【レビュー】ACEFAST T1:高機能も高級感もないけどチープで味のある音がする完全ワイヤレスイヤホン

レビュー

がじぇっとりっぷでは以前にACEFAST「T2」というイヤホンをレビューしています。

【レビュー】ACEFAST T2:はまれば強い、曲を選ぶANC機能付きワイヤレスイヤホン

ACEFASTは価格帯別にANC機能搭載だったりaptX対応だったりと分かりやすく差別化していて、国内では記事執筆時点で「T1」から「T3」までの3モデルが販売されています。

今回は最も安価かつ低機能なモデルである「T1」をレビューしていきます。
実売価格が3,000円以下、セールによっては2,000円強で買える製品の実力はどんなものでしょうか。

レビューにあたり、サンプル機をご提供いただいたACEFAST様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

スポンサーリンク

ACEFAST T1

GoodPoint
シンプルに安い
タッチ範囲がはっきりしている
操作系がシンプルで本体リセット可能
チープだけど味のある音
IPX6防水

BadPoint
本体で音量調整不可
ANCなし
aptX非対応

スペック

モデルACEFAST T1
Bluetoothバージョンv5.0
対応プロファイルA2DP, AVRCP, HSP, HFP
対応コーデックSBC, AAC
チップPixArt 1623
ワイヤレス範囲10m
ドライバー径6mm
感度102 ± 3dB
インピーダンス16Ω
再生周波数帯域20Hz~20KHz
バッテリー駆動時間5時間(本体のみ)
25時間 (ケース込)
通話時間4~5時間
スタンバイ720時間
充電時間本体:1.5時間
ケース:2.5時間
バッテリー容量本体:40mAh
ケース:400mAh
充電端子Type-C
防水&防塵規格IPX6
重量本体:8g
ケース:42g

技適も取得していて、技適番号は210-160775です。
国内で検査したわけではなく、海外での認証をもとに認証する、相互認証での登録です。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索 (210-160775):総務省

登録内容的に今後「T15」まで出るんですかね…?

パッケージ

内容物
・イヤホン本体
・充電ケース
・USBケーブル
・イヤーパッド(3種3セット)
・クイックスタートガイド

よくある「ユーザー登録案内」は入っていません。
ついでに保証書もなく、クイックスタートガイドの裏面に案内が記載されています。

問題があった場合は記載のメールアドレスにオーダー番号と型番を記入してメールしろとのことでした。
簡潔ですが登録などで時間を取られないのはユーザー側としては楽ですね。

操作について

左側右側
電源オン充電ケースを開ける
または2秒長押し
電源オフ充電ケースを閉じる
非接続状態で5分経過
2秒長押し
リセット電源オフから10秒長押し
(電源がオンになっても押したままにする)
音楽
再生・一次停止1回押す1回押す
曲戻し2回押す
曲送り2回押す
通話
電話に出る1回押す1回押す
電話を切る1回押す1回押す
着信拒否2秒長押し2秒長押し

操作については非常にシンプルです。
個人的にうれしいのは、本体でリセットが行えること。

TWSの多くはケースにリセットボタンが付いていて本体でのリセットには対応していないのですが、「T1」はケースにリセットボタンがなく、代わりに本体のみでリセットができるため、複数デバイスとの接続の入れ替えがしやすいです。

一方で通話/終話が1回タッチなのは気になるところ。
「T2」では2回タッチだったので、操作系がバラバラなんですよね。

使ってみた感想

接続について

接続は戸惑うことなくあっさりとできます。
未接続時はLEDライトが赤白に明滅するのでわかりやすいのもいいですね。

地味にうれしいのが、片方だけペアリングすれば、もう片方も自動でペアリングしてくれること。
片方だけ接続になると割と面倒なのですが、そういうことが起こりにくいのはすごく便利です。

片耳モードとして別々にペアリングもできるようですが、たいていは両方セットで使うでしょうし、それだけにありがたい機能ですね。

かけ心地について

かけ心地はさすがに高級機と比べるべくもありませんが、最低限はクリアしています。

とは言っても長時間は厳しく、2時間程度が限度でしょうか。
通気口がいまいちなのか耳内の圧が抜けにくく、飛行機とかの気圧変化に弱い人は苦手かもしれません。

音質について

音質は可もなく不可もなくというか、価格なりのチューニング度合いと言えるでしょう。

「コストをかけて徹底的にチューニング」ではなく「コストを抑えて違和感のない程度に仕上げました」って感じで、「安くてそこそこ」という表現がぴったり当てはまります。

高級イヤホンのような生音感は薄く、すごくチープというかジャンキーな音なのですが、それが逆に妙な味を出していて、大したことがないはずなのになんとなくハマるんですよね。
なんというか、高級店に慣れていても牛丼とかハンバーガーとかを無性に食べたくなる時の感覚といえば想像できるでしょうか。

全体的に解像度は高くないものの、これは価格相応と言えます。

「T1」のドライバは6mm径で、小口径らしく低音は弱めながら重低音に近い辺りまで出ています。音としては物足りないですが破綻はなく、頑張っている方だと思います。

中音は強め。というか、一番密度が高いです。
人の声が浮き気味というか、ボーカルのみに焦点を当てているといった方が近いでしょう。ブレスや話し声の類は妙にクリアで聞きやすいです。

高音は伸びがなく、奥行きが浅め。高音を得意とするボーカルだと薄っぺらく感じます。
また金属系のキンキンキラキラした音はあまり尖っておらず、よく言えば耳にやさしい音ですね。

全体としては音楽鑑賞にも堪えるものの、ドラマやアニメなどBGMより人の声がメインのものの方が得意でしょう。
あとは民族系・民謡とかコメディチックな軽快なポップスとかも味が出ます。
がじぇっとりっぷが聞いた範囲だと、とんねるずやチャラン・ポ・ランタンがすごくマッチしました。

音質はデバイス側のチップや再生ソフトなど、視聴環境によっても大きく変化します。また、聴き手の好みやジャンルによっても左右されます。
あくまでもレビュー者の個人的感想である点にご注意ください。

音域について

音域テストには「WaveGene」というアプリを使用しています。

テスト信号発生ソフト WaveGene

※昨年末か今年の初めころに開発者サイトが閉鎖されましたが、archive.orgでダウンロードできます。

下は一応10Hzくらいから出てはいますが安定するのは40Hzくらいからです。上はまともに聞き取れるのは13,500Hz付近まで。

全体的に力強さがなく、まともなのは200~500Hzくらいです。
800Hz以上はノイズ交じりで、4000Hzくらいまでは音がまろやかというか、とげとげしさがありません。この辺りがチープ感の原因でしょう。

動作時間について

動作時間については音量75%(うるさすぎない程度)にして測定しました。

時間
90%25分
80%45分
70%65分
60%85分
50%105分
40%125分
30%145分
20%165分
10%195分
電源オフ240分

80%から20%まではきっちり20分で10%ずつ減り、電源オフまではぴったり4時間でした。
スペック上は最大5時間なので、これだけ持てば及第点でしょう。

とはいえ「T2」でも7時間超えだったので、短いといえば短いですね。

ノイズキャンセリングについて

「T1」のノイズキャンセリングはENC(環境ノイズキャンセリング)で、通話マイクに対してノイズキャンセリングがかけられるので、通話相手には環境音が聞こえにくくなっています。
説明によると周囲領域の90%の騒音をフィルタリングするとのこと。

使用者本人に効くANC(アクティブノイズキャンセリング)はありませんが、カナルタイプなのでPNC(パッシブノイズキャンセリング)としての効果はあり、ある程度は外部音がさえぎられます。

外観

箱の表裏です。
箱はどうも共通のようで、裏面は全面シールです。

上でも掲載したパッケージ全体。

マニュアルは日本語対応。全部で9か国語が掲載されています。

同梱物はUSBケーブルとイヤーピースが1セット。

ケースはロゴが浮き彫りになっていますが、あまり目立ちません。

充電端子は底面で、Type-Cです。
最近は背面など横倒しにしなくていい位置が増えていますが、このタイプは旧型品として安かったりするのでしょう。

バッテリー残量は背面に4段階で表示されます。

認証情報の類は蓋の内側に記載。

イヤホンはいわゆる”うどん”タイプ。
電極のシールはこれでもかってくらい主張しているので、気付かないということはないでしょう。

円の部分がタッチパネルで、タッチ範囲がはっきりしていて使いやすいです。
円のそばにあるのがENC用マイク、”うどん”の先の穴が通話用マイクです。

イヤーピースを外したところ。
オーソドックスな真円タイプなので、100均のイヤーピースが使えそうです。

上から見ると一応通気口らしきものが開いていますが、前述の通り空気の抜けはよくありません。

ENC用マイクの部分には赤と白のLEDが仕込まれています。
Bluetooth接続待ちの時は赤白が交互に点滅するのでわかりやすいですね。

ケースでの充電時は赤に光ります。

まとめ

前書きにも書きましたが、ACEFAST「T1」の価格は3,000円を切り、セール時は2,000円強です。

音質は評価が辛口に見えますが、2,000円台という価格を考えると十分及第点を与えられますし、前述の通りチープながら妙にはまる音なので、あまり「買って損した」とはならないでしょう。たぶん。

駆動時間(実測)も4時間と短く、メインとするには心もとありませんが、メインを充電中の予備としてはちょうどいいでしょうし、とにかく安価なので、すでに高級機を持っている人でも一度手にしてみるといいんじゃないかと思います。

関連リンク

製品サイト:ACEFAST

コメント

タイトルとURLをコピーしました