アップグレードしなきゃ。 GPD「WIN Max」に2021年モデルが登場。ボードだけの販売も

クラウドファンディング

2021年5月11日、GPDは8インチのゲーミングUMPC「WIN Max」の2021年モデルを発表、6月末よりクラウドファンディングサイトのIndiegogoでファンディングを行います。

がじぇっとりっぷでは基本的に(買う気分になっているのにお預けはつらいので)ファンディング開始のタイミングで記事にするのですが、時期がちょっと先過ぎるので、珍しく早めの記事化です。

2021年7月30日追記:7月30日11時(日本時間)より、こちらのページでファンディングが始まります。

価格は以下の通り

Core i7-1195G7:999ドル(109,332円)
Ryzen 7 4800U:999ドル(109,332円)
Core i7-1195G7(ボード):669ドル(73,222円)
Ryzen 7 4800U(ボード):669ドル(73,222円)
※ボードにはSSDは含まれません。

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スペック

■GPD WIN Max 2021
CPUCore i7-1185G7
Core i7-1165G7
Ryzen 7 4800U
メモリ16GB LPDDR4x-4267
ストレージ1~2TB NVMe SSD
画面8.0インチ IPS 1280×800
インターフェースType-C(TB4)×2(Intel)
Type-C(Gen2)×2(AMD)
USB 3.2 Gen1×2
HDMI
1GbE有線LAN
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi802.11ax+BT5.0
サイズ207×145×26mm
重さ0.79kg
詳細スペックを見る
メーカーGPD
名称GPD Win Max 2021
発売日2021/06
定価
実売価格
価格条件
CPUCore i7-1185G7
Core i7-1165G7
Ryzen 7 4700U
グラフィックIntel Iris Xe
Radeon 8
メモリ16GB
メモリ規格LPDDR4X-4266
メモリ増設×
2.5inch
M.21~2TB(PCIe4.0/3.0)
画面8インチ
500 nits
解像度1280×800
ベゼル幅
表面Gorilla Glass 5
タッチ対応10点マルチ
光学ドライブ
USB2.0
USB3.02(Gen1)
USB3 Type-CIntel:2(TB4)
AMD:2(Gen2)
USB PD
HDMI2.0b
LANポート1GbE
wi-fi802.11 ax
Bluetooth5
office×
カードリーダーmicroSDXC
Intel:A2
AMD:A1
Webカメラ×
赤外線カメラ×
NFC×
指紋センサー×
Windows Hello×
オーディオジャック
マイク×
スピーカーステレオ
スピーカー位置
サウンド
キーピッチ
キーストローク
キーボードバックライト
バッテリー57WHr
稼働時間3~14Hr
ACアダプタ65W
充電時間2.4Hr
急速充電
207mm
奥行き145mm
高さ26mm
重量790g
開口角度
カラーブラック
その他特徴ゲームパッド

特徴

「WIN Max 2021」は2020年に発売された「WIN Max」のアップグレード版という位置づけで、第11世代Tiger Lakeのほか、GPD初のRyzen搭載モデルが用意されています。

2020年モデルについてはがじぇっとりっぷも購入し、レビューを行っています。

【レビュー】 GPD WIN Max :人の欲求の強さを思い知るゲーミングUMPC

CPUはTigerLakeまたはRyzen

「WIN Max 2021」はCPUが3種類用意されています。Intel 第11世代TigerLakeからはCore i7-1165G7およびCore i7-1185G7、そしてAMDからはRyzen 7 4800Uです。

…これ、筐体は同じでもボードは新設計ってことですよね…新機種じゃなくてアップグレードモデルでやってくるのは予想外でした。

CPU性能についてはシングルスレッド性能の高いIntelと、マルチスレッド性能の高いRyzenに分かれています。Intel系は4コア8スレッドなのに対し、Ryzen 7 4800Uは8コア16スレッドなことがもろに影響していますね。
へぇっとなったのは、「WIN Max 2020」に搭載されているCore i5-1035G7が割と検討していた点です。

CPU3DMark Fire Strike
Intel Xe5169
GeForce MX3504380
Radeon Vega 83487
Intel Iris Pro2671

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPU3DMark Time Spy
Intel Xe1801
GeForce MX3501310
Radeon Vega 81201
Intel Iris Pro801

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

グラフィック比較はCore i5-1035G7(Intel Iris Pro)が入っていなかったので、「WIN Max」での実測を追加。
こうしてみると、Core i7-1065G7と同等クラスのグラフィックだったCore i5-1035G7でさえ、Intel Xe(Core i7-1165G7/1185G7)の半分くらいの性能しかないんですね。

これだけ違っているなら、アップグレードを用意しようとなるメーカー側の気持ちも分かります。

メーカーでの実際のタイトルでのFPS検証(の抜粋)です。全体はファンディングページ(のプレビュー版)で確認できます。
ほとんどのタイトルでIntelモデルの方が高FPSでプレイできていますが、一部Ryzen優勢のものもあるようです。

WIN Max(2020)との違い

違いがある部分だけを抜き出すと、以下のようになります。

2021 (Intel)2021 (AMD)2020
CPUCore i7-1185G7
Core i5-1165G7
Ryzen 7 4800UCore i5-1035G7
GPUIris Xe 96EURadeon Vega 8Iris Plus 940
メモリ16GB LPDDR4x-426616GB LPDDR4-3733
ストレージ2TB1TB512GB
PCIePCIe 4.0対応(搭載SSDはPCIe3.0)PCIe 3.0PCIe 3.0
I/OType-C:
 Thunderbolt 4 × 2
Type-A:
 USB3.2 Gen1 × 2
Type-C:
 USB3.2 Gen2 × 2
Type-A:
 USB3.2 Gen1 × 2
Type-C:
 Thunderbolt 3 × 1
 USB3.1 Gen2 × 1
Type-A:
 USB3.2 Gen1 × 2
microSDA2対応
R/W:170MB/s,90MB/s
A1対応
R/W:90MB/s,50MB/s
A2対応
R/W:170MB/s,90MB/s

「WIN Max(2020)」比でメモリも上位になっており、ストレージも容量が増えています。
なお、「WIN Max 2021(Intel)」はPCIe 4.0に対応していますが、標準搭載されるSSDはPCIe 3.0モノで、PCIe 4.0対応SSDは自分で用意してね、とさりげなく注釈に書かれていたりします。

筐体

筐体は「WIN Max 2020」と同じものが使われています。

キーボードを手前に、パッドを奥にした独自の形状は、割と持ちやすく操作はしやすいです。

ディスプレイは8インチ1280×800で、実際使うともうちょっと細かくてもいいかも…とはなります。
ディスプレイパネルは500nit、90% DCI-P3とされていますが、同じ謳い文句だった「WIN Max」ではBOEのTV080WUM-NL0が使われていました。

TV080WUM-NL0 Specification & Datasheets - Panelook.com
BOE TV080WUM-NL0 datasheets (2 files) download, spec detail: application, mechanical, optical, electronics, interface, backlight, packing detail.

このパネル、仕様上は輝度390cd/m2、NTSC比は63%、sRGBカバー率は86%、Adobe RGBカバー率は66%、コントラスト比900:1と、明らかに謳い文句に届いてなかったんですよね…
DCI-P3はsRGBより約25%広い色域の規格なので、上のsRGBカバー率を当てはめると69%程度になってしまいます。

背面は、Thunderbolt3+USB3.1 Gen2だったType-Cが、Thunderbolt4×2となりました(Intelモデルの場合)。
「WIN Max」でTB4を2ポート使う場面というのも想像しにくいですが、ないよりあった方がいいのは確かです。

Thunderbolt 3/4があると、こんな感じにGPU Boxでブーストできるので、割と重いタイトルもプレイできるようになったりします。

【レビュー】 ASUS PN62:GPU BOXでグラフィック性能をブーストしてみました

この点についてはAMDは…いつになったらTB3/4、ないしはUSB4の対応をするんでしょうね?
デスクトップ向けはチップセットで対応していますが、モバイル向けってRyzen 5000シリーズでも非対応なんですよね…

天板はマグネシウム/アルミニウム合金、サイドにはゲームパッド/マウスモードのスイッチ、手前にはオーディオジャックがあります。
この辺りは変わっていないですね。

冷却はデュアルヒートパイプ&デュアルファン
「WIN Max(2020)」では静音モードにすると、ベンチマークスコアが5%ほど下がる代わりに騒音が48.5dB → 36.1dBと大幅に静かになりました。

同じような制御が組み込まれるのかは不明ですが、静音モードは本当に静かなので、引き続き搭載されて欲しいですね。

救済措置(ボードの販売)

「WIN Max 2021」が登場してがっかりしている「WIN Max(2020)」ユーザーに向けても救済措置として、マザーボードだけの販売が行われます。

以下がセットになっているとのこと。

・ボード本体
・交換チュートリアルビデオ
・ドライバー
・ファームウェア入りUSBメモリ
・シリコングリス

とはいえ、ボードの交換はそれなりのスキルが必要なので、経験が浅かったりリスクを取りたくない場合は素直に本体を買えという話です。

ところでボードを交換しちゃうと技適番号も変わると思うのですが、本体(筐体)に刻印されている番号と違うことになっても問題ないんですかね?

まとめ

「WIN Max(2021)」のファンディング開始は2021年6月末となっています。6月初めよりベータテストを開始するとのこと。価格については記事執筆時点では公表されていません。
参考までに、「WIN Max」のファンディング価格は6.038香港ドル(当時のレートで83,890円)でした。

筐体は同じながらグラフィック能力が倍になるのはなかなかに魅力的です。とはいえ「WIN Max」を買ったユーザーが買い増すにはハードルが高いのも事実です。

「WIN Max」の時のファンディング総額は294万ドル(約3.07億円)でした。
ある意味2番煎じとなってしまう「WIN Max 2021」がどこまで伸びるのかも注目です。

関連リンク

ファンディングページ(のプレビュー版):Indiegogo
ファンディングページ(Coming soon):Indiegogo

コメント

  1. 匿名 より:

    Thunderboltは致命的な脆弱性があるから意図的では無いかと。

    • がじぇっとりっぷ より:

      コメントありがとうございます。
      AMDのTB4/USB4未対応のことでしょうか?
      なるほど、Thunder Spy対策が完了するまで見送りというのはありそうです。

  2. 匿名 より:

    あ〜すいませんそのとおりです。
    対策方法幾つかあってもその方法は受け入れられない!となってるのかな?と。
    M.2 SSDなんかもカタログスペック落ちますからね。

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