2020年12月10日、SBCメーカーのXunlong Softwareは、Rockchip RK3328を搭載した「Orange Pi R1 Plus」をAliExpressの公式ショップおよび米Amazonで発売いたしました。
なお、記事執筆時点では公式サイトに記載はありません。というか、Orange Piはいつも公式サイトの更新が遅いです…
スペック
モデル名 | Orange Pi R1 Plus |
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メーカー | Xunlong |
発売日 | 2020/12 |
価格 | 21.99ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3328(4コア) (1.5GHz A53 x4) |
GPU | Mali-450 MP2 |
NPU | – |
メモリー | 1GB DDR4 |
サポートOS | Android 9 Ubuntu Debian OpenWrt |
有線LAN | 1GbE x 2 |
Wi-fi | × |
Bluetooth | × |
チップ | RTL8153B RTL8211E RK805 |
ストレージ | microSD(<32GB) 16MB SPI Flash |
USB | 2.0 x 1 |
GPIO | 13pin x 1 |
映像 | – |
カメラ | – |
オーディオジャック | – |
その他インターフェース | UART(3pin) |
消費電力 | |
電源 | Type-C 5V |
幅 | 56mm |
奥行き | 57mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「Orange Pi R1 Plus」は名前こそ”Plus”となっていますが、「Orange Pi R1」とは全くの別物です。むしろ「Orange Pi R2」と命名した方が良かったんじゃないかなぁと思うくらいです。
R1 plus | R1 | |
---|---|---|
発売 | 2020/12 | 2017/08 |
CPU | Rockchip RK3288 (64bit) Cortex-A53 1.5GHz | Allwinner H2+ (32bit) Coretex-A7 1.2GHz |
メモリ | 1GB DDR4 | 256MB DDR3 |
USB | USB2.0 ×1 USB Type-C(電源) | microUSB ×1(電源兼用) |
ネットワーク | 1GbE×2 | 1GbE+100MbE |
Wi-fi | なし | 802.11 b/g/n |
GPIO | 13pin | 13pin+26pin |
サイズ | 56x57mm | 45x60mm |
見た目にもスペック面にも面影がまったく残っていません。共通点はデュアルLANなことくらい?
Wi-fiと26ピンGPIOがなくなった代わりにUSB2.0が増え、電源端子が独立(Type-C)しています。さりげなくリカバリーボタンが付いたのもポイントですね。
SoCのRockchip RK3288はロースペックSBCによく採用されています。
他社では「NanoPi R2S」などが搭載しています。というか、スペックが「NanoPi R2S」にそっくりです。
RK3288はUSB3.0を1ポート持っているので、USB to GbEチップ(RTL8153B)を噛ませることで、デュアルGbEを実現しています。
これも「NanoPi R2S」と同じですね。
実性能(ベンチマーク)については記載がありませんが、「NanoPi R2S」と同じ構成ですし、おそらくは両ポートとも940Mbps程度になるものと思われます。
メモリはDDR4 1GBで、「Orange Pi R1」比で4倍です。60mm角以下で1GBメモリというと、2019年以前だと「NanoPi NEO Plus2」「NanoPi NEO2」くらいでしたが、今年に入って「NanoPi NEO3」「NanoPi R2S」などだいぶ増えました。…NanoPiばかりですね…
▲インターフェースです。
そこはかとなく「NanoPi R2S」に似ていますが、4隅にホールがあることと、13ピンのGPIOがあるのが大きな違いです(「NanoPi R2S」は10ピンのピンホール)。
USBがLANと同じ方向を向いているのは意見が分かれるところです。
▲こちらが「NanoPi R2S」のインターフェースですが、「NanoPi R2S」ではUSBをサイドにして、電源をLANと同じ方向に向けています。
USBを使わなかった場合は一方向で収まる、という狙いがありそうです。一方で「Orange Pi R1 Plus」は電源が側面なので、必ず二方向を使うことになります。
電源であればL字コネクタを使えばある程度コンパクトにできるので、USBに何を繋ぐかによって評価が変わりそうですね。
▲斜め方向から
ヒートシンクはピンホールはなくジェルシートでペタッとくっつけるだけです。
▲GPIOなどのピン配置
さりげなくTV OUTとLINE OUTが用意されています。
これは「NanoPi R2S」にはない要素です。
▲「Orange Pi R1 Plus」では「Orange Pi Zero」用の、13ピンGPIO用拡張ボードが使えます。
拡張ボードではUSB2.0が2ポートとVIDEO OUT兼AUDIO OUT、IRレシーバーを増設できます。
まとめ
「Orange Pi R1 Plus」はAliExpressで24.99ドルで販売されています。
初回というか最初の一個だけは、サンプル品として21.99ドルで購入できます。「NanoPi R2S」が22ドルなので、かなり意識しているのが伝わってきます。
拡張ボードは1.99ドルです。
残念ながらケースは販売されていません。
使いどころが難しいですが、エッジコンピューティングとかファイアウォールとか、安価に試してみるならいいかもしれないですね。
関連リンク
Orange Pi R1 Plus(サンプル用):AliExpress
Orange Pi R1 Plus(本注文用):AliExpress
Orange Pi Zero拡張ボード:AliExpress
Orange Pi R1 Plus:米Amazon
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