【レビュー】AfterShokz OpenMove:人の声がはっきり聞こえるテレワーク向きの骨伝導イヤホン

ウェアラブル

がじぇっとりっぷでは1年半ほど前にAfterShokzの骨伝導イヤホン「Aeropex」のレビューをしています。

【レビュー】 ワイヤレス骨伝導イヤホンのAfterShokz「Aeropex」は外での使用に最適なイヤホン

「Aeropex」については今も外出時や風呂などで使っており、重宝しています。

このレビューから半年ほどたった2020年7月に、「Aeropex」の半額な「OpenMove」が発売されました。
「OpenMove」は「Aeropex」と同じQualcomm製チップ「QCC3024」と「PremiumPitch 2.0」骨伝導テクノロジーが搭載が搭載されているため、エントリーモデルというか廉価版にあたるといえるでしょう。

このたびCyberMedia Japan様のご協力により、「OpenMove」をレビューする機会に恵まれましたので、「Aeropex」と比較しながらどんなものかをお届けします。

OpenMove:AfterShokz

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AfterShokz OpenMove

GoodPoint
骨伝導で屋外使用向き
耳が痛くならない
Type-Cで充電可能

BadPoint
安定感が低い
カナル型に比べて音質は落ちる

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スペック

モデルOpenMove (AS660)
Bluetoothバージョンv5.0
対応プロファイルA2DP, AVRCP, HSP, HFP
対応コーデックSBC
ワイヤレス範囲10m
マルチペアリング搭載
感度96 ± 3dB
再生周波数帯域20Hz~20KHz
EQ機能3モード
マイクタイプデュアルノイズキャンセリングマイク
マイク感度-40dB ± 2dB
バッテリー駆動時間6時間
充電時間2時間
充電端子USB Type-C
バッテリー容量135 mAh
防水&防塵規格IP55
重量29g

パッケージ

内容物
・イヤホン本体
・USBケーブル
・耳栓
・ポーチ
・取扱説明書(ユーザーガイド)
・製品保証書
・安全上の注意
・クイックガイド

インターフェース

インターフェースは右の操作部に音量/電源ボタン、左スピーカー部にマルチファンクションボタンの計3つのボタンがあります。

操作について

マルチファンクションボタン

機能操作音声案内
音楽再生/一時停止1回押しビープ音 1回
次の曲にスキップ音楽再生時に2回押すビープ音 1回
前の曲にスキップ音楽再生時に3回押すビープ音 1回
言語の切り替えペアリング中に2回押すEnglish/中文/日本語/한국어
電話に出る1回押すビープ音 2回
電話を切る1回押すビープ音 1回
着信切り替え通話時に2秒間長押しビープ音 1回
通話を拒否する着信時に2秒間長押しビープ音 2回
音声アシスタント2秒間長押しデバイス・ビープ音
リダイヤル音楽停止時に2回押すリダイヤルします

音量/電源ボタン

機能操作音声案内
電源オン音量+ボタンを約2秒間長押しAfterShokzへようこそ
ペアリングモード電源オフから音量+ボタンを約7秒間長押しペアリングモードです
電源オフ音量+ボタンを約3秒間長押し終了します
ミュート通話時に「音量+」と「音量ー」
ボタンを約2秒間長押し
ミュートしました
ミュートを解除しました
イコライザー切替音楽再生時に「音量+」と
「音量ー」ボタンを約3秒間同時長押し
スタンダードモード/
ボーカルモード/
イヤプラグモード
バッテリー残量音楽一時停止中、「音量+」
または「音量ー」ボタンを押す
バッテリーは充電されています/
バッテリーはおよそ半分です/
バッテリーは残りわずかです/
充電してください
音量調整音楽再生中、「音量+」
または「音量ー」ボタンを押す
ビープ音1回
マルチポイント接続ペアリングモード中に音量+ボタンと
マルチファンクションボタンを約3秒同時長押し
マルチポイント接続を開始します

マルチポイント接続はちょっと分かりにくくて、以下のような手順を踏む必要があります。

1.マルチポイント接続モードでデバイス1に接続
2.電源オフ→音量+ボタン約7秒でペアリングモード→デバイス2に接続
3.デバイス2に接続した状態でデバイス1側を接続→「第2デバイスに接続しました」とアナウンス

使ってみた感想

接続について

接続については特に悩むことはありません。
当たり前ですが、完全ワイヤレスイヤホンとは違って片方だけしかつながらないという問題も発生しません。

かけ心地について

「OpenMove」のかけ心地を一言でいうと、「ふわっとしている」でしょうか。
なんというか、あまり固定されている感がありません

逆U字型で割としっかり固定される「Aeropex」と違って、「OpenMove」はスピーカーと”へ”の字型の曲線部分、そしてバッテリー/操作部分が耳の裏に軽く触れる感じで3点で支える形なので、ふわっとしたかけ心地になるのでしょう。

実際はそこまで安定感がないというわけでもないのですが、最初の位置決めがちょっと面倒ですね。
「Aeropex」はすっと位置が決まるのですが、「OpenMove」は自由度が高いというか、一発で決まりません。

スピーカーの当たる場所によって音が全く変わってくるので、イヤホンをする→曲をかけながら位置調整、となるのですが人によっては少し煩わしく感じるかもしれないですね。
まぁ、完全ワイヤレスイヤホンも割と位置調整が必要なことが多いので、実際のところそこまで気にする点ではないかもしれないです。

それから「Aeropex」のときにも言及しましたが、構造上どうしても後頭部にバンドが来るため、寝転んでの使用などはできません
冬場にはパーカーのフード部分が干渉することも考えられます。

骨伝導のメリット

一番ありがたいのが、どれだけ付けていても耳が痛くならないことでしょう。
実際、遠出する際に使いましたが、6時間つけっぱなしでも全く平気でした。

また、オープンイヤーなので買い物をしてもレジでいちいち外す必要もなく、外出時は一度も外すことなく帰宅までつけっぱなしでした。

音質について

全体的な傾向として、「OpenMove」は残響音が短く、音が残りません。
そして音はドンシャリとは真逆の方向といえます。

重低音は全く出ていないものの、低音はそこそこと言ったところです。ただし残響音がない分だけ迫力というか重みに欠けます。
低音を聞こうと音量を上げすぎると、振動でこめかみがむずかゆくなります。

中音については普通。いい意味で普通です。
カナル型イヤホンと変わらないくらいに自然です。

高音はのびやかさがなく、クリア感もありません。
これはそういう音作りをしているっぽいので仕方ないところですね。
実際にJ-POPなどを聞くと地に足の着いた歌声といった雰囲気になります。

全体としてはギターや男性ボーカルは聞きやすく、女性ボーカルは高音部がいまいちな感じとなりました。
クラシックのような重厚な音楽はかなり軽薄な感じになるので、聞けないわけではないですが音にこだわる人は納得しないでしょう。
逆に残響音がない分話し声はとても聞きやすいです。

総評としてはテレワークやビデオ会議に使いながら、そのままBGMを聞くのにも使えるといったところでしょうか。

音質はデバイス側のチップや再生ソフトなど、視聴環境によっても大きく変化します。また、聴き手の好みやジャンルによっても左右されます。
あくまでもレビュー者の個人的感想である点にご注意ください。

「Aeropex」と比較

「Aeropex」と比較すると、パッドのサイズがかなり違うのが分かります。

「OpenMove」の骨伝導技術は第7世代で、「Aeropex」の第8世代より古いものなのですが、音が結構違います。
ただこれは世代の差というよりも想定用途の違いで音のつくり方を変えているように感じます。

前述の通り「OpenMove」は残響音が短いです。
「Aeropex」だとドウゥウゥゥンとなるところ、「OpenMove」ではドウゥゥンくらいの感じです。

スピーカー部が大型化し、その分低音が出ているようなのですが、残響音が短いのでトータルだと同程度に聞こえます。

一方で音の重なりが薄くなるのでひとつひとつの音がはっきりしていて、「Aeropex」に比べて人の声が聞き取りやすくなっています。
印象としては直接しゃべっているのとマイク越しにしゃべっているくらいの違いがあります。

ざっくり分けると、歌系なら「Aeropex」、トーク系なら「OpenMove」といったところでしょうか。

イコライザーについて

「OpenMove」は音量+/-の同時押し3秒でイコライザーを切り替えることができます。

スタンダードモード

標準のモードです。
評価については上記の通りです。

ボーカルモード

ボーカルモードでは中音が強調された、かまぼこ型の音になります。
話し声などもボーカルモードの方が聞きやすいので、大体の状況ではボーカルモードの方が使い勝手が良さそうです。

イヤープラグモード

耳栓をすること前提のモードです。
シャカシャカした音になります。

耳栓をすると確かにちょうどいい感じになりますが…正直耳を塞いでまで音に浸りたければ、別途インナーイヤー型イヤホンを買った方がいいと思います。

音域について

音域テストについては「WaveGene」というアプリを使っています。

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かすかに聞こえ始めるのが60Hz、しっかりと響くようになるのは80Hzからです。
上は14,500Hzくらい。骨伝導でなくて耳に当てて鼓膜で聞けば16,000Hzくらいまで聞こえます。

「Aeropex」はレビュー時に調べてなかったので一緒に調べてみましたが、範囲的には変わりませんでした。

動作時間について

「OpenMove」の公称再生時間は6時間です。
おそらくは音量最大時での数字なのでしょうが、実際にちょうどいい程度の音量で聞いたところ、公称をはるかに超える再生時間となりました。

残量時間
80%3時間30分
60%5時間30分
40%9時間30分
20%12時間
0%(停止)12時間30分

OpenMoveの製品ページを見る

外観

外箱は量販店向けなパッケージで、イヤホン本体が見えるようになっています。

開けたらこんな感じ。中は斜めになっています。

「Aeropex」の箱と比較するとかなり簡素ですね。

上の方でも掲載した、パッケージ全体。

「Aeropex」同様、ユーザーガイドはしっかりした冊子です。
ここまで分厚い説明書は、国内メーカー以外ではなかなか見ないです。

ポーチと耳栓

ケーブルは独自端子でなく一般的なUSB-A to USB-Cケーブル。
「Aeropex」はマグネット接続の独自端子を採用することで内部への浸水経路をなくし、防水・防塵規格をIP67としていますが、代わりにケーブルの紛失/断線に不安がありました(一応2本付属していますが、充電時に見当たらなかったときは焦ります)。

「OpenMove」は防水・防塵規格こそIP55ですが一般的なType-Cケーブルが使えるので、ケーブルに対する不安がないのは大きいです。

本体全景。青いラインが特徴的ですね。カラーはブルー・ホワイト・グレー・ピンクの4色で展開しています。
への字の角部分だけがこめかみに当たるように、フレームが絶妙なカーブを描いています。
細いフレームの眼鏡だと、このカーブの内側を通るので干渉が最低限となります(幅広の眼鏡だと眼鏡フレームの上から押さえる形になります)。

「Aeropex」と比べるとデザインがだいぶシンプルですね。

Type-C充電端子と音量+/-ボタン。
音量+ボタンは電源ボタンを兼ねています。

「Aeropex」と比べて目立ちませんが、赤枠で囲った部分がマルチファンクションボタンです。

認証情報はバッテリー部の内側に記載
技適番号は「005-102423」でした。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(005-102423):総務省

反対側は無地

骨伝導なのでスピーカー部は硬質ゴムっぽい素材に覆われています。

マイクは右スピーカーに2か所。
通話に対してはノイズキャンセリングが効きます。

重量は公称通り29gでした。

まとめ

「OpenMove」は「Aeropex」の簡素版的なものかと思いきや、音の作り方が全く違っていました
かけ心地に関しては明らかに「Aeropex」の方が上で値段差が理解できますが、音については方向性が異なるものの、トータルとしては値段差ほどにはないように感じました。

「Aeropex」は約2万円と高級機の領域となりますが、「OpenMove」は半分の9,999円と、比較的手の届きやすい価格です。防水・防塵がやや低く水没への耐性はないので、お風呂での使用は注意が必要です。
通話に対してはノイズキャンセリング(CVC8.0)もありますし、話し声は聞き取りやすいので、屋外使用のみならずテレワーク、ビデオ会議にも適しています

現在のコロナ禍の状況においては、「Aeropex」より「OpenMove」の方が時代に即していると言えるでしょう。

関連リンク

OpenMove:AfterShokz
AEROPEX:AfterShokz

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