2021年1月16日、Rock Piシリーズで知られるSBCメーカーのRadxa(瑞莎科技)は、Raspberry Pi Zero風の「Radxa Zero」を発表しました。
丸1年前の製品ですが、見落としていました。
スペック
モデル名 | Radxa Zero |
---|---|
メーカー | radxa |
発売日 | 2021/01 |
価格 | 15ドル(512MB) 20ドル(1GB) 30ドル(2GB) 45ドル(4GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Amlogic S902Y2(4コア) (1.8GHz A53×4) |
GPU | Mali-G31 MP2 |
NPU | |
メモリー | 512MB~4GB LPDDR4-3200 |
サポートOS | Android 9 Armbian |
有線LAN | × |
Wi-fi | 802.11 b/g/n (512MB/1GB) 802.11 ac (2GB/4GB) |
Bluetooth | 4.0 (512MB/1GB) 5.0 (2GB/4GB) |
チップ | AP6212/AP6256 |
ストレージ | eMMC microSD |
USB | 3.0 x 1 (Type-C) 2.0 x 1 (Type-C) |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | microHDM (2.1、4K/60HzI |
カメラ | × |
オーディオジャック | × |
その他インターフェース | × |
消費電力 | 3.3W |
電源 | DC5V(Type-C) |
幅 | 66mm |
奥行き | 30mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「Radxa Zero」は冒頭の通り、Raspberry Pi Zeroを意識した“Zero”フォームファクタのSBC(シングルボードコンピューター)です。
選択できるメモリが512MBから4GBまでと幅広く、大きく512MBと1GB、2GBと4GBの2つのグループに分けられます。
RADXA Zero | RPi Zero | RPi Zero 2 | |
SoC | S905Y2 | BCM2835 | BCM2710A1 |
メモリ | 512MB~4GB LPDDR4 | 512MB LPDDR2 | |
ストレージ | microSD eMMC(0~128GB) | microSD | |
インターフェース | Type-C×2 microHDMI | microUSB×2 miniHDMI | |
Wi-fi | 802.11ac,BT5.0 802.11b/g/n,BT4.0 | 802.11 b/g/n,BT4.1 | 802.11 b/g/n,BT4.2 |
サイズ | 66×30mm | 65×30mm |
CPU(SoC)
「Radxa Zero」のCPU(SoC)はAmlogic社のS905Y2が使われています。
S905Y2は2018年Q4に登場したSoCでAmlogicの第12世代SoCにあたり、12nmプロセスで製造されています。
開発コードネームはG12Aで、同じ第12世代のG12BがS922XやA311Dです。下の世代表が分かりやすいですね。
開発者によると、”Zero”フォームファクタ用のSoCを探していてRK3366を検討していたもののしっくりせず、「Xiaomi Mi TV Stick」のニュースでS905Y2の存在を知ったのだとか。
ブロックダイアグラムはかなりシンプルというか、”Y”シリーズは消費電力とフットプリントを減らすために機能をかなり削っています。
CPUは1.8GHzのCortex-A53が4コア、グラフィックはMali-G31 MP2という構成です。
元がSTB(セットトップ)や「Fire TV Stick」のようなスティック型ドングル向けなので、4K60Hz表示ができるグラフィックと、それを支えるCPUといった感じですね。
あまり最近のデータがないのですが、GeekBench4でシングル700、マルチ2000程度の性能となるようです。
メモリとストレージ
メモリはLPDDR4-3200で、512MBから4GBまでがラインナップされています。
ストレージはmicroSDとeMMC。
512MBと1GBモデルはeMMCはなく、2GBモデルは8GB、4GBモデルは16GBから128GBまで選べます。
その他
無線LANはグループで差があり、512MB/1GBは802.11 b/g/n (Wi-fi 4)+BT4.0なAP6212、2GB/4GBは802.11ac (Wi-fi 5)+BT5.0なAP6256となっています。
さらに変わっている点として、2GB/4GBグループはGPIOヘッダなし/外付けアンテナか、ヘッダあり/オンボードアンテナという謎の組み合わせが選べます。
こんな感じで回路は共通ですがアンテナパーツの実装が異なっています。
外観
インターフェースです。
端子はType-C×2とmicroHDMIです。Type-CはUSB3.0(左)+2.0(右)構成で、左のポートは1Aまでサポートしているとのこと。
もうちょっと分かりやすく斜めから。
対する「Raspberry Pi Zero」はmicroUSB×2+miniHDMIという構成。
2021年10月28日に「Raspberry Pi Zero 2」が発表されましたが、この点は変わっていません。
まとめ
「Radxa Zero」の価格は512MBモデルの15.8ドル(約1,800円)からとなっています。
512MBモデルは明らかに15ドルの「Raspberry Pi Zero」にぶつけてきていますね。
メモリ | ストレージ | Wi-fi | 価格 |
---|---|---|---|
512MB | なし | Wi-fi 4 | 15.8ドル |
1GB | なし | 20.8ドル | |
2GB | 8GB | Wi-fi 5 | 30.8ドル |
4GB | 16GB | 45.8ドル | |
32GB | 55.8ドル | ||
64GB | 65.8ドル | ||
128GB | 85.8ドル |
公式販売がALLNET.CHINAしかなく入手しづらいのが難点ですが、「Raspberry Pi Zero/2」にはないメモリマシマシ構成やオンボードストレージが選べるのは大きな利点です。
2GB/4GBであれば無線LANも強化されますし、”Zero”フォームファクタでできることが広がりそうな一品なので、1年も見逃していたのが正直悔しかったり。
コメント
raspberry pi zero系のHDMIは、miniコネクタですよ
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
比較表ではちゃんとminiHDMIにしていたのに orz
RAM容量が1か所だけ512GBとかいう逸般の誤家庭レベルになってますよ
ご指摘ありがとうございます。
修正いたしました。