【レビュー】InnoView INVPM204:くっきりはっきりが気持ちいい4Kモバイルディスプレイ

レビュー

がじぇっとりっぷでは2021年に15.6インチFHDのスタンド付きモバイルディスプレイInnoView「INVPM001」をレビューしました。

【レビュー】InnoView INVPM001:きっちり横に並ぶスタンド付きモバイルディスプレイ

スタンドカバーを使うモバイルディスプレイが多い中においてInnoViewはU字スタンドを採用する数少ないメーカーで、「INVPM001」とほぼ同時期に4Kモデルも発売しています。
4Kモデルは14.0インチと15.6インチの2サイズ展開なのですが、今回は14.0インチモデルである「INVPM204」をレビューする機会を頂きました。

機材を提供いただいたInnoView様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

2022年3月25日追記:デバッグモードらしきものが表示されたので追加しました。

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Innoview INVPM204

画面サイズ14.0インチ
解像度4K(3940×2160)
表示色10.7億色(10bit)
輝度400cd/m2
色域sRGB 100%
リフレッシュレート60Hz
インターフェースminiHDMI
USB Type-C(データ/給電)×2
USB Type-C(OTG)×1
ヘッドホンジャック
タッチ対応10点マルチタッチ
重さ820g

GoodPoint
14インチ4Kでタッチ対応
前面にロゴなし
タッチ操作のOSDが使いやすい
sRGB 100%オーバーの広色域

BadPoint
光沢パネル
HDR時の色域が狭くなる

外観

外箱

外箱はアピール少な目のシンプルなデザインです。

背面は真っ白。
この辺りは「INVPM001」と同様ですが、もうちょっとスペックを書くとかしてもいいんじゃないかと。
買った時点でスペックは承知の上という判断でしょうか。

笑っちゃったのが箱を開けた時。
本体が見えると思っていただけに頭の処理が追い付かず、一瞬タオルか毛布でも届いたのかと思っちゃいました。

アクセサリーは輸送中に暴れないよう、ウレタンの中にきっちり納められています。

パッケージ

内容物
・本体
・USB充電器
・Type-C to Type-C ケーブル
・Type-A to Type-C ケーブル
・HDMI to miniHDMI ケーブル
・Type-A to microUSB 変換コネクタ
・クリーナークロス
・スリーブケース
・マニュアル
・保証書

付属品

ケーブル3種に電源アダプタです。

充電アダプタは30W出力です。
「INVPM001」は18Wでしたが、パススルー機能があるのでスマホをType-C接続したときに充電しながら使うことを想定しているものと思われます。

クリーナークロスと変換アダプタ。
変換アダプタは「INVPM001」と同じように見えますが、こちらはmicroUSBです。
iPhone接続機能はなく、マウスやキーボードの接続に使います。

マニュアルと保証書。

「INVPM001」にはなかったスリーブケースも付属。外は固めのフェルトで内側は目の細かく柔らかい生地が使われています。
入れ口が斜めに切られていて、入れやすく出しやすい構造になっています。

実際に入れてみたところ。
立体縫製ではないので膨らみますが、ディスプレイの保護という点では十分でしょう。

スタンド

冒頭にも書いたように、「INVPM204」は「INVPM001」と同じくU字スタンドを採用しています。
U字スタンドは無段階で、最大180度まで開きますが自然の状態だと175度くらいになります。

インターフェースはスタンドの内側にあり、閉じているときは端子が保護されます(端子が使えないともいう)。

スタンド下部とディスプレイ下部にはゴムがついていて、滑らないようにかつ接地部を傷つけないようになっています。

インターフェース

左側にはminiHDMIとType-C×2
こちらは一般的なモバイルディスプレイと同じ構成です。

右側は電源兼OSD呼び出しボタン、microUSB(OTG)、オーディオジャックです。

ベゼル幅は4.7mm。最近の挟額ベゼルノートPCと同等で、並べて使っても違和感がありません。

背面全体を見ると、厚いのは下半分だけとなっています。
重心が低いので、安定感が高いです。

重量

重量は仕様上は820gですが実測では832gでした。

使ってみて

ディスプレイ

モバイルディスプレイとしては珍しく、本体前面にロゴがなく、無地となっています。前面ロゴって割と気が散る原因となるので、これは英断だと思います。
その代わり全面段差なしのガラス張りとなっているので、持つときは指紋が付きやすいです(拭いたらすぐ落ちるので特に気にはなりません)。

また、画像の通り、TypeーCケーブル一本で接続できます。
※PC側がType-CのAlt Modeに対応している必要があります。

「INVPM204」は14インチ4Kなので、4K解像度で100%表示にすると、目が死にます
がじぇっとりっぷは200%で表示するのですが、実はここに4Kの恩恵があるんですよね。

14インチFHD(DELL「Inspiron 5410」)、「INVPM204」でFHDで100%、4Kで200%表示の比較です。
見かけの大きさは全部一緒なのですが、表示の滑らかさが全然違います
4K200%は気持ちいいくらいにくっきりはっきりです。肉眼で近くで見てもドットが分かりません。

表示の粗さは無自覚レベルでのストレスや目の負担となるので、この1点だけでも4Kモバイルディスプレイを導入する価値はあると思っています。

OSD

OSDは右下に出現。タッチパネルなのでタッチ操作です。
小さなダイアルでちまちま操作する必要がなく、直感的に使えるのですごく楽です。

ただ、輝度のところを見ればわかりますが、上限の100になかなかなってくれず、コツが必要となります。

パネルについて

「INVPM204」はタッチ対応のグレアパネルで、がっつり反射します。
最近は非光沢タッチパネルも出ていますが、採用したモバイルディスプレイは少ないです。

「INVPM204」はHDR(10bit入力)に対応しているので、非HDR時とHDR時でパネル特性を計測してみました。

非HDRHDR
比率カバー率比率カバー率
sRGB104.8%97.0%82.7%80.8%
Adobe RGB77.7%76.0%61.3%60.0%
DCP-P377.2%77.2%61.0%61.0%
NTSC74.2%71.8%58.6%56.8%

HDRの方が色域のレンジが狭いですね。こういうものなのでしょうか?
実際の表示だとやや暗めというか色調がドラマ版から映画版になったような深みが出ます

ガンマ特性も変化していまして。

非HDR時は青が弱かったのですが…

HDR時は綺麗に揃っています。

斜めの表示

グレアパネルなので、斜めからの表示は白くなる以前に反射がつらくなります。
反射の出ない暗いところではしっかりと表示されます。

スピーカー

底面には4つのスリットが開いていますがスピーカーは右の2つだけで音声は一応ステレオです。正面に位置すると音が偏って聞こえるのは残念なところ。
低音はさっぱりで音もシャカシャカ感が強く、はっきり言ってノートPCのスピーカーにも劣ります。

デスクトップ機に接続したときの緊急避難的な使い方ならありでしょうが、音楽鑑賞にはつらいものがあります。

消費電力

明るさ消費電力INVPM001(比較)
10012.3W10.3W
7511.5W8.2W
5010.7W6.5W
08.9W4.6W
OFF0.95W

消費電力は明るさ100の設定で最大12.3W、明るさ0で8.9Wでした。
「INVPM001」と比較すると、そもそも駆動させること自体に結構消費していることが分かります。
ことさらに大きく消費しているわけではありませんが、Type-C一本で接続する場合は重要になる点(特にバッテリー動作時のノートPCの場合)なので、注意したいところです。

ノートPCと並べてみた

Lenovo「IdeaPad 720S」と並べてみたところ。
どちらもキャリブレーション済みですが、なぜか色味が違っています。なんで?
「INVPM204」は青が強いというか赤が弱い感じです。

「INVPM204」はインターフェースが一段引っ込んでいるので、ケーブルが引っ掛かることなく横並びにできるのが素晴らしいですね。

「INVPM204」は加速度センサーが内蔵されているので、縦置きにするだけで自動で向きが変わります
ただし立てるときは別途スタンドを用意した方がいいでしょう。

「INVPM101」と並べてみた

せっかく手元に「INVPM101」があるので比較してみました。

まず、箱の大きさが違っています。
こういうのって共通化してコスト削減すると思っていただけに、ちょっとびっくりしました。

インターフェースは似ているようで違っています。「INVPM204」はOSDがタッチ操作なので、ダイアルボタンが必要なくなっています。
筐体も「INVPM204」の方がコストがかかっていて、ラウンド処理(2.5D)が施されています。

ふちが丸くなっているので触った時のあたりが全然違い、高級感があります。

表示の比較。
「INVPM101」の赤が強いというよりは「INVPM204」の赤が弱いんだと思います。

アダプタを使う

「INVPM001」のレビューでもやりましたが、「INVPM204」もU字アダプタとの相性がいいです。

こんな感じで正面から見えるのは1mm程度になり、見た目がすっきりします。

追記:デバッグモード?

このモバイルディスプレイ、サブPCのディスプレイとして使っていたのですが、何かの拍子にデバッグモードらしき画面に入ってしまいました。

これによると、パネルは「NV156QUM N72」となっています。これはBOE製のパネルですね。
モバイルディスプレイはパネルの素性を調べるのが難しいのですが、判明したのですっきりしました。

参考 NV156QUM N72:Panelook

まとめ

「INVPM204」はスタンド内蔵で4Kタッチパネルと豪華な仕様になっています。
価格は34,950円と「INVPM001」より1.5万円ほど高いのですが、タッチ対応の14インチ4Kモバイルディスプレイとしては他社と同程度の価格です。

高いとはいえ、文字表示の比較で示したように、4Kの恩恵は非常に大きいものがあります。一度4K200%表示に慣れてしまうと、FHDには戻れません
がじぇっとりっぷはグレアパネルが苦手なのですが、それでもサブPC用のディスプレイを「INVPM204」に入れ替えたくらいです。
約2週間使ってこの記事を書いている時点で、メインディスプレイがぼんやりしているなぁと感じるようになってきているのが危険なところ。

そんなわけで、4K解像度なんて使わないよって人にも、「INVPM204」はおすすめです。

また、冒頭にも掲載した通り、セール情報をいただいています。

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