2022年1月13日、SBCメーカーのSinovoipはMediaTek MT7986を搭載した無線LANt対応ルーターボード「Banana Pi BPI-R3」を発表しました。
リリースノート Banana Pi BPI-R3 Router board with MediaTek MT7986(Filogic 830),support Wi-Fi 6/6E,2.5GbE SFP:Banana Pi forum
スペック

■ Banana Pi BPI-R3 | |
CPU | MediaTek MT7986 4コア A53 |
---|---|
メモリ | 2GB LPDDR3 |
ストレージ | 8GB eMMC microSD M.2 Key-M |
インターフェース | USB 3.0×1 HDMI 1GbE WAN×1 1GbE LAN×4 2.5GbE SFP×2 microSIM |
wi-fi | 802.11ax |
電源 | 12V@2A |
サイズ | 148×100.5mm |
モデル名 | Banana Pi R3 |
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メーカー | Sinovoip |
発売日 | |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | MediaTek MT7986 (4コア) (2GHz A53 x4) |
GPU | × |
NPU | |
メモリー | 2GB LPDDR3 |
サポートOS | |
有線LAN | 1GbE x 5 2.5GbE x 2(SFP) |
Wi-fi | 802.11ax (4×4) M.2 Key-E |
Bluetooth | |
チップ | MT7975N MT7975P |
ストレージ | 8GB eMMC microSD M.2 Key-M |
USB | 3.0 x 1 2.0 x 2(pin) |
GPIO | 26pin x 1 |
映像 | × |
カメラ | × |
オーディオジャック | × |
その他インターフェース | miniPCIe x 1 microSIM x 1 |
消費電力 | |
電源 | DC 12V/2A |
幅 | 148mm |
奥行き | 100.5mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「Banana Pi BPI-R3」はBanana Piシリーズでは初のSFP搭載ボードとなります。
また、これまでのルーターボードと違ってWi-fiもオンボードな、初の無線LANルーターボードでもあります。
SoCについて
「Banana Pi BPI-R3」のSoC(System on Chip)はMediaTek MT7986(Filogic 830)です。
Filogic 830は2021年10月に発表されたSoCで、2.4GHz帯と5GHz帯それぞれが4×4 MIMO対応、合計6Gbpsの無線LAN帯域を持ち、有線も2.5GbE×2のインターフェースを持っています。
また「MediaTek FastPath」という技術に対応し、ゲームやVR等の低遅延が要求されるアプリケーションをサポートしています。
出展 CSDN
さらに言うと、SATA搭載のMT7986Aと比搭載のMT7986Bがあるようですが、公開されている情報が少なく、詳細は不明です。
リリースノート MediaTek Announces Filogic Connectivity Family with New Filogic 830 and Filogic 630 Wi-Fi 6/6E Chips:Mediatek
メモリとストレージ
メモリは2GB LPDDR3で固定です。4GBなどのオプションも用意されていないようです。
ストレージは8GB eMMC。
外付けストレージとしてはmicroSDとM.2 Key-M(PCIe 2.0 x2)があります。
PCIe 2.0 x2は片方向1.0GB/s(=1,000MB/s)なので、エントリークラスのM.2 SSDでちょうどいい感じですね。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6E)に対応しています。
2.4GHz帯と5GHz帯それぞれが4ストリーム対応なので、4804+1147Mbps(=合計6Gbps)となります。無線LANルーターの上位機種並みですね。
さらに、有線LANでは5ポート1GbEに、2.5GbE SFPを2ポート備えています。無線LANルーターの上位機種並みですね!(大事なことなので2回(ry)
SFPは一般ではマイナーですが、サーバーやインフラ分野ではRJ45よりも使われているくらいです。
SFP to RJ45変換アダプタもいろいろ出回っているので、個人利用でもそうそう不便はしないと思います。
ボード上にはUSBのみの対応ですがminiPCIeスロットがあり、4G/LTEカードが使えそうです。5Gモデムは現行品はM.2タイプなので、M.2スロットを使えば対応できるかもしれません。
ボード上にはmicroSIMスロットも用意されています。
無線LANルーターの上位機種並みどころか、ここまでできるものは市販品にはないです。
外観
「Banana Pi BPI-R3」のインターフェースです。
現在公開されている画像はこれとトップ画像の斜めアングルの二つだけです。
右に8本分のアンテナホールが並んでいるのは壮観ですね。
26ピンのGPIOがあったり、内部向けのUSBピン(USB2.0×2)があったりと、SBC(シングルボードコンピューター)としての片鱗も残っています。
まとめ
「Banana Pi BPI-R3」は情報が公開されたばかりで、発売日や価格は不明です。
というか、発表以降の情報はOpenWRTのブートテストの動画が公開されたのみで、おそらくまだサンプルボードのテスト段階でしょう。
がじぇっとりっぷの知る限りでは4ストリームのWi-fiに対応したSBC自体がとても珍しく、さらに2.5GbE×2に4G/LTE対応、M.2スロットまで備えるとなると初めてのタイプです。
M.2スロットにストレージをつなげば立派なNASルーターになりますね。
実のところ、がじぇっとりっぷはNASルーターはQNAPがやってくれると思っていました。
「QHora-301W」にストレージ機能を載せたようなものを出してくるんじゃないかと期待していたわけですね。
まぁUSBストレージをつなげばいいだけですが、まさか「Banana Pi」が先に来るとは思ってもいませんでした。
とにかく、「Banana Pi BPI-R3」は今までにはないタイプのSBCであり、「こういうのを待っていた!」という人が多いんじゃないかと思われるわけで。
Sinovoipがどれほどの需要を予測しているかは分かりませんが、これ、発売されたら知る人ぞ知る人気製品になるんじゃないかなぁ。
関連リンク
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