ひとつの集大成。「GPD Pocket 3」のファンディングページが公開

クラウドファンディング

2021年10月22日、UMPCメーカーのGPDはクラウドファンディングサイトのIndiegogoで、「GPD Pocket 3」のファンディングページのプレビューを公開しました。

Pocket 3: A Modular and Full-featured Handheld PC:Indiegogo

2021年10月31日追記:価格が公開されたので記事の最後に追記しました。

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スペック

■GPD Pocket 3
CPUCore i7-1195G7
Pentium N6000
メモリ16GB LPDDR4-3733
8GB LPDDR4-2933
ストレージ512GB~1TB NVMe SSD
画面8.0インチ IPS WUXGA
インターフェースUSB Type-C(TB4)×1(※)
USB 3.2 Gen2×2
HDMI 2.0b
2.5GbE 有線LAN
拡張モジュール
オーディオジャック
wi-fi802.11ax+BT5.0
サイズ198×137×20mm
重さ0.725kg

※PentiumモデルはUSB3.2 Gen2

特徴

「GPD Pocket 3」は形式的には「GPD Pocket 2」の後継に当たりますが、デザインが一新され、ディスプレイが大型化、見た目的には「GPD MicroPC」に近くなっています。

この点についてGPDではゲーミングUMPCである「GPD Win Max」「GPD WIN3」を除いた「GPD Pocket 3」を「GPD Pocket 2」、エンジニア向けの「GPD MicroPC」、大型ディスプレイの「GPD P2 Max」という3つのユーザー層を統合する製品と位置付けており、GPD製品におけるひとつの集大成となっています。

CPU

「GPD Pocket 3」は4コア4スレッドのPentium Silver N6000を搭載するベースバージョン、4コア8スレッドのCore i7-1195G7を搭載するハイエンドバージョンの2モデルが用意されます。

Core i7-1195G7Core i3-1115G4Pentium N6000Core m3-8100YCeleron N4120
コードネームTigerLakeJasperLakeAmberLakeGeminiLake-R
コア/スレッド数4コア8スレッド2コア4スレッド4コア4スレッド2コア4スレッド4コア4スレッド
プロセス10nm SuperFin10nm SuperFin10nm14nm14nm
TDP12-28W12-28W6W5W6W
ベース周波数2.9GHz3.0GHz1.1GHz1.1GHz1.1GHz
バースト周波数5.0GHz4.1GHz3.0GHz3.4GHz2.6GHz
EU数96EU48EU32EU24EU12EU
PassMark14179 / 34516463 / 27473224 / 12513009 / 17822481 / 1113

Pentium N6000を主要CPUとざっくり比較すると、Core m3-8100Yよりはマルチスレッドスコアは高いものの、現在のCeleron系主流であるCeleron N4120の1.5倍には届かない程度(ただしGPUは大幅強化)、Core i3-1115G4から見ると半分程度の性能となるようです。
Pentiumモデルは「MicroPC」ユーザー向けってところですね。

Core i7-1195G7はPentium N6000と性能がかけ離れていますが、最新モデルとして「GPD Win Max 2021」「GPD WIN3」といったゲーミングUMPCにスペックを揃えること、知見が溜まっていて調達も一括で行えること辺りが選定理由と思われます。

なお、公式ではGeekBench 5での結果を公表しています。

メモリとストレージ

「GPD Pocket 3」のメモリとストレージ(とType-C端子の規格)はバージョンによってはっきりと分かれています。
逆に言えば、下の表以外の部分に関しては共通となっているわけで、下位モデルでも高い品質となるわけです。

モデルハイエンドベース
CPUCore i7-1195G7Pentium N6000
メモリ16GB LPDDR4-37338GB LPDDR4-2933
ストレージ1TB512GB
Type-CThunderbolt4USB3.2 Gen2

Core i7モデルはPCIe Gen4 SSDに対応していますが、搭載されるのはGen3 SSDです。
高速化を図りたい場合は自前で換装する必要があります。

その他

Wi-fiは当然のごとく802.11ax(Wi-fi 6)を内蔵、製品ページではほとんど触れられていないのですが、有線LANは2.5GbE対応となっています。

バッテリーは38.5WHr/10,000mAh、このサイズとしては頑張っていると言っていいんでしょうかね?。
ちなみに「GPD MicroPC」で23.5WHr、「GPD WIN3」で46WHrです。

そして発表当初からざわついたのが、拡張モジュールの存在です。

背面右に入れ替え可能な拡張モジュールが用意され、USB、RS-232、KVMという三種類のモジュールが用意されています。

特にKVMモジュールはHDMI-IN + USB-INで、サーバーメンテナンスにおけるディスプレイ+マウス+キーボードの代わりになるほか、SBC(シングルボードコンピューター)の操作にも使えます。
…この機能だけでこの製品が欲しくなるんですけど。

外観

外観は「GPD Pocket 2」ではなく、「GPD MicroPC」を彷彿とさせるデザインです。

画面は8インチWUXGA(1920×1200)で表面はGorilla Glass 5が採用されています。

10点マルチタッチおよびスタイラスペン(Surface PenなどのMPP 2.0対応ペン)に対応し、筆圧検知は4096段階です。
このサイズであればノートやメモ代わりな使い方も容易です。

文字が小さいですがインターフェースです。

右側面にUSB×2とオーディオジャック、左側面にHDMI+Type-C、背面に有線LAN+拡張モジュールという構成になっています。
さすがにSD/microSDスロットは入らなかったようですね。

使用イメージはありませんが両側面に本体固定用のねじ穴があり、メンテナンス作業などの時に手で持たなくても保持できるようになっています。

キーボード面です。推奨ポジションがこれだそうです。

配列は「GPD MicroPC」に近いものの、8インチサイズで余裕があるのでファンクションキーは横一列で確保できています。
スペースキーにマークがある通り、キーボードバックライトも搭載しています。

まとめ

GPDが最初に「GPD Pocket 3」の存在を明らかにしたのは9月18日のこのツイート。

ここから約一ヶ月かけてネタを小出ししつつ、満を持してファンディングプレビュー公開です。

が、記事執筆時点ではファンディング開始日、価格ともに発表されていません。
公開されているスペック表ではLaunch Dataが2022/01とされていますが、多分これは発送日と思う(むしろそう思いたい)ので、12月初めにファンディング開始、1月に終了、1月半ばより発送開始、くらいのスケジュールになるんじゃないかなぁと。

拡張モジュールが同梱されるのか別売りになるのかも不明ですが、個人的にはかなり気になる機種なので、ファンディング開始が待ち遠しいです。

2021年10月31日追記:GPDはTwitter上で価格を公開していました。

1195G7モデル:999ドル(約114,000円)
1195G7+拡張モジュール:1079ドル(約123,000円)
N6000モデル:650ドル(約74,000円)
N6000+拡張モジュール:730ドル(約83,000円)
DHL配送料込み、スタイラスペン付き

関連リンク

Pocket 3: A Modular and Full-featured Handheld PC:Indiegogo
GPD Pocket 3:GPD

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