2021年9月1日、TopJoyはクラウドファンディングサイトのKickstarterでAndroid11を搭載したカラー電子ペーパー「Butterfly」のファンディングを開始いたしました。
TopJoy Butterfly:Pocket-Sized True Color DES Screen E-Reader:Kickstarter
2021年11月15日追記:国内ファンディングサイトのCAMPFIREでもファンディングが始まっています。
TopJoy Butterflyポケットサイズのカラー電子書籍リーダー日本初公開:CAMPFIRE
スペック
「Butterfly」は6インチと7.8インチの2モデルに、メモリ・ストレージ増量版の7.8″Proが追加されて、計3モデルが用意されています。
■Butterfly 6″ | |
CPU | 4コアCortex-A55 1.8GHz |
---|---|
GPU | Mali-G52 |
メモリ | 2GB LPDDR4 |
ストレージ | 32GB NVMe SSD |
画面 | 6インチ 1072×1448 |
インターフェース | USB Type-C |
wi-fi | 802.11 b/g/n+BT4.2 |
バッテリー | 1500mAh |
サイズ | 153×108×7.5mm |
重さ | 185g |
■Butterfly 7.8″/7.8″Pro | |
CPU | 4コアCortex-A55 1.8GHz |
---|---|
GPU | Mali-G52 |
メモリ | 2/4GB LPDDR4 |
ストレージ | 32/64GB |
画面 | 7.8インチ 1404×1872 |
インターフェース | USB Type-C モノラルスピーカー(0.8W) |
wi-fi | 802.11ac+BT4.2 |
バッテリー | 3200mAh |
サイズ | 193×135×7.9mm |
重さ | 315g |
特徴
Topjoyは以前にUMPCの「Falcon」を世に出したメーカーです。
まさかここにきて2年前の記事が生きてくるとは思いもしませんでしたが、一応リリースの実績がある企業ですね。
「Butterfly」はPCではなくE-Readerですが、少なくとも詐欺られることはないと思います。
CPU(SoC)について
「Butterfly」はスマホやSBCと同じ、ARM系のSoC(System on Chip)を搭載しています。
SKU(Stock Keeping Unit)は明らかにされておらず、4コアのCortex-A55にGPUがMali-G52ということだけが記載されています。
Mali-G52は2018年3月に発表されたので、それ以降のSoCということですね。
条件に当てはまるのは…Rockchip RK3530かRK3566、RK3568くらいでしょうか。他はCPUが6コアか8コアなので、4コアというとこのくらいしか見当たりません。
RK3530は搭載デバイスを見かけないので、RK3566が本命ですね
RK3568はRK2566のインターフェース増加版ですが採用例は少なく、中華系TV BoxなどではRK3566の採用例が増えている(=知見が溜まっている)というのが理由です。
メモリとストレージ
メモリは基本が2GB LPDDR4で、7.8″Proだけ4GBに増量されています。
2GBっていうのは現在の基準ではかなり少なくて、軽量版のAndroid Goの要件に引っかかる、エントリー向けレベルです。
参考 Android Go
実際コメントでも2GBでAndroid 11は厳しいんじゃないか?という意見も出ていて、そういったことを踏まえてあとから7.8″Proが登場したようです。
とはいえデバイスの性質からそもそもゲームなどには向かず、基本は読み物となるので2GBでもいけると思うんですけどね。
ストレージは32GB。7.8″Proが64GBです。microSDスロットはありません。
この点については「紙の代わりなんだから十分でしょ(要約)」とFAQに書かれています。
まぁ、epub(書籍)だと1ファイル5MBとかなので、システム領域を除いても32GBで5,000冊くらいは入るかもしれませんが、epub(コミック)だと10倍以上の容量だったりするから…やっぱり微妙な容量ですね。
その他
ディスプレイは6インチモデルは1072×1448、7.8インチモデルが1404×1872でどちらも300ppi(DPI)、これは白黒の話でカラーはこの半分の解像度(150ppi)になります。
解像度自体は「Amazon Kindle(6インチ)」や「Onyx BOOX NOVA(7.8インチ)」と同じですね。
フロントライトはちゃんと備えています。
ディスプレイは従来のE-INKではなく、次世代の電子ペーパー技術とされるDES(Display Electronic Slurry)という方式が使われています。根本的な構造から違っているようで、従来のE-INKよりも高い解像度を実現しつつ、カラー表示も実現できるとのこと。
E-INKの場合は2020年から「Kaleido Plus」というカラーパネルを出していますが、こちらは白黒が300ppi、カラーが100ppiになります。
DES方式のパネルは調べた範囲では製品化しているメーカーは少ないようで、おそらくは「Butterfly」のパネルは下記のものと思われます。
参考 GDEW060C01 (6.0inch):GOOD DISPLAY
参考 GDEW078C01 (7.8inch):GOOD DISPLAY
Wi-fiは6インチと7.8インチで違っていて、6インチは802.11 b/g/n(Wi-fi 4)、7.8インチは802.11ac(Wi-fi 5)となっています。
さらに言えば6インチは2.4GHz帯のみの対応で5GHz帯は非対応ということで、速度は期待できないでしょう。
バッテリーは6インチが1500mAh、7.8インチが3200mAhで、待機時間がそれぞれ35日に70日となっています。
重量はバッテリーが大きく影響していて、6インチはスマホ程度の185g、7.8インチは軽量タブレット程度の315gです。
バッテリーを削って250g程度になっていればもっと取り回しがよかったかもしれないなぁと思ったり。
外観
ディスプレイはカラーですが、液晶のように鮮やかではなく、新聞のカラー面くらいに考えた方がよさそうです。
開発中画面と思われるのでこの通りになるかは分かりませんが、Android 11を搭載しながらE-Reader風のUIになるようです。
7.8インチモデルは筆圧4096段階のスタイラスが付属し、書き込みが可能です。
6インチモデルもタッチ対応ではあるので、スタイラスを用意すれば書き込みはできると思われます。
パッケージは本体とマニュアル、ケースカバーとなっています。
7.8インチモデルはそれに追加してスタイラスペンですね。
まとめ
「Butterfly」の価格は、現在は6″が169ドル(約18,580円)、7.8″が259ドル(約28,474円)、7.8″Proが299ドル(約32,871円)となっています。
これに日本の場合は送料が25ドル追加されます。
紹介が遅くなったので“LaunchDay Special”コース(10ドル安い)は売り切れですが、10ドルくらいなら、まぁ…
「Kindle」が8,980円(セール時は6,980円になることも)であることを考えると倍以上の値段ですが、カラー化という大きな恩恵があるわけで許容範囲ですね。
7.8インチサイズは同じカラーな「BOOX Nova3 Color」が51,800円と1.8倍くらいのお値段なので普通に安いです。
お値段的にもカラーなE-Readerを試すにはちょうどいいんじゃないでしょうか。
フィルムの類は、画面サイズが同じ「Kindle」「BOOX Nova3 Color」用のものが使えるんじゃないかと思われます。
2021年11月15日追記:国内ファンディングサイトのCAMPFIREでもファンディングが始まっています。
TopJoy Butterflyポケットサイズのカラー電子書籍リーダー日本初公開:CAMPFIRE
代理店経由ではなく本家が直接ファンディングを行っており、6インチモデルに関してはKickstarterと(送料まで含めて)変わらない価格というか、為替手数料まで加味するとCAMPFIREの方が安いかと。
7.8インチ(非Pro)は自分のファンディングを確認したら引き落としベースで32,718円だったので、3千円ほど高くつくようです(関税分かな?)。
関連リンク
TopJoy Butterfly:Pocket-Sized True Color DES Screen E-Reader:Kickstarter
メーカー製品ページ:TOPJOY
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