これからのトレンド? Hardkernel「ODROID-H2+」はデュアル2.5GbEに

シングルボード

2020年6月17日、韓国のSBCメーカーHardkernelは、「ODROID-H2」のアップデート版となる「ODROID-H2+」を発売いたしました。

ODROID-H2+:Hardkernel

スポンサーリンク

スペック

モデル名Odroid-H2+
メーカーHardkernel
発売日2020/06
価格119ドル
価格(日本円)
CPUIntel Celeron J4115
(2.3GHz x 4)
GPUUHD 600
NPU
メモリーDDR4-2400(最大32GB)
サポートOSWindows
Ubuntu
有線LAN2.5GbE x 2
Wi-fi×
Bluetooth×
チップRTL8125B x 2
IT8763E
ALC662
ストレージSATA3 x 2
eMMC5.1
M.2 M-key(2280)
USB3.0 x 2
2.0 x 2
GPIO24pin x 1
映像HDMI(2.0 4K/60Hz)
DP(1.2 4K/60Hz)
カメラ×
オーディオジャック
SPDI/F x 1
その他インターフェース
消費電力22W
電源DC 14-20V
110mm
奥行き110mm
高さ47mm
その他重さ:285g

特徴

「ODROID-H2+」は、「ODROID-H2」のアップデート版ですが、その変更内容はかなり大きいです。
「ODROID-H2」については以前記事にしています。

SBCというかNUCでは… Hardkernel「ODROID-H2」はGemini Lake搭載で110mm角

変更点は大きく四つあります。

・CPUがCeleron J4105からCeleron J4115に
・LANポートが2.5GbEに
・拡張ヘッダが20ピンから24ピンに
・電源周りの強化

1点目はCPUですが、Gemini Lake世代のCeleron J4105からGemini Lake Refresh世代のCeleron J4115に変更されています。

Celeron J4115は以前にも書いたことがありますが、Intelの製品仕様ページにもラインナップされておらず、情報の少ないCPUです。

本家よりいいかも。 EDGENITY「ReevoCube」はPentium N5030搭載で26,900円

▲同じCeleron J4115を搭載する「ReevoCube」です。

中身的にはCeleron J4105とほぼ変わらず、ベースクロックが1.5GHzから1.8GHzに引き上げられているくらいしか差がありません。
ブーストクロックは2.5GHz、全コア時は2.3GHzで同じです。

TDPは10Wで、Passmarkスコアは(サンプル数が少ないですが)2800~2900程度のようです。
このスコアはCeleron J4105とほぼ同等なので、ピーク性能自体は変わらないものとみていいと思います。

▲ちなみにIntel CPUなので見慣れたBIOS画面が出ます。

2点目は2.5GbEです。

「ODROID-H2+」はLANチップがRTL8111GからRTL8125Bに変更されました。

RTL8125BはRealtek社の第2世代2.5Gイーサネットソリューションにあたり、発表時は世界最小の消費電力(700mW以下)を謳っています。
内部接続にはRTL8111Gと同じく、PCIeが用いられています。

なお、2.5GbEを搭載したSBCは「ODROID-H2+」が初ではなく、Kobol「Helios64」などがあります。

ケースと合わせて買うべし! Kobol「Helios64」は真の5ベイNAS型SBC

3点目はピンヘッダの変更です。

もともとあった20ピンに、HMDI-CEC, 5VA+, D+, D-の4ピンが追加されました。

▲画像左側、”I2C 6″の左にある4ピンが追加されたピンになります。

これによって、別売のHDMI-CECアダプタを介することでHDMI-CECに対応できるようになります。

HDMI-CECとは、テレビやビデオレコーダーなどの機器間で制御信号をやり取りすることにより、お互いを操作するリンク機能のことです。
システムスタンバイ、ワンタッチ録画、録画予約などの共通コマンドは異なるメーカー間でも使えますが、メーカーごとの独自拡張機能は使えない場合があります。

最後は電源チップの変更です。

12Vを生成するDC/DCコンバーターが、3A出力のRT8296Bから6A出力のRT6220に強化されています。
変更項目では「SATAの電源管理バグの修正」とあるので、出力が足りなくなるシチュエーションがあったものと思われます。

その他の仕様については、「ODROID-H2」から変更はありません。

メモリは搭載されておらず、SO-DIMM DDR4-2400が2スロットとなっています。
Gemini Lake/Refreshは仕様上は最大8GBですが、Hardkernelでは32GB(16GB×2)まで確認しているとのこと。

64GB(32GB×2)は内部のアンテナ線が足りず、動かないそうです。

ストレージはeMMC+M.2 NVMe SSD+SATA3×2です。
M.2 SATA SSDはサポートされていません。

あと、Wi-fiもないのでUSBでの対応になります。

A.CPU (Celeron J4115)
D.1 x eMMCソケット
E.2 x SATA 電源
F.2 x SATA3 データ
M.5 x システムLED
N.1 x ペリフェラル拡張ヘッダ(24ピン)
O.1 x 電源スイッチ
P.1 x リセットスイッチ
Q.1 x バックアップバッテリー端子(2ピン)
R.1 x クーリングファン端子(4ピン)

B.2 x DDR4 SO-DIMM
C.1 x M.2 PCIe (NGFF-2280)

G.1 x DC電源
H.2 x USB 3.0
I.2 x USB 2.0
J.1 x HDMI 2.0
K.1 x DisplayPort 1.2
L.2 x RJ45 2.5GbEポート
S.1 x Audio out
 1 x Audio in
 1 x SPDIF out

インターフェースはほぼ変わりません。GPIOが20ピンから24ピンになったくらいです。
電源端子は内径2.2mm、外形5.5mmで、入力電圧は14~20Vです。よくある12V電源アダプタは使えません。

HDMIとDisplayPortでのデュアルディスプレイに対応し、どちらも4K/60Hz出力が可能です。
とはいえCPUの性能的に、かなり厳しい表示となると思われます。

▲ブロックダイアグラムは変更点が色付けされています。

また、「ODROID-H2」の記事ではスケッチだったケースは、4タイプとも販売されています。

▲Type-1(20ドル)

Type-1は3.5インチHDDを2台、縦に積めます。
Type-1のみファンが付いており、Type-2からType-4は自然冷却となります。

▲Type-2(10ドル)

Type-2には2.5インチも入りませんが、128×132×63mmとサイズは最小です。

▲Type-3(16ドル)

Type-3は2.5インチが2台入ります。

▲Type-4(19ドル)

Type-4は3.5インチを横に並べます。

まとめ

「ODROID-H2+」の価格は119ドル(約12,700円)です。
「ODROID-H2」が110ドルだったことを考えると、+9ドルで2.5GbEにアップグレードは安いと思います。

なお、電源とメモリとストレージは別売で、一緒に買ってもAmazon辺りで買っても構いません。
電源はオプションで9.4ドル(約1,000円)、各国のプラグが選べるようになっています(日本はUSプラグになります)。
eMMCは国内では手に入りづらく、やたらと高いので、一緒に買った方がいいでしょう。64GBで39.9ドル(約4,260円)です。

同じ2.5GbEを搭載する「Helios64」はCPU(SoC)がRockchip RK3399でしたが、「ODROID-H2+」はCeleronです。
これがどういうことかというと、「ODROID-H2+」はWindowsが動きます。

最近ではNASでも2.5GbE搭載品が増えていますし、これからしばらくは2.5GbEが普及するものと思われます。
デュアル2.5GbEな小型Windowsサーバー。アリだと思います。

ついでに言うと、がじぇっとりっぷが知る範囲で2.5GbEを搭載する最小のPCは、ZOTAC「ZBOX EN52060V」(210×203×62.2mm)なので、「ODROID-H2+」は実は世界最小の2.5GbE搭載Windowsボードとなる可能性があったりもします。

関連リンク

ODROID-H2+:Hardkernel
ODROID-H2/H2+:ODROID wiki

コメント

タイトルとURLをコピーしました