マイナーバージョンアップ。SeeedStudio「ODYSSEY X86J4125」はGPIO付きのCeleronボード

シングルボード

2021年4月24日、SeeedStudioはCeleron J4125を搭載したGPIO付きのボード「ODYSSEY X86J4125」を発売いたしました。

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スペック

■ODYSSEY X86J4125
CPUCeleron J4125
メモリ8GB LPDDR4
ストレージ128GB SSD(オプション)
インターフェースUSB Type-C(3.1)×1
USB 3.0×1
USB 2.0×2
HDMI
GbE有線LAN×2
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi802.11ac+BT5.0
サイズ110×110mm
詳細スペックを見る
モデル名ODYSSEY X86J4125
メーカーSpeedStudio
発売日2021/04
価格218ドル(No Storage)
266ドル(128GB+Case)
価格(日本円)
CPUIntel Celeron J4125
(2.0〜2.7GHz x 4)
GPUUHD 600
NPU
メモリー8GB LPDDR4
サポートOSWindows Ent
Ubuntu
OpenWrt
有線LAN1GbE x 2
Wi-fi802.11 ac
Bluetooth5
チップIntel i211AT
ATSAMD21G18
ストレージM.2 Key-M x 1
M.2 Key-B x 1
SATA x 1
microSD
USB3.1 x 1(Type-C)
3.1 x 1
2.0 x 2
GPIO40pin x 1
28pin x 1
映像HDMI(2.0a) x 1
DP(1.2a) x 1(Type-C)
カメラ
オーディオジャック
その他インターフェースSIM
UART
消費電力
電源DC 12〜19V
DC 15V(Type-C)
110mm
奥行き110mm
高さ
その他

特徴

「ODYSSEY X86J4125」は、はっきり言ってしまうと2020年2月に紹介した「ODYSSEY X86J4105」(似た型番ですが、4125か4105かの違いです)のCPUを乗せ換えただけのボードです。

一応ミニPCらしい。 SeeedStudio「ODYSSEY X86J4105」はGPIOとArduino付きのCeleronボード

この背景には「X86J4105」の在庫がなくなったこと、搭載されているGeminiLake世代のCeleron J4105が製造終了(最終出荷日は2021年7月9日)となったことがあり、GeminiLake Refresh世代のCeleron J4125に置き換えたと推測されます。

なので製品ページもすごく手抜きで、「X86J4105」の説明文をコピペして型番だけ置換しているだけの説明となっています(しかも画像やリンクは「X86J4105」のまま)。

CPUはCeleron J4125

前述していますが、「ODYSSEY X86J4125」のCPUはGeminiLake Refresh世代のCeleron J4125です。
GeminiLake世代とは製造プロセスもアーキテクチャも同じで、動作周波数が若干向上したくらいの違いしかありません。

PassMark CPU
Celeron J4125(4C/4T)
2.0-2.7GHz
30451167

Celeron J4105(4C/4T)
1.5-2.5GHz
29701103

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

とはいえバースト周波数は200MHzしか差がないので、ベンチマークスコアにはほとんど差はありません。
本当に、今入手できるCPUに置き換えただけですね。

メモリは8GB、eMMCは削除

「X86J4125」のメモリは「X86J4105」から引き続き、8GB LPDDR4をオンボード搭載されます。
CPUの仕様から考えて、LPDDR4-2400になると思われます。

ストレージは、「X86J4105」にはあった64GB eMMCのオプションがなくなり、代わりに128GB SSDがオプションで追加されました。
SSDはM.2 SSDなので、(とても少数の用途ですしょうが)ストレージはeMMCでM.2スロットを別の用途に使うということができなくなっています。

なお、SSD追加モデルにはWindows 10 Enterprise(非アクティベート)がプリインストールされています。

GPIO搭載

「X86J4125」がそこらのオンボードマザボと違うのは、 ARM Cortex M0+を内蔵したMicrochip社のATSAMD21G18を搭載することで、ラズパイ互換の40pin GPIOと28pin Arduinoピンヘッダを持っていることです。

Access Denied

「X86J4125」の肝というべきポイントで、これによってWindows上でGPIOを使ったソフトの開発が行えるわけです。

インターフェース

前述の通り、「X86J4125」は「X86J4105」とほぼ変わらないうえ、新たに画像も用意されていないので、「X86J4105」のものを使用しています。
GPIOヘッダがなければミニサイズのオンボードマザボですね。

背面は全体を覆うヒートシンクとなっています。
「X86J4105」ではファン付きヒートシンクだったので、ファンレスとなったようです。

CPUには温度センサーが組み込まれておらず、注意書きに、”CPUのそばに温度センサーを付けているけど念のために20分程度フル稼働させてみてね”と書かれています。

拡張

「X86J4125」はボード上に3ポート分のSATA電源が用意されていて、拡張ボードを使うことで最大3台のSATA HDD/SSDに対応することができます。

Wi-fiはオンボード実装されているのでM.2 Key-Bが空きとなっており、M.2 SATA SSDのほか、WWAN(4G/5G)に使うこともできます。

GPIOからディスプレイ出力を行い、Arduinoピンからセンサ情報を得る、なんてこともできます。

パッケージ

パッケージ内容はボードの他、アンテナ、SATAケーブル、電源などが入っています。

ケース

「X86J4125」には割とかっこいいケースが用意されています。ケース付きは「Odyssey Blue」と名前が付けられています。
ただ、ケース使用時にGPIOを引き出せるかどうかはどこにも言及がないんですよね…

まとめ

「ODYSSEY X86J4125」の価格は以下のようになっています。

ボード本体のみ:218ドル(約23,800円)
128GB SSD+ケース:266ドル(約29,000円)

「X86J4125」の時はeMMCなしで188ドルだったので、30ドル高くなっています。これはおそらくですが、世界的な半導体不足による部材の高騰が原因と思われます。
インターフェースを十全に使うというのであればありでしょうが、GPIOを使わない用途にするにはちょっとお高いですね。

現在は部材枯渇で販売停止中ですが、似たようなことができて半額な「ODROID-H2+」(しかも2.5GbEとか一部の仕様はこっちの方が上)もあるので、”今手に入る”くらいしかメリットがないのが何とも…

これからのトレンド? Hardkernel「ODROID-H2+」はデュアル2.5GbEに

GPIO不要、4G/5Gも使わないというのであれば、CHUWI「LarkBox」などで十分でしょう。
Windowsにこだわらないのであれば、普通にラズパイでもいいですしね。

関連リンク

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ODYSSEY – X86J4125800:SeeedStudio
Odyssey Blue:SeeedStudio

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