2020年6月10日、オープンソースコミュニティのPINE64は、99.99ドルの自作タブレット「PineTab」の販売予約を開始いたしました。
スペック
メーカー | Pine64 |
---|---|
名称 | PineTab |
発売日 | 2020/06 |
定価 | 99ドル |
実売価格 | |
価格条件 | |
幅 | 258mm |
奥行き | 170mm |
高さ | 11.2mm |
重量 | 575g |
CPU | Allwinner A64 |
メモリ | 2GB |
メモリ規格 | LPDDR3 |
グラフィック | Mali-400MP2 |
ストレージ | 64GB eMMC |
画面 | 10.1インチ |
解像度 | 1280×800 |
ベゼル幅 | 太 |
表面 | マルチタッチ |
筆圧階調 | – |
USB2.0 | 1(Type-A) 1(micro) |
USB3.0 | – |
USB type-c | – |
USB PD | – |
映像出力 | miniHDMI |
wi-fi | 802.11 b/g/n |
Bluetooth | 4 |
office | × |
カードリーダー | microSD |
Webカメラ | 200万画素(フロント) 500万画素(リア) |
赤外線カメラ | – |
NFC | – |
指紋センサー | – |
Windows Hello | – |
オーディオジャック | ○ |
マイク | |
スピーカー | ○ |
サウンド | |
バッテリー | 6000mAh |
稼働時間 | |
ACアダプタ | 10W |
充電時間 | |
急速充電 | |
カラー | |
その他特徴 | M.2モジュール LTE/LoRaモジュール |
付属品 |
Pine64について
Pine64は、オープンソースコミュニティプラットフォームと呼ばれるもので、64bit ARMデバイスの普及を目指しています。
一般的なメーカーや企業とは違うので、その点は注意が必要です。
製品についてはプロジェクト開始のころから内容が公表され、コミュニティ参加者は機能の要望を出したり、変更を提案したりすることができ、その内容もオープンにされます。
そして製品自体も初期ロットはベータ版やコミュニティエディションといった形でリリースされ、ユーザーも不具合やバグの洗い出しに参加することになります。
効率的な開発と長期間のサポートを実現するためにデバイスに採用するCPU(SoC)の種類を限定しており、現在はAllwinner A64とRockchip RK3399を中心とした開発を行っているようです。
製品の製造は、Pine64と密接にかかわっているPINE Microsystems社(米国・サンフランシスコ)が担当し、その収益は次の製品企画のやサーバー維持費のほか、オープンソースコミュニティのサポートに回されます。
以下はPine64の製品で、がじぇっとりっぷで取り上げたものの例です。
特徴
「PineTab」はスペックだけ見るとローエンドに属するタブレットです。
CPUはAllwinner A64で、1.2GHz×4コアARM Cortex A-53、GPUはMali-400MP2となっています。
おおよその性能としてはRaspberry Pi 3が同等レベルに当たります。
メモリは2GB LPDDR3、ストレージは64GB eMMC、ディスプレイは10.1インチ1280×800と、これだけ見たら安さが売りのタブレットとしか言えません。
しかし、オープンソースコミュニティのPine64が手掛けたものであるので、単なるタブレットでは終わりません。
例えば内部はユーザーが自分でカスタマイズする前提で、拡張モジュールが用意されています。
▲下側にあるのが拡張モジュールで、この画像だとM.2 SATA SSD用モジュールが取り付けられています。
その気になればeMMCも換装できそうな雰囲気です。
▲LTE/LoRaモジュールも用意されています。
今のところアナウンスされているのはこの2種類だけとなります。
カメラはフロントが200万画素(1/5インチ、F2.8)、リアが500万画素(1/4インチ)です。
Wi-fiはIEEE 802.11 b/g/n(Wi-fi 4)止まりとなっています。
インターフェースは画像がないのですが、USB2.0×1、microUSB×1、miniHDMI×1とされています。
バッテリーは6000mAhですが、充電ポートはUSBではなく、DCジャック(2.5mm OD x 0.7mm)です。
▲全体図です。
▲当たり前ですがキーボードは分離式です。
スタンドはいわゆる”三角折り”スタイルのため、角度調整はできません。
▲キーレイアウトはこんな感じです。
OSはAndroidでもWindowsでもなく、Linuxディストリビューションの一つであるUbuntu Touch(UBports)です。
Ubuntu Touch以外ではAlpine LinuxベースのpostmarketOS、ARM向けArch Linuxの公式サポートが明言されています。
他にもARM向けLinuxディストリビューションであれば技術的には動作可能とされています。
つまるところ、中身的にはタブレット型のSBCと言った方が近いかもしれません。
▲量産開始前の「PineTab」でUbuntu Touchを動かしている様子です。
さすがに追随性は微妙で動きもややもっさりしていますが、解像度が低めということもあってか、待たされるほどではありません。
まとめ
最初の方で説明したように、「PineTab」はオープンコミュニティが要望を出したり、変更を提案したりしています。
例えば下のフォーラムスレッドがその典型で、ストレージについて16GBで79ドルか、64GBで99ドルか、どちらがいいか投票で決めています。
価格は本体のみが99.99ドル、キーボード付きが119.98ドルです。
拡張モジュールについては今のところアナウンスされていません。
また、前述のように現在はパイロット版/ベータ版という位置づけのため、ディスプレイのドット抜け等はサポートの対象に含まれないというか、そんなことでクレームを立てる人は買うなとまで書かれていたりします。
エンジニアのおもちゃとしては手ごろな値段で、今ではあまり見かけないUbuntu Touchを試すにはいいんじゃないでしょうか。
関連リンク
PINETAB(キーボードなし):PINE Store
PINETAB(キーボードあり):PINE Store
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