2019年11月5日、「Rock64」や「RockPro64」を手がけたPINE64がブログ上で11月の定期報告を行いました。
PINE64の定期報告は2019年4月のサイトリニューアルから始まったのですが(それまではフォーラム内で告知していた)、ニュースリリースと一体化したような内容となっていて、やたらと情報がつめ込まれています。
November Update: Brave Heart, Pinebook Pro reception and more:PINE64 News Blog
PINEBOOK Pro
2019年7月に記事にした「PINEBOOK Pro」の出荷が始まりました。

スケジュール的には2週間ほど遅れが出ていますが(※)、セカンドロットの注文受付が始まっています。
セカンドロットの生産後は中国が旧正月に入り生産がストップ、次のロットは2020年3月下旬以降になるとのこと。
また、セカンドロットではキーボードがANSIとISOの2パターンが用意されました(ファーストロットはISOのみ)。
上がANSI、下がISOキーボードになります。
販売ページ:ANSIキーボード版、ISOキーボード版
ファーストロットで判明した問題(トラックパッドの入力遅延、厚みの有るNVMeを搭載するとトラックパッドが押し出される)について、前者は解決済み、後者は検証中となります。厚さのないNVMeならいいっぽい。
※10月の定期報告で「バッテリーを外した状態だと起動できない」「RK3399のブートシーケンスがeMMC優先なので、microSD / USBブート可能にする修正」「高音ノイズを発するパーツの交換」「生産は中国、出荷は香港。今の状況は…分かるな?」の4点により遅れが発生したと報告されています。
PINEPHONE
「PINEPHONE」はスマホとSBCのあいの子みたいなLinux Phoneです。
Postmarket OSやUbuntu Touch、Sailfish OSなど、複数のOSで「PINEPHONE」用のビルドが行われています。
Wiki:PINE64
2019年1月にはアナウンスがあったのですが、当時は「ほんとにできるのかなぁ」と疑念があったためこれまで記事にはしてきませんでしたが、ちょっと前に開発者向けの「Development kit」が出荷されました。
「Development kit」はこんな感じで、まだスマホの形にはなっていません。「PINEPHONE」と同じチップが搭載され、OS開発などに使われます。
スマホの形をした「PINEPHONE」もすでに出来上がっており、2019年11月15日より”Brave Heart”版、要は人柱版の予約が始まります。
基本的には”最終版”と同じ仕様ですが、”最終版”では”Brave Heart”版で炙りだされた問題点が改修されます。
「PINEPHONE」についても「PINEBOOK Pro」と同様中国の旧正月をひとつの区切りとして、旧正月後の2020年3月下旬以降に”最終版”を生産するとのことです。
スペック
メーカー | Pine64 |
モデル名 | PINEPHONE |
発売日 | 2019/11 |
OS | いろいろ |
CPU | Allwinner A64 |
CPU構成 | 1152MHz x 4 |
GPU | Mali-400 MP2 |
RAM | 2GB LPDDR3 |
画面サイズ | 5.95インチ |
画面解像度 | 1440×720 |
アスペクト比 | 18:9 |
画面種類 | |
ストレージ | 16GB eMMC |
外部ストレージ | microSD |
インカメラ | 2MP GC2035 |
アウトカメラ | 5MP OV6540 |
HDR | – |
バッテリー | 3000mAh Samsung J7 |
駆動時間 | |
充電 | 5V / 3A |
センサー | 照度 加速度 ジャイロ 磁気 近接 気圧 |
端子 | USB Type-C |
SIM | |
Wi-fi | 802.11 ac |
Bluetooth | 4.0 |
NFC | – |
イヤホン端子 | ○ |
FMラジオ | – |
防水防塵 | – |
GPS | ○(GPS/GPS-A/GLONASS) |
高さ | |
幅 | |
厚さ | |
重さ | |
その他 | modem:Quectel EG25-G |
外観など
今のところ、あまり多くの画像は公開されていません。
公開されている技術資料より抜粋した展開図です。
結構普通のスマホっぽくなっています。
これはUbuntu Touchをインストールしたプロトタイプです。
プロトタイプを組み立てて、OS起動までこぎつける動画です。
「PINEPHONE」の全体像が分かる動画なのですが、外部インターフェースは普通のスマホと同じ、USB一つになっています。
個人的には隠しGPIOとか、POGOピンとか付いているのを期待していたのですが、残念です。
※2019年11月10日追記:内部には2行3列のI2C POGOピンがありました。でも使うにはバックパネルを剥がす必要があるっぽいです。
まとめ
今回の報告では開発中のタブレット「PINETAB」とスマートウォッチ「PINETIME」についても触れられています。
どちらもプロトタイプが組み上がったくらいの段階で、仕様についてもまだ公開されていません。
また、以前に発売したAllwinner A64搭載の「PINEBOOK」をRK3399仕様にするアップグレードキットについても開発中となっています。
最後に(と言っても定期報告では一番最初でしたが)、ネタ的な一枚を。
今後、PINE64のサイトやwiki等をホストすることになる、48台の「RockPro64」で構成された「RockPro64クラスター」です。
こういうのを見るとテンションが上がりますね。
関連リンク
PINEBOOK Pro:PINE64
PINEPHONE:PINE64
November Update: Brave Heart, Pinebook Pro reception and more:PINE64 News Blog
コメント
公式サイトのPingbackから来ました
ポゴピンありますよー
SeptemberUpdateに記述があります
https://www.pine64.org/2019/09/05/september-update-the-pinephone-is-real-shipping-soon/
>The detachable back panel – which covers the privacy switches, pogo pins and the removable battery – is made of a durable soft-touch plastic.
プロトタイプの組み立て動画でも6つ(3×2)のポゴピンが背面内側パネルから露出してるのを確認できますね
コメントありがとうございます。
> ポゴピンありますよー
本当だ、内部にはあるんですね。外観で判断していました… orz
しかし、使うときはバックパネルを剥がさないといけないっぽいですね…