2019年7月25日、「Rockk64」や「RockPro64」などのSBCを手掛けるPINE64が、「RockPro64」と同じRockchip RK3399をSoC(System on Chip)に使用した14インチノート「PINEBOOK Pro」の予約を開始いたしました。
予約販売ページ:PINE64 shop
スペック
メーカー | Pine64 |
名称 | PINEBOOK Pro |
発売日 | 2019/07 |
定価 | 199.99ドル |
実売価格 | |
価格条件 | |
CPU | Rockchip RK3399 |
メモリ | 4GB |
メモリ規格 | LPDDR4 |
メモリ増設 | × |
2.5inch | 64GB eMMC |
M.2 | △ |
画面 | 14.1インチ |
解像度 | 1920×1080 |
ベゼル幅 | |
表面 | – |
タッチ対応 | – |
グラフィック | Mali-T860 MP4 |
光学ドライブ | – |
USB2.0 | 1 |
USB3.0 | 1(3.0) |
USB3 type-c | 1(3.0) |
USB PD | ○ |
HDMI | – |
LANポート | – |
wi-fi | 802.11ac |
Bluetooth | 5.0 |
office | × |
カードリーダー | microSD |
Webカメラ | 200万画素 |
赤外線カメラ | × |
NFC | × |
指紋センサー | × |
Windows Hello | × |
オーディオジャック | ○ |
マイク | ○ |
スピーカー | |
スピーカー位置 | |
サウンド | |
キーピッチ | |
キーストローク | |
キーボードバックライト | |
バッテリー | 38WHr |
稼働時間 | |
ACアダプタ | 15W / 5V |
充電時間 | |
急速充電 | |
幅 | 329mm |
奥行き | 220mm |
高さ | 12mm |
重量 | 1.26kg |
開口角度 | |
カラー | |
その他特徴 | オプションのアダプターでM.2可能 |
特徴
「PINEBOOK Pro」は前述の通り、CPU(SoC)にIntelやAMDではなく、Arm系のRockchip RK3399を採用しています。
Arm系SoCを採用したノート自体は初めてではありません。
Arm系SoCの処理能力が追いついてきたとしてArm×Windowsという組み合わせが2018年後半に盛り上がり、Snapdragon 835を搭載し、Arm版WindowsをインストールしたLenovo「Miix 630」やSnapdragon 850を搭載したLenovo「Yoga C630」などが発売されました。
しかし、新登場の常としてWindowsの完成度は高いとは言えず、全てのWindowsアプリが動作するわけでもありませんでした(Win64アプリが動かなかった)。
また、メモリも4GB固定だったりして重いアプリを動かすのには向かず、10万円前後からというIntel/AMD CPUノートと変わらない価格帯ということもあっていまいち流行った印象はありません。
2019年5月には「ノートPC級」を謳うモバイル向けCPU「Cortex-A77」とモバイル向けGPU「Mali-G77」が発表されましたが、MediaTekなどが搭載SoCの開発を発表したくらいで、記事執筆現在では搭載SoCはありません。
話を戻して「PINEBOOK Pro」に搭載されるRK3399は2コアのCortex-A72と4コアのCortex-A53という組み合わせで、程よく性能があり、1万円前後のSBC(シングルボードコンピューター)で多くの採用例があるSoCです。
性能的にはベンチマークのAntutuで10万点を超えるかどうかと言ったところで、スマホのSoCとしてみた場合はミドルハイクラスとなります。
Arm系だとSnapdragon 660のちょっと下、Intel CPUと比較した場合は近いのはAtom x5-Z8500でしょうか。
RK3399搭載SBCはがじぇっとりっぷも所有しており、レビュー記事にしています。
ちなみに記事にはありませんが、4Kディスプレイでの表示も可能でした。
そんなミドルハイクラスのSoCであるRK3399をSoCにしたノートPCが「PINEBOOK Pro」となります。
存在自体は2019年1月に開発を表明しており、スペックもほぼそのままとなっています(SoCが変わらない以上、大きく変えようもないわけですが)。
公開されている「Pinebook Pro」の画像はあまり多いとは言えません。
正面兼キーボードの画像です。
ディスプレイのベゼルは細くも太くもなく、1世代前の主流といった感じです。
キーボードも比較的オーソドックスな感じですが、右側がちょっと細くなっています。
キーボードの部分アップです。
F1〜F3キーはプライバシースイッチとなっており、10秒の長押しでWifi/BT、Webカメラ、マイクへの電力をカットし、セキュリティの向上につながります。
この機能はキーボードファームウェア上で実装されていて、OSとは切り離されています。
こちらは2019年1月に公開された画像ですが、キーボードの右側部分が少し違っています。コミュニティからのフィードバックを受けて変更したとのことでした。
左側面にはUSB Type-A/Type-Cが各1ポートづつあり、右にはおそらくUSB Type-Aが1ポートとなっています(販売モデルでの画像は見当たりませんでした)。後述しますがオーディオジャックっぽいものは電源ジャックと思われます。
メインボードの大幅な変更はないと思われるので、USBの配置はこのままだと思われます。
USB Type-Cは3.0となっていますが映像出力が可能で、4K/60Hzに対応しています。
給電は電源ジャックとUSBの両対応となっている(と思われる)ので、USB給電と映像出力を同時に行うにはUSBハブが必要となるでしょう。
OSはLinux、Android 9、Chromium OSの3種類が予定されています。
RK3399搭載SBCではLinuxとAndroidはよくありますが、Chromium OSは珍しいです。
その他「PINEBOOK Pro」の主要スペックはメモリ4GB、ストレージは64GB eMMCとなっています。
メモリはSoCの制限なので仕方ないですね。
ストレージは7月1日までにコミュニティメンバーとなっていた場合は128GBにアップグレード可能です(初期ロットのみ)。
また、オプションのM.2アダプターを使うことで、M.2 SSDを使うこともできます。
RK3399はPCIe2.0 x4を持つので、これがM.2 SSD部分に使われている形ですね。
プロトタイプのものですが、内部画像もありました。バッテリーの大きさに対し、メインボードの小ささが際立っています。Wi-fiはオンボード、eMMCは換装可能なことが分かります。
左側のインターフェースボードにはUSB Type-Aとオーディオジャックがあるので、メインボード側のジャックは電源になりそうです。
メインボード右下の使われていないスロットがM.2アダプタ用と思われます。
なお、GPIOはないようです。
まとめ
PINE64のノートPC第2弾となる「PINEBOOK Pro」(第1弾は2017年に99ドルで発売)の価格は199.99ドルです。
RK3399搭載SBC(4GBモデル)の価格が100ドル前後ということを考えると、ディスプレイやらキーボードやらバッテリーやら筐体やらが100ドルくらいということになります。
さらに日本から買った場合、送料が追加で30ドルくらいかかることになります。
前述のM.2アダプタは6.99です。
また、リチウムイオンバッテリーを内蔵している関係から、他の製品と同梱はできず、単品での発送となります(換装用のeMMCやM.2アダプタくらいなら同梱可能かも)。
第1弾の「PINEBOOK」はいくつかのブログで個人輸入したことが書かれているので、「PINEBOOK Pro」も多分大丈夫だとは思います。
絶対性能こそ高いとは言えず、Windowsも使えませんが、ネットサーフィンや動画鑑賞程度なら問題ないクラスのノートが200ドルというのは十分に安いと言える範囲に入ると思います。
サブ機とかネタ機にはちょうどいいのではないでしょうか。
関連リンク
14″ PINEBOOK Pro LINUX LAPTOP – PINE64
PINEBOOK Pro M.2/NGFF NVMe SSD Interface Adapter – PINE64
July Update: All about the Pinebook Pro – PINE64
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