【レビュー】Xiaomi Pad 5:安物で銭を失うくらいならこれを買え!と言いたくなる、ハイパフォーマンス・高画質なタブレット

レビュー

2021年9月、中国XiaomiはQualcomm「Snapdragon 860/870」を搭載するハイエンドタブレット端末「Xiaomi Pad 5」および「Xiaomi Pad 5 Pro」を発表しました。

ハイエンドクラスのタブレットと言えばiPadの一強で、Lenovo「Tab P11/Tab P11 Pro」がかろうじて食い下がっている(2021年9月に「Tab P12 Pro」を発表)程度だったところに、新たな選択肢(しかも安い)を投げつけてきたのが「Xiaomi Pad 5/Pro」です。

がじぇっとりっぷもこのクラスのタブレットは扱ったことがなかったのですが、下位機種となる「Xiaomi Pad 5」を触る機会をいただけたので、見ていきたいと思います。
機材をご提供いただいたBanggood様にはこの場を借りて御礼申し上げます。

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Xiaomi Pad 5

■Xiaomi Pad 5
CPU Snapdragon 860
メモリ 6GB LPDDR4X
ストレージ 128~256GB UFS
画面 11.0インチ IPS WQHD+(120Hz)
インターフェース USB Type-C×1
カメラ 前:800万画素
後:1300万画素
wi-fi 802.11ac+BT5.0
バッテリー 8,720mAh
サイズ 254.69×166.25×6.85mm
重さ 511g

GoodPoint
ハイエンドスマホ並みの性能
くっきりコントラストの高画質
4辺等幅ベゼル

BadPoint
microSDスロットなし
Wi-fiが802.11ac
非防水

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パッケージ

内容物
・タブレット本体
・USBケーブル
・電源アダプタ
・ユーザーマニュアル
・保証書

インターフェース

インターフェースはType-C端子、音量ボタン、電源ボタンとシンプルです。
microSDスロットはおろか、オーディオジャックすらありません。

底部にはキーボード用の3ピンPOGO端子が用意されています。

microSDスロットがないのは残念ですが、その代わりに内蔵ストレージが128GB/256GBと大容量になっています。

パフォーマンス

モデル Xiaomi Pad 5 M40SE Fire HD 10 Plus
SoC Snapdragon 860 T610 MT8183
メモリ 6GB 4GB 4GB
OS Mi UI 12
(Android 11)
Android 10 Fire OS 10
(Android 9)
Antutu v9 総合 581218 185081
CPU 150489 64392
GPU 203852 0(※)
Antutu v8 総合 493977 192486 162024
CPU 139562 65992 69395
GPU 190339 31138 26210
CPU Prime 54672 39769 43483
GeekBench 4 Single 3630 1766 1473
Multi 11244 5615 4575
GeekBench 5 Single 771 365 304
Multi 2756 1374 1353
3DMark Wild Life 3437 512
Wild Life Unlimited 3433 506
Wild Life EX 988 126
Sling Shot Max out 1719 1497
Sling Shot EX Max out 1119 1114
IceStorm Max out Max out
IceStorm EX Max out Max out
IceStorm Unlimited 21618 19747
PCMark work 2.0 7615
work 3.0 11223 7917 5403
PassMark System 9536 2699 4895
CPU 4199 1932 2209
3D 64912 16528 16551
ブラウザ jetstream2 73.484 35.425 31.43
Basemark 410.86 211.94 178.06
WebXPRT 96 63 49
MotionMark 141.24 105.22 82.45
Octane 27894 10311 9243
Speedometer 56.2 30.3 28.5

ベンチマークはだいたい2019年~2020年前半の10万円クラスのハイエンドスマホと同等といったところです。

記事執筆時点のAntutu v9スコアのスマホ/タブレット向けSoC順でいえば、Snapdragon 888(80万点)>Apple A15(76万点)>870(70万点)>865(65万点)=MT Dimensity 1200(65万点)>860(58万点)>855(50万点)…となっていて、上から6番目の性能のSoCということになります。

GPUが強力なため、後述するゲームプレイがすごくて、とにかくヌルヌル動きます。

マルチスレッド性能もそうですが、シングルスレッドスコアの高さもポイントです。

ストレージ

ストレージは前述の通りmicroSDスロットを持ちません。
内部ストレージはeMMCではなく高速なUFSが使われていて、SATAの限界(6Gbps)を超える速度が出ています。

ランダムリード/ライトでも180MB/s前後なので、ストレージでストレスを感じる場面は少ないと思います。

(容量的な意味で)重いゲームタイトルも割とロードが早く、サクサクと起動します。

使ってみた

操作感

「Xiaomi Pad 5」の操作はきびきびというか、スッと言った感じですね。
設定画面を見る程度の負荷だとオーバースペック過ぎてミドルクラスとの差異が感じにくいですが、例えばストレージの使用状況など、一度ストレージ全体を見るような操作でもサクサクで、アニメーション表示の間に計算が終わるので待たされる感覚がありません。

UIが独自の「Mi UI 12」で、あれこれ見やすくなっています。
操作方法はジェスチャーを多用します。覚えてしまえばあれこれできるのですが、誤操作も結構出ますね。

Xiaomi独自のMiアカウントを使ったクラウドなどとのサービス連携もできますが、なくても特に問題はなく、Xaiomiサービスを使うのでなければ困ることもありません。

ディスプレイ

「Xiaomi Pad 5」は11インチWQHD+(2560×1600)、274DPIと高密度で、224DPIな「Fire HD 10」などと比べても高精細です。

さらに高コントラストで色域が広いので、とにかくくっきりはっきりです。
色合いとしては青がもう少し強い方が好みですが、その辺りは色彩調整で何とでもなります。

ベゼル幅は9.2mm。
カメラのある辺含めて全部の辺が同じ幅なので、ベゼルに意識が向くことなく、画面内に集中できます。

明るさごとの比較。
100%はちょっと明るすぎるので、室内では50%でちょうどいい感じです。

サウンド

スピーカーは一つ一つの音がはっきりしていて聞きやすいです。
横置き時に左右クアッドスピーカーとなり、音量としては十分です。というか、80%でもリビングの反対側まで十分に聞こえます

小さなスピーカーなので低音は弱いのですが、弱いなりに不自然さをあまり感じません。
中低音くらいまで音は軽く、男性ボーカルは安っぽい声になります。

音量を80%くらいまで上げると筐体が振動し始め、大きな振動版のようになるので低音・中低音が多少ましになるのですが、今度は手元で使う分にはうるさくなります。

中音は普通。しゃべり声の類ははっきりしています。

高音は加工感が薄く、女性ボーカルの高音はあまり伸びない反面、笛やフルートなど、高音楽器の音はのびやかです。

音域ごとに見るとそこまででもない感じなのですが、全体で評価するとまとまっていて、(あくまでタブレットサイズとしてはですが)質のいい音になっているのが不思議。音量isパワーなんですかね?

ただやっぱり得意苦手はあって、ボーカル曲はライブ感が薄く、ガラスの向こうで歌っているような感じになります。
ゲームBGMなどボーカルレス音楽の方が向いている印象です。

コントラストがはっきりしているのでドラマのセリフなども聞きやすいのですが、女性の叫び声はキンキンするのでサスペンスは向かないですね。

動画

「Xiaomi Pad 5」のWidevineは最高のL1(Level 1)で、Amazon Prime Videoで確認したところ、きちんとHD(高画質)で再生することができました

黒が締まっているので映画などもしっかりと見れますが、サイズ的に画面との距離が1mくらいなせいで、暗いシーンだと映りこんだ自分が見えてしまうのが難点です。
反射防止フィルムを張って使うのが正解ですね。

WidevineとはDRM(Digital Rights Management、デジタル著作権管理)のひとつで、Google独自のデジタル著作権管理テクノロジーです。
他のDRMにはMicrosoftのPlayReady、AppleのFairPlayなどがあります。

WidevineにはL1(最高)からL3(最低)の3段階があり、Amazon PrimeではHD画質以上での再生にはL1(と独自のAmazon認証)が必要となります。
NetFlixなどもWidevineDRMを採用しており、L1でないとHD画質での再生ができません。

ゲーム

「Xiaomi Pad 5」のディスプレイは120Hz駆動パネル
リフレッシュレートの固定されている動画では実力を発揮できませんが、ゲームだとその性能を遺憾なく発揮します。

PUBG

PUBGはゲームモード対象タイトルみたいで、起動時に自動でゲームモードに切り替わります

PUBGは「FHDのウルトラ」まで設定できました。

ヌルヌル動くのはいいのですが、画面が大きすぎて少々操作がしづらいです。
画面が大きいので細かいエイムはしやすいんですけどね…

ウマ娘

ウマ娘はとにかくヌルヌル。
カクツキなどは一切ありませんでした。

カメラ

カメラはフロントが800万画素(3264×2448)、リアが1300万画素(4208×3120)までと、タブレットとしては高画質です。
下の画像はサイズを横幅800にした以外の加工はしていません。

リアカメラは明るく、細部まで比較的くっきりしています。

等倍でもぼやけた印象はありません。

フロントカメラはやや暗いものの、ピントはしっかり合っています。

バッテリー

バッテリーは8,720mAhとタブレットとしても大容量です。

バッテリーベンチマークで14時間26分
Teclast「M40SE」が7時間33分だったので、ほぼ2倍です。

スタンバイについては時間がなくて計測できていませんが、「M40SE」の結果(約14日)からすると、25日くらいは行けそうです。

充電は、付属のアダプタがCタイプなので手持ちの充電器を使いましたが、19Wでの充電でした。

ちなみに何もいじらないと充電ケーブルをつなぐたびにこの表示が出てきてうっとうしいです。
設定から消すことができるので、表示オフ推奨ですね。

気になった点

性能も画面も文句なしの「Xiaomi Pad 5」ですが、Wi-fiは802.11ac(Wi-fi 5)なんですよね。

「Xiaomi Pad 5 Pro」が802.11ax(Wi-fi 6)対応なので、あえてWi-fi 5止まりにして差別化を図っているのは理解できるのですが、PCでは下位モデルでもWi-fi 6が標準になりつつある時代に、まがりなりにもハイエンド機がWi-fi 5止まりなのはもやっとします。

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外観

上でも掲載したパッケージ一覧
箱は高級感がありますね。

箱の底面にはスペックの書かれたシール。

底面に載っていない分については箱を開けたら見える仕組みでした。

同梱物

日本向けモデルではないので、電源アダプタは中国でよく使われるCタイプです。
USBケーブルは太めでしっかりしています。

本体

全体。実際に手に持つと、ベゼルは結構細く感じます。

背面は中心のシールがちょっと無粋な感じ。

左右インターフェース。
スピーカーはそれぞれ二つづつの、クアッドスピーカーとなっています。

上下インターフェース。
上部には音声ボタンが、下部にはキーボード用のピンがあります。

全方向に対してアンテナ関連と思われるラインが多数入っているためか、接続に関しては離れた位置でも高い接続速度を維持したまま、安定感が半端ないです。

前述の通りmicroSDスロットもオーディオジャックもないわけで、水に濡れたらダメな部分がこれだけ少ないのなら、いっそ防水にしちゃえばいいのにと思わなくもなかったり。

カメラはレンズだけの安っぽい感じのものではなく、見た目にもしっかりしたものが搭載。
デュアルレンズな「Xiaomi Pad 5 Pro」と共通化している関係でデュアルレンズに見えますが、実際はシングルです。左側は”13MP”と書かれています。

見た目はいいのですが、結構出っ張っています。

本体重量は507g。仕様(511g)よりわずかに軽い程度でした。

システム

セットアップ

起動ロゴは独自UIの「Mi UI 12」のものでした。

規約。
Xiaomiも情報収集しますよという部分に反応する人もいそうですが、そういう人はそもそもこのタブレットを買わないですね。

あとは通常のAndroidとほぼ変わりません。
途中でMiアカウントを聞かれますが、入力しなくても問題なくセッティングできます。

ホーム・設定

ホーム画面(縦と横)。
下のバーはアプリ切り替え及び起動中のアプリ一覧表示に使います。
設定で消すこともできますが、アプリ切り替えと起動中アプリ一覧表示の難易度が上がります

グループアイコンの中身です。

上部真ん中を下にスワイプすると通知表示。
通知の下にくっついていた削除ボタンが画面一番下にあって、意外と使いにくかったり。

上部右側を下にスワイプするとショートカットメニューが表示されます。
さらにスワイプすると全体表示。

画面輝度の幅が狭くて、個人的にはちょっと使いにくいなぁと。

設定画面。
まとまっていて見やすいです。

ストレージの使用状況は見やすく、仕様全体も内容を絞って一覧性が高いです。
見やすいのですが、メモリの消費状況が見つからないんですよね…

Wi-fiの細かい状況まで見ることもできたりします。デフォルトでここまで見れるとは。

隠し機能(タブレット情報→すべての仕様→内部ストレージを5回タップ)でテスト機能にアクセスでき、より詳細な情報を見ることもできます。

技適マークもちゃんと表示されています
検索すると相互認証ではなくちゃんと国内で申請していました。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(020-210107):総務省

色彩は設定しやすくなっていますが、ほとんどの人はデフォルトで問題ないかと。

面白いのが読書モード
暖色系に切り替えられるほか、紙っぽいザラザラテクスチャ表示ができます。

リフレッシュレートも変更できますが、120Hzでもバッテリーを大幅に消費しているとは感じなかったので、大体は120Hzのままで問題ないと思います。

まとめ

少々の不満点はあるものの、満足度の高い品質に仕上がっている「Mi Pad 5」は、128GBモデルが399.99ドル(46,316円)256GBモデルが449.99ドル(52,105円)となっています。

SoCがSnapdragon 870になり、カメラとWi-fiが強化された「Xiaomi Pad 5 Pro」も販売されていて、128GBモデルが499.99ドル(57,985円)256GBモデルが549.99ドル(63,685円)8GBメモリ/LTEモデルが649.99ドル(75,264円)です。

ぶっちゃけ「Xiaomi Pad 5」を触るまでは「M40SE」でも十分じゃないの?と思っていましたが、今触るともっさり感を感じます。
まぁそれ以上に液晶の品質が違い過ぎて戻れないのですが。

2万円前後までが主流のAndroidタブレットとしては2倍の価格となる高級品ですが、2万円のタブレットが「安物買いの銭失い」に感じるほど、良いタブレットでした。

関連リンク

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付録:ベンチマーク スクリーンショット

コメント

  1. しんぺー より:

    公式で『Mi』って使わなくなったのでは?

    • がじぇっとりっぷ より:

      コメントありがとうございます。
      海外だけかと思っていたのですが、調べたら国内でも使わなくなっていたのですね。修正いたしました。

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