポートレートモード(縦向きが標準)をグラフィックドライバで90度回転させるという手法が使われていて古いゲームだと向きがおかしくなったりしていたわけですが、ランドスケープモード(横向きが標準)にはなったのでしょうかね?
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