2021年8月26日、ARMデバイスメーカーのGeniatechはNXP i.MX 8M Miniを搭載した、ラズパイサイズのSBC「XPI-iMX8MM」を発表いたしました。
スペック
モデル名 | XPI-iMX8MM |
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メーカー | Geniatech |
発売日 | 2021/09 |
価格 | 90ドル |
価格(日本円) | |
CPU | NXP iMX8M Mini(4コア) (1.8GHz A53 × 4) |
GPU | |
NPU | |
メモリー | 1GB LPDDR4 |
サポートOS | Yockt Free RTOS |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 ac |
Bluetooth | 4.1 |
チップ | |
ストレージ | 8GB eMMC microSD |
USB | 2.0 x 4 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(1.4) MIPI-DSI(2lane) × 1 |
カメラ | MIPI-CSI(2lane) × 1 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | |
消費電力 | |
電源 | DC 5V(type-C) |
幅 | 86mm |
奥行き | 56mm |
高さ | |
その他 |
特徴
あまり紹介していませんが、Geniatechはそれなりの数のSBC(シングルボードコンピューター)を発売しており、その多くがRockchip社製品を使っています。
それに対して「XPI-iMX8MM」は冒頭にも書いたように、NXP社のi.MX 8M MiniをSoCに採用しています。
NXPのSoCはどちらかというと産業向けで、搭載したSBCはAmlogic社やRockchip社のSoCを搭載したものに比べて高価になることが多く、SBCとしては値段の高い100ドルを超える製品が多くを占めます。
“i.MX”シリーズは、Cortex-A9の「i.MX 6」、Cortex-A7の「i.MX 7」、Cortex-A53、Cortex-A72、Cortex-A35の「i.MX 8」と言った具合に分かれています。
「i.MX 8」シリーズはコアの構成やインターフェースの違いなどで8つのモデルがあります。
参考 i.MX 8 Series Applications Processors:NXP
「i.MX 8M Mini」は上から3番目ですね。
アーキテクチャは4コアのCortex-A53に1コアのCortex-M4、GPUには特にコードネームはありません。
PCIeも2.0を1レーン持っていますが、今回は使われていないようです。
NXPのSoCは前述の通り産業向けとなっており、稼働温度はコンシューマー向けでも0℃〜95℃、産業向けでは−40℃〜105℃となっています。
これに合わせてか「XPI-iMX8MM」の稼働温度も0℃〜95℃(コンシューマー向け)、−40℃〜105℃(産業向け)と記載されています。つまりは過酷な環境向けのSBCというわけです。
メモリは1GB LPDDR4でストレージは8GB eMMC。
メモリは最大4GB、ストレージは最大128GBまでオプションで増強できるようですが、こちらは要問合せとなります。
WI-fiは、4ピン接続のモジュール(5ドル)を使う方式のようですが、記事執筆時点ではオプションで用意されていません。
上の画像は「XPI-3288」のものですが、USB端子の後ろにあるのがWi-fiモジュールです。
サイズこそラズパイサイズですが、インターフェース配置は全く異なっています。
中心にある8つのDIPスイッチが気になるのですが、特に説明がないんですよね…
サイドはDC-IN、4極オーディオジャック、HDMI(1.4)。
DC-INはType-C端子で、5V/3A入力となっています。
まとめ
「XPI-iMX8MM」の価格は90ドルで、公式ストアで販売されています。
NXP製SoC搭載製品としては安めですが、メモリ1GBなので割安感はないですね。
また、BtoBがメインなのかオンラインでのサポートは薄く、対応OSはYockt(組込Linuxの構築環境、自分でビルドする必要がある)とFreeRTOSとされています。要はUbuntuやAndroidをダウンロードしてきてちょちょいと動かすといった使い方じゃないということですね。
が、記事執筆時点ではファームウェア等は公開されていません。正直ハードルはやや高めです。
紹介はしたものの、Geniatechに直接問い合わせるような産業用途ならともかく、個人で楽しむには向かなさそうです。
関連リンク
XPI-iMX8MM:Geniatech
XPI-iMX8MM:Geniatech Store
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