2021年4月28日、ミニPCメーカーのMINISFORUM(本社:香港)は、Intel第11世代Core CPU(コードネーム:TigerLake)を搭載したミニPC「TL50」を、クラウドファンディングサイトのmakuakeでファンディングを開始しました。
小さくても本格派!仕事も趣味も即戦力で使える高性能ミニパソコンTL50:makuake
なお、「TL50」は「Tiger Lake 50」の略のようです。
スペック
■MINISFORUM TL50 | |
CPU | Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 12GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×1 USB 3.0×4 USB 2.0×2 HDMI2.0 DisplayPort 2.5GbE×2 オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 149.6×149.6×55.5mm |
重さ | 603g |
特徴
「TL50」はmakuakeでは第一弾のX400(Ryzen 5 PRO 4650G)、第二弾のUM270(Ryzen 7 2700U)に続く、第三弾となります。Intel CPUとしては初ですね。
CPUはCore i5-1135G7
「TL50」のCPUは第11世代TigerLakeのCore i5-1135G7で固定です。
CPUスコア的には現行世代(Intel第11世代・Ryzen 4000/5000)の中では低めですが、旧世代から比較すれば飛躍的に性能が伸びています。
グラフィック性能の評価が高いTigerLakeらしく、グラフィック性能はdGPUのGeForce MX350に迫るスコアとなっています。
デスクトップ機は制約の多いノートPCに比べて冷却能力を高く設計することができるので、平均スコアより高い数値が期待できます。
一応製品ページでも性能比較画像が出ています。
分かりやすくて表現の参考にはなるのですが、比較対象のチョイスが謎いですね。
メモリは12GB。ただしオンボード
メモリはオンボードの12GB DDR4-3200です。中華系PCって6GBとか12GBとか中途半端が好きなの、何なんでしょうね?
オンボード固定で増設スロットもない点が「TL50」の数少ない欠点です。
トリプルストレージ可能
「TL50」のストレージは512GB M.2 SSDで、オプションで1TB HDDの搭載が可能です。
なお、SSDは自社製造となっていますが…どんなやつがくるのやら…
2.5インチは横に2台搭載が可能で、M.2 SSDと合わせてトリプルストレージができます。
M.2 SSDは上の画像だと左手前、ちょこっと映っているWi-fiカードの上に来ます。
ストレッチゴールが豊富
クラウドファンディング独特の文化の一つにストレッチゴールというものがあります。
購入人数または合計金額が目標を超えるごとに、おまけが付いたり内容が豪華になったりするというものです。
今回の「TL50」は人数ですが、6段階のゴールが用意されています。
30人:2年保証
50人:Windows Home → Proに変更
100人:SSDをKingston製に変更
150人:メモリがDDR4-3200 → DDR4-3733に変更
200人:WPS搭載(エディションによるが4,000~5,000円相当)
250人:Wi-fi 5 → Wi-fi 6に変更
記事執筆時点では2段階目(50人)までクリアしています。
筐体
インターフェースはデュアル2.5GbEが目を引きます。
2.5GbEは2020年からのトレンドですが、安価な製品ではなかなか搭載されず、搭載されても1GbE+2.5GbEなんてことが多い中、デュアル2.5GbEはうれしいですね。
映像についてはHDMI+DisplayPort+USB-Cのトリプルディスプレイが可能です。最大で4K+4K+8Kまでできるようです。
なお、背面のType-C端子は給電専用(それも19Vのみ)で、おそらく19V出力しかないType-Cタイプの電源アダプタが付属します。
このような電源アダプタは誤ってスマホなどにつなぐと壊れる恐れがあるのであまりよろしくはないのですが、結構多いんですよね…これも欠点の一つですね。
比較的安価な製品ながら、「TL50」はフロントにThunderbolt4を持っています。
TB4はdGPUにもインターフェース拡張にも使えるので、あって損はないポートというか、ないと10GbEなどが使えないので、がじぇっとりっぷ的には地味に困ったります。
手とのサイズ感。
底面は吸気口が大きく開いています。底面にはVESA用のひっかけ穴も開いています。
内部分解図です。
メインボードにはおそらく90mmサイズと思われるファンがヒートシンクに組み込まれています。
大きなファンをゆるゆる回すことで「TL50」は騒音も低く抑えていますし、それでも並のノートPCよりは冷えるでしょう。
パッケージは、いまどき珍しくHDMIケーブルが含まれます(MINISFORUMは基本的にHDMIケーブルが付くようです)。
まとめ
MINISFORUMは現在の本社所在地こそ香港ですが、2012年に中国・深センで設立され、製造も深センという、いわゆる中華PCメーカーの一つです。
中華PCが安かろう、(性能が)悪かろうの時代は過去のものとはなっていますが、この点は頭の片隅に置いといてください。
makuakeでの販売価格は69,000円(15%オフ)からでしたが、記事執筆時点で15%オフ、13%オフは売り切れて、10%オフの73,000円となっています。
Intel NUCで同等スペックを揃えようと思った場合、本体(51,800円)+メモリ(16GBで9,000円)+SSD(512GBで7,000円)+OS(Win10 Pro DSP版で18,000円くらい) → 合計85,800円程度になるので、1.3万円ほど割安という計算になります。
メモリが固定なのはネックですが、トリプルストレージ&デュアル2.5GbEは他メーカーのミニPCだとなかなか見ないので、競合製品ともうまく差別化を図れています。
2.5GbEを活用してパワフルなNASにするもよし、TB4にGPU Boxを繋いで小型ゲーミングPCにするもよし、色々な用途に対応できます。
ファンディング期限は5月30日、MINISFORUMは実績もあるので発送も記載通りの2021年7月末までには完了するでしょう。
コメント
なんかメモリ周りが違和感?
ストレッチゴールもなんで4266じゃなくて3733になんだろう?
元々TigerLakeUP3はDDR4よりLPDDR4X向けなんで
フットプリントやらあるいは今回最大の売りであるXeグラフィックの性能上げるためとか
モジュールメモリにしなかったのはまあわかるんだが・・・
それならそれでLPDDR4Xの利点活かして上限まで帯域引き上げるはず
なんかようわからん半端さ
Type-C/65Wに収めるのはいいね
thunderbolt4認証要件であってもNUCみたいに100W超えるとpcへポート給電対応義務はなくなるもんね