2021年4月17日、SBCメーカーのFireflyはRockchip社の新世代SoC RK3566を搭載した「ROC-RK3566-PC」を発表いたしました。
スペック
モデル名 | ROC-RK3566-PC |
---|---|
メーカー | Firefly |
発売日 | 2021/04 |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3566 (4コア) (A55 x4) |
GPU | Mali-G52 2EE |
NPU | 0.8TOPS |
メモリー | 2〜8GB LPDDR4 |
サポートOS | Ubuntu 18.04 Android 11 Station OS |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 b/g/n |
Bluetooth | 5 |
チップ | |
ストレージ | 32~128GB eMMC M.2 Key-E(2240) x1 microSD |
USB | 3.0 x 1 2.0 x 1 2.0 x 1(Type-C) |
GPIO | 26pin |
映像 | HDMI(2.0 4K/60Hz) MIPI DSI |
カメラ | MIPI CSI x 1 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | IR Receiver |
消費電力 | |
電源 | DC 5V(Type-C) |
幅 | 90mm |
奥行き | 60mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「ROC-RK3566-PC」は名前からも分かるように、Rockchip RK3566を搭載しています。
RK3566はRK3268の後継SoCと位置付けられ、CPU部は4コアのCortex-A55、GPU部はMali-G52 2EEという構成になっています。
実際、Fireflyには設計の良く似た「ROC-RK3328-PC」という製品があります。
RK3568には上位モデルというか兄弟モデルというか、そういう位置づけにRK3568があり、こちらはパッケージサイズが一回り大きい代わりにインターフェースが充実しています。
Rockchip RK3566 | Rockchip RK3568 | |
---|---|---|
CPU | Quad-core Cortex-A55 | |
GPU | Mali-G52 2EE | |
NPU | 0.8 TOPS | |
メモリ | DDR3/DDR3L/DDR4 LPDDR3/LPDDR4/LPDDR4X | |
ECC対応 | × | ○(DDR3/DDR3L/DDR4) |
ストレージ | NOR flash SPI NAND eMMC 5.1 SATA 3.0 8K OTP | NOR flash SPI NAND eMMC 5.1 SATA 3.0 x3 8K OTP |
映像出力 | デュアルディスプレイ | トリプルディスプレイ |
ネットワーク | Gigabit Ethernet (GMAC) x1 | Gigabit Ethernet (GMAC) x2 QSGMII |
USB | USB 2.0 host x2 USB 2.0 OTG x1 USB 3.0 host | USB 2.0 host x2 USB 3.0/2.0 OTG USB 3.0 host |
PCIe | PCIe 2.1 1×1 lane | PCIe 2.1 1×1 lane PCIe 3.0 1×2 lane or 2x 1-lane |
その他 I/Os | SDIO 3.0 UART x10 SPI x4 PWM x16 I2C x6 SARADC x2 | SDIO 3.0 UART x10 SPI x4 PWM x16 I2C x6 SARADC x8 CAN FD x3 |
パッケージ | FCCSP565L (15.5mm x 14.4mm) | FCBGA636L (19mm x 19mm) |
RK3568搭載ボードは以前にFirefly「Core-3568J AI Core Board」を紹介しています。
「ROC-RK3566-PC」に使われるRK3566はインターフェース周りが劣るもののCPUやGPUは同じ構成でチップサイズも小さいので、言い換えればコンパクトな設計が可能です。
ちなみにRK3566は性能的にはRaspberry Pi 4に搭載されるBroadcom BCM2711とほぼ同等で、GeekBenchスコアがほぼ同じになるようです。がじぇっとりっぷでよく登場するRK3399比だと-15~25%くらいですね。
0.8TOPSのNPUを搭載している分、AIoT用途にはRK3566に分がありそうです。
参考:February Update: Show and Tell:Pine64
メモリは最大8GB
RK3566は最大8GBまでのメモリをサポートしており、「ROC-RK3566-PC」も最大8GBまでのメモリオプションが用意されています。
RK3566はECC非対応なので、仕様表にある”supports all-data-link ECC”というところはちょっと分からないです。
クレカサイズ
「ROC-RK3566-PC」のサイズは90mm×60mm。
ラズパイ(85mm×56mm)より少し大きいサイズになりますが、よく見るとボードからはみ出した端子の分も勘定しているっぽいんですよね。
この辺は実測してみないと分かりませんが、ほぼラズパイサイズと思っていいでしょう。
インターフェース
インターフェースを短辺と長辺にしているラズパイと違い、「ROC-RK3566-PC」は左右に振っています。
モデル名に”PC”と入れるだけあって、前面/背面を意識しているようです。ラズパイ同様にヒートシンク用のホールがあるのもがじぇっとりっぷ的には好印象です。
そして上の画像で気付いたでしょうか?
そう、真ん中に2242サイズのSSDが載っているんです。
M.2 SSDの使えるSBCはいくつかありますが、クレカサイズでやってのけたのは初めてじゃないかと。
接続はPCIe2.1 x1(片方向500MB/s)なのでSATA SSD程度の速度しか出ませんが、SBCで使う分には十分ですね。
まとめ
記事執筆時点では「ROC-RK3566-PC」の発売日や価格については公開されていません。
Fireflyの公式ショップでは「ROC-RK3288-PC」が60ドル、「ROC-RK3399-PC Plus(4GB)」が99ドルなので、おそらくはその間くらいになるのではないかと。
追記:2021年5月17日に販売が始まりました。価格は2GBモデルが89ドル、4GBモデルが119ドルですが、今のところ2GBモデルのみが販売されています。
Fireflyはwikiが割と充実していますし、メモリもラズパイ4同様に8GB積めてNPUも内蔵、価格も性能もラズパイ4と真っ向から勝負できそう、さらにSSDまで搭載できるというのは、かなり有望なSBCになりそうです。
関連リンク
:Firefly Store
ROC-RK3566-PC:Firefly
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