やっぱりか… Xunlong Software「Orange Pi 4 LTS」は中華チップになって55ドルから

シングルボード

2022年3月9日ころ、Xunlong Softwareは「Orange Pi 4」のLTSバージョンとなる「Orange Pi 4 LTS」を発売しました。

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スペック

モデル名Orange Pi 4 LTS
メーカーXunlong
発売日2022/03
価格54.9ドル(3GB/No eMMC)
62.9ドル(3GB/16GB eMMC)
64.9ドル(4GB/No eMMC)
72.9ドル(4GB/16GB eMMC)
価格(日本円)
CPURockchip RK3399-T(3GB/6コア)
Rockchip RK3399(4GB/6コア)
(1.6/1.8GHz A72 x2 + 1.4GHz A53 x4)
GPUMali-T864
NPU
メモリー3/4GB LPDDR4
サポートOSAndroid
Ubuntu
Debian
有線LAN1GbE x 1
Wi-fi802.11ac
Bluetooth5.0
チップYT8531C
CDW-20U5622-00
RK808
ES8316
ストレージmicroSD
16GB eMMC(オプション)
USB3.0 x 1
3.0 x 1(Type-C)
2.0 x 2
GPIO26pin x 1
映像HDMI(2.0 4K/60Hz)
MIPI-DSI(4lane) x 2
カメラMIPI-CSI x 2
オーディオジャック
mic x 1
その他インターフェースPCIe(24pin) x 1
UART
消費電力
電源DC 5V/3A
Type-C 5V/4A
91mm
奥行き56mm
高さ
その他

特徴

「Orange Pi 4 LTS」は2019年11月に発売された「Orange Pi 4」のLTS(Long-Time Support、長期サポート)版です。
まぁ、長期サポートとは言ってもサポート年数は書かれていないのですが。

内容的には「Orange Pi 4」のLANチップやオーディオチップを中国製に入れ替えたものとなります。
メモリがシングルチップからデュアルチップになり、GPIOが40ピンから26ピンに減るなど、設計自体も変更されています。

また、「Orange Pi 4」ではメモリ4GBのみだったのが、メモリ3GBモデルが追加されています
逆にNPUを搭載した「Orange Pi 4B」のLTS版に相当するモデルは発表されていません。

SoCはがじぇっとりっぷではおなじみ、Rockchip社のRK3399です。
RK3399は登場が2016年4月とだいぶ古いSoCになりました。

性能的にはSBCとしてはそこそこ、スマホなどと比べるとエントリークラスです。
ざっくりCeleron N4000よりちょっと上で、Atom x7-Z8750と同等程度と考えればいいでしょう。

メモリ3GBモデルには動作周波数を200MHz落としたRK3399-Tが使われます。

ストレージはなし(microSDのみ)か、オプションで16GB eMMCをつけられます。

インターフェースです。

おおよそのレイアウトはそのままですが、前述の通りGPIOが26ピンに減っています

有線LANチップはRealtek RTL8211EからMotorcomm YT8531Cに変更されています。
Motorcommについては下の記事を参照ください。

半導体不足の影響… FriendryELEC「NanoPi R2C」はLANチップが無名メーカー製に

無線LANチップはBroadcom AP6256から深センを拠点とするCHINA DRAGON TECHNOLOGY(CDTeck)のCDW-20U5622-00(AW859A)に変更されました。
ものとしては「Orange Pi 3 LTS」にも搭載されたAllwinner AW859Aと同じものと思われます。

参考 CDW-20U5622-02 データシート:Armbian Forum

さらにオーディオチップも変更されて、Realtek ALC5651からEVEREST社のES8316に置き換わっています。

参考 ES8316 データシート

サイズまで変わってしまった「Orange Pi 3 LTS」とは違い、サイズに変更はないので既存の「Orange Pi 4」からは(GPIOをフルで使っていない限りは)変更が容易ですね。

ほぼ別物じゃん!Xunlong Software「Orange Pi 3 LTS」は無印より小型化して35ドル

3GB/eMMCなしのイメージです。
SoCにはRK3399-Tの刻印、SoC手前の未実装部分にeMMCがオプションで搭載されます。

ピンアウトはこんな感じ。

OSはAndroid、Ubuntu、Debianに対応し、すでにイメージファイルも公開されています。

参考 Orange Pi 4 LTS ソフトウェア:Orange Pi

まとめ

「Orange Pi 4 LTS」はAliExpressで購入することができます。価格は以下の通り。

メモリ3GB/eMMC なし54.9ドル(約6,500円)
メモリ3GB/16GB eMMC62.9ドル(約7,500円)
メモリ4GB/eMMC なし64.9ドル(約7,700円)
メモリ4GB/16GB eMMC72.9ドル(約8,600円)

「Orange Pi 4」では「メモリ4GB/eMMC なし」で49.9ドルだったので、地味に3割の値上げです。
とはいえすでに無印の「Orange Pi 4」は販売していないので、「Orange Pi 4 LTS」を買うしかないんですけどね。

また、専用のファンレスメタルケースも9.9ドルで販売されています。

内容的にはいまいちになった感がぬぐえませんし、さすがにRK3399も古くなったなぁと思わなくもないですが、長期サポート版ということで保守用と考えれば、一応需要はあるんでしょうね。

とはいえ新規に買うのであればRK3566など新しいSoCを搭載したものを選んだ方がいいでしょう。

関連リンク

Orange Pi 4 LTS:Orange Pi

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