2022年1月21日、ミニPCメーカーのGMKTekは、公式サイトにてCeleron N5105を搭載した超小型デスクトップ「NucBox5」を発売しました。
スペック

■ NucBox5 | |
CPU | Celeron N5105 |
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メモリ | 8GB LPDDR4x-2933 |
ストレージ | 256GB~512GB M.2 SATA SSD |
インターフェース | USB 3.2×3 HDMI 2.0×2 1GbE 有線LAN microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 72×72×44.5mm |
重さ | 0.204kg |
特徴
「NucBox5」はGMKTekにとって「NucBox」シリーズ第6弾となるミニPCです。
Core i5-8279U搭載の「NucBox 2」に、Core i5-1135G7版の「NucBox 2 Plus」があるので、ずれています。
ミニPCとはいってもここ最近のGMKTek製品は120mm前後のNUC規格に近いサイズの製品ばかりだったので、超小型サイズは初代の「NucBox S」以来となります。

NucBox 5 | NucBox(初代) | |
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CPU | Celeron N5105 | Celeron J4125 |
PassMark(CPU) | 4000 | 3200 |
メモリ | 8GB LPDDR4-2933 | 8GB LPDDR4 |
インターフェース | USB3.2×3 HDMI×2 1GbE 有線LAN | USB3.0×2 HDMI×1 |
Wi-fi | 802.11ax(Wi-fi 6) | 802.11ac(Wi-fi 5) |
サイズ | 72×72×44.5mm | 62×62×42mm |
重量 | 204g | 125g |
CPU
「NucBox5」はCPUにJasperLake世代のCeleron N5105を搭載しています。
Celeron N5105はTDPが10Wと高めでCPU性能はかなり高く、マルチスレッド性能はRyzen 3 3250Uや第10世代Core i3-10110Uと並んでいます。Celeron J4125比だと1.25倍です。
グラフィックは性能が飛躍的にアップしたIce Lake世代と同じUHD Gen11で、実行エンジン(EU)は24EU。Core i3-1005G1が32EUなので単純計算で3/4の性能になります。
実際、同じ24EUなN5100では3DMark NightRaid(Graphics)で3375という記録があり、Core i3-1005G1では4604(実測)だったのでだいたい一致しています。
Celeron J4125(UHD 600)のスコアは2058なのでだいたい1.6~1.7倍の強化となります。
Jasper Lake世代ではCeleron N5095がCPU性能では最高なのですが、グラフィックが16EUと少なくCPU処理重視の構成のため、Celeron N5105は計算とグラフィックのバランスの取れたCPUと言えます。・

メモリとストレージ
メモリは8GBのLPDDR4x-2933。仕様には最大12GBとありますが、12GBモデルは発売されていません。
ストレージは256GBまたは512GBでM.2 SATA SSD(2242サイズ)となっています。
M.2スロット自体はSATA/PCIe両対応なので、高速なPCIe(NVMe)に換装することもできます(2242サイズな点にご注意ください)。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6)+BT5.2なAMD RZ608を採用。
初めて聞いたチップですが、AMDがMediaTekと共同開発したWi-Fi 6E対応チップで、80MHz対応、最高1.2Gbpsとのこと。
「RZ600」シリーズには160MHz対応で最高2.4Gbpsの「RZ616」もあるので、できればそっちの方にして欲しかった…
電源入力はType-C型で12V/3A(=36W)となっています。Type-Cは給電専用でデータ転送はできません。
間違って5Vオンリーの充電器を使っても動きません。
肝心のサイズですが、Celeron J4125搭載機は60~65mm角程度が多かったのですが、半回りほど大きい72mm角となっています。
その分インターフェースが少し充実しています。
外観
・電源ボタン
・USB3.2×2
■側面
・microSD
・ケンジントンロック
・Type-C(電源)
・HDMI2.0×2
・オーディオジャック
・1GbE有線LAN
・USB3.2×1
インターフェースです。
USBが3ポートにデュアルHDMIは、初代「NucBox S」(USB×2、シングルHDMI)に比べると使い勝手が増していますし、有線LANも追加されています。
なお、USBはUSB 3.2とありますが、おそらくはUSB 3.2 Gen1(実質USB3.0相当)と思われます。
サイズ感です。
「NucBox S」の62mm角から72mm角と一回り大きくなりましたが、ここまで小型だとあまり気にならないでしょう。
サイズ増加分はきっちりインターフェースの追加という形で返ってきているので、むしろこっちの方がいいんじゃないかと。
冷却は上面及びサイド吸気で背面排気です。
内部は基板が二段になっています。
パッケージ内容です。
電源アダプタはUS/JP、EU、UK、US/EU to AUの4種類のプラグから選べます。
あれ?これって…
当ブログを見ている方なら、この記事にデジャブを感じたかもしれません。
というのも…

…うん、似ていますね…
過去の例からしてもGMKTekは完全自社開発ではなく、OEMカスタマイズを行っているものと思われます。
初代の「NucBox S」はMOREFINE「M1T」のプラスチック部分を独自デザインに変更したものでしたし、他のシリーズも大体どこかで見たデザインです。
ただ、GMKTekはデザインだけの変更ではなく、仕様にも多少手を入れています。
「NucBox5」も「ZX1」のプラスチック部分を独自デザインに変えただけでなく、Wi-fiも802.11ac(Intel AC7265)から802.11ax(AMD RZ608)に変更しています。
もう一つ重要なのは、GMKTekは国内市場(Amazon)で販売しているという点です。
初期不良や不具合にはAmazon経由のサポートが使えるのはメリットですね。
まとめ
「NucBox5」の価格は公式ストアでは256GBモデルで319.99ドル(約36,500円)です。Amazonだと33,999円(セール価格)です。
初代「NucBox S」はINDIEGOGOでファンディング時に159ドル(当時のレートで約16,800円、128GBモデル)だっただけに、結構割高感が…
まぁ、半導体不足の影響もあってかJasperLake世代のミニPCは3万円前後が多いので、超コンパクトという付加価値を考えれば現在の価格基準では(本来の意味での)適当なんですけど。
ちなみに、「ZX01」もGZBOXという業者がAmazonで販売しています。WI-fiが802.11ac(Wi-fi 5)でいいならこちらもアリですね。
有線LANが付いたことで超小型サーバーにもできるようになりましたし、サブPCにもいいですし、なかなかに有望です。
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