昨今の家庭ではUSBで充電する機器がとても増えています。
USB給電対応のノートPCは言うまでもなく、スマホだけでも家族の人数分、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンもUSB充電ですし、なんならEMS腹筋ベルトなんかもUSB充電です。
こんな感じで好んでガジェットを集める家庭でなくとも確実に数台はUSB充電な機器が転がっているわけで、がじぇっとりっぷのようにさまざまなガジェットやPCに触れていると常時7~8台は充電/給電中だったりします。
こうなってくると問題になるのがコンセントの数で、コンセント節約のためにも複数ポートを備えたUSB充電器が必須になるわけです。
今回レビューするのはそんな要望を満たす、高出力の4ポート充電器UGREEN「CD224」です。
サンプルを提供いただいたUGREEN様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
Ugreen 65W 4Port 3C1A PD GaN Charger

入力 | 100-240V~50/60Hz 1.8A Max |
---|---|
プロトコル | PD3.0(PD2.0),QC4.0(QC4.0/QC3.0/QC2.0),PPS,SCP,AFC,APPLE 5V2.4A,BC1.2 |
電源IC | SC1933C |
ポート | USB-C×3、USB-A×1 |
出力(C1/C2) | 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3.25A 65W Max |
出力(C3) | 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A 18W Max |
出力(A) | 4.5V/5A, 5V/4.5A, 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A 22.5W Max |
最大出力 | 65W |
サイズ | 65×65×33mm |
重さ | 172g |
GoodPoint
✔ 4ポート充電器
✔ ノートPCも充電可能
BadPoint
✖ コンセント位置が上
✖ ポート面にmax出力の記載がない
ハードウェア
外箱の表と裏です。
この充電器のモデル名(CD224)は製品サイトには掲載がなく、箱の裏、本体、マニュアルにしか書かれていません。他の場所(Amazonなど)ではSKU名(70773)が使われています。
まぁこの手の製品はポート数とか最大出力値で検索されるので、そもそもモデル名がなくても困らないわけですが、モデル名がないと中華系の怪しい製品感が出るんですよね…そういう意味でもモデル名、大事です。
箱の中には本体が鎮座。
ケーブルの類はなく、本体のみです。充電用ケーブルは別途購入しましょう。
側面にはメーカーロゴ。
光の加減によっては見えなくなります。表面積を増やして放熱性を上げるためか、側面にはざらっとした加工が施されています(ただのデザインかも)。
ポート面にはポート番号が印字されています。
ここに最大出力もラベルされているともっと分かりやすかったんじゃないかなぁと。
ケーブルをつなぐとこんな感じです。繋いでいるケーブルは下記の製品です。
底面にはざっくりとした仕様が記載されています。
マニュアルは折り畳みのペライチ。
まぁ、充電器ですし…
重量は仕様(172g)よりちょっと軽い169gでした。
手持ちのAukeyの100W充電器と比較。
「CD224」はGaN(窒化ガリウム)採用充電器ではありますが、本体サイズはやや大きめです。
4ポートゆえの限界かとも思ったのですが、他社製品だと同じスペック(3C1Aで65W)で50×51×30mmというのがあるので、コスト的なものかなぁと。
GaNについては以下の記事で解説しています。

充電してみた
「CD224」のポートの組み合わせと出力は以下のようになっています。
USB-C1 | USB-C2 | USB-C3 | USB-A | |
---|---|---|---|---|
1ポート | 65W | – | – | – |
– | 65W | – | – | |
– | – | 18W | – | |
– | – | – | 22.5W | |
2ポート | 45W | 18W | – | – |
45W | – | 18W | – | |
45W | – | – | 18W | |
– | 45W | 18W | – | |
– | 45W | – | 18W | |
– | – | 合計15W(5V3A) | ||
3ポート | 45W | – | 合計15W | |
– | 45W | 合計15W | ||
18W | 18W | 18W | – | |
18W | 18W | – | 18W | |
4ポート | 18W | 18W | 合計15W |
ノートPCを繋ぐ場合はUSB-C1/C2はどちらか片方だけにした方がよさそうです。まぁ、全ポート使っても低速で充電されるとは思うので、つなぎっぱなしにしておくなら問題ないかもしれません。
ところでこの充電器、ラベルの向きに合わせて繋ぐとこうなります。
コンセントタップ、めっちゃ浮いています。
この「CD224」に限らず、USB充電器の多くが本体上側にプラグを配置していて同様のことが起こるので、前々から気になっていたんですよね。
「壁のコンセントの下側に挿す」が想定だとは思いますが、いまどき壁のコンセントに直接挿す人ってどれだけいるんですかね…
たまにはプラグが下にある製品があってもいいんじゃないかと思ったり。いや、充電器を逆向きにすればいいだけなんですけどね?
USB-C1
USB-C1にPCを繋いでフル稼働させてみたところ、61.8Wまで出ました。65Wに届いていないのは単にPC側の最大消費電力の問題です。
ベンチマーク時の出力は2.81A@20.0V(56.2W)。撮り損ないましたが目視では2.83A@20.1V(56.883W)を確認しています。5Wくらいが変換ロスといったところでしょうか。
調べた範囲では「CD224」に使われている電源ICはPower Integrations社の「SC1933C」というもので、変換効率は最大94%となっています。
単純計算で、61.8Wの入力に対して56.9Wの出力は約92%なので、まぁまぁの変換効率といったところでしょう。テスターの消費電力が考慮されていないので、実際の変換効率はもうちょっと高くなります。
USB-C3
USB-C3にノートPCを繋いだら、25.9Wと仕様を大幅に超える結果が出ました。
出力は1.52A@15.1V(22.95W)。仕様上は12Vまででしたが、15V出力にも対応していたようです。こちらは変換ロス(+テスターの消費電力)が約3Wですね。
ノートPC側では”低速充電”と表示されています。
USB-C1+C2
USB-C1とC2の2ポートに2台のノートPCを接続したところ、仕様通り(ちょっとオーバー)の65.5Wとなりました。
USB-C1+C3
変則的にUSB-C1とC3の2ポートに2台のノートPCだと58W。
USB-C3の出力は0.9A@15.1V(13.59W)だったので、USB-C1(約40W)+変換ロス(約4W)と合わせてだいたい58Wと、計算は合っています。
まとめ
「CD224」の通常価格は、記事執筆時点で4,280円です。過去の値段を見ると4,000円を切るくらいの価格や、タイムセール時には3,600円台で販売されていたこともあるようです。
公式ショップだと65.99ドル(約7,200円)、米Amazonでも44.99ドル(約4,900円)、Aliexpressが36.99ドル(約4,000円強)なので、世界的に見ても日本はかなり安く販売されていますね。
実のところ、65Wで4ポートという製品は多くなく、65W前後の製品はだいたいが3ポート以下、4ポートは100W前後の製品に多く見られます。
割と高額になりがちな(5,000~8,000円)100W製品に比べると割安で、かつポート数も多い「CD224」は、実はニッチなところを突いた製品だったりします。
それでも「CD224」は頑張ればノートPC2台を動かせ、ノートPC+スマホ+イヤホンその他みたいな状況だと十分に足りる充電器であり、決してポート数が多すぎるわけでもありません。
リビングにひとつおいておけば、コンセントを節約しつつ家族分のスマホを同時に充電するということもできます。
非GaN充電器に比べればコンパクトで、安価に4ポート分を用意できるわけで、これを機に一台買っておくのはいかがでしょう?
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