2022年5月22日ころ、SBCメーカーのFriendryELEC(FriendryARM)はRockchip RK3568にトリプルLANポートを搭載したSBC「NanoPi R5S」を発売しました。
NanoPi R5S:FriendryELEC
スペック

■ NanoPi R5S | |
CPU | Rockchip RK3568B2 |
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メモリ | 2GB LPDDR4X |
ストレージ | 8GB eMM M.2 M-Key(PCIe2.0 x1,NVMeのみ) |
インターフェース | USB Type-C(電源) ×1 USB 3.0 ×2 HDMI microSDXC 2.5GbE 有線LAN ×2 1GbE 有線LAN ×1 |
wi-fi | なし |
サイズ | 90×62mm |
モデル名 | NanoPi R5S |
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メーカー | FriendlyElec |
発売日 | 2022/05 |
価格 | 59ドル(2GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3568B2(4コア) (2.0GHz A55 x4) |
GPU | Mali-G52 MP1 2EE |
NPU | 0.8TOPS |
メモリー | 2/4GB LPDDR4X |
サポートOS | Friendry Core FriendryWrt Android 12 Ubuntu 22.04 |
有線LAN | 2.5GbE×2 1GbE x 1 |
Wi-fi | × |
Bluetooth | × |
チップ | RTL8211F RTL8125BG HYM8563TS |
ストレージ | 8GB eMMC microSD(~128GB) M.2 NVMe(2280) |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 1(pin) |
GPIO | 12pin x 1 |
映像 | HDMI(2.0 4K/60Hz) |
カメラ | × |
オーディオジャック | × |
その他インターフェース | UART MASKボタン RTC |
消費電力 | |
電源 | DC 5V/3A(Type-C) |
幅 | 90mm |
奥行き | 62mm |
高さ | |
その他 | 重量:57.5g 重量:260g(ケース込) |
特徴
「NanoPi R5S」はwikiサイト上は5月5日が初出です。実際、海外メディアでは5月前半に報じたところもあります。
FriendryELECはwiki掲載から発売まで間が開くことが多く、記事掲載して忘れたころに発売、なんてこともあります。
速報と発売時と2回記事を出すメディアならそれてもいいのでしょうが、がじぇっとりっぷでは原則として1機種1記事でやっているので、発売を待ってのタイミングとなりました。
SoC
「NanoPi R5S」のSoC(System on Chip)はRockchip RK3568B2です。
これはHardkernel「ODROID-M1」に搭載されたものと同じSoCとなります。

構成としては4コアのCortex-A55に、GPUはMali-G52 2EE、さらに0.8TOPSのNPUも搭載しています。
なお、CPU性能としてはRK3399の2/3くらいです。
RK3568はPCIe Gen2/USB3.0/SATAなどに使える汎用レーン(Serdes Lane)が3レーンあり、「NanoPi R5S」では設計的にUSB3.0×2+M.2 SSDに割り当てているようです。
メモリとストレージ
メモリは2GB LPDDR4X。製品ページを見る限りでは4GBモデルもある雰囲気ですが、現在販売されているのは2GBモデルのみとなります。
なお、AliExpressでは4GBモデルを販売しているショップもあります。
ストレージは8GB eMMC。
そのほかにmicroSDとM.2 NVMe SSD(2280サイズのみ)にも対応します。
M.2 SSDはPCIe2.1 x1接続なので片方向0.5GB/s、つまり転送速度500MB/sくらいが上限となります。
その他
Wi-fiは搭載していません。
USBドングルでの対応はできるようで、wikiページ上ではUSBドングルに使われるWi-fiチップ別の対応状況が掲載されています。
有線LANは1GbE+デュアル2.5GbE。
1GbEはRTL8211F-CG、2.5GbEはPCIe to 2.5GbE変換のRTL8125BGが使われています。
RK3568の持つ2レーンのPCIe3.0はこの2.5GbEで使われています。
が、正直なところPCIe2.1でも足りる(というか、チップ自体はPCIe2.1接続)ので、片方はPCIe2.1にしてM.2スロットにPCIe3.0を割り当てた方が良かったんじゃないかなぁと(その分設計が複雑になりますが)。
対応OSはFriendlyWrt 22.03(OpenWrtのカスタマイズ)およびUbuntu 20.04ベースのFriendlyCore。
Android 12とUbuntuデスクトップ 22.04も近日中に対応するとのこと。
外観
インターフェースです。
GPIOは12ピンですが、いつもの2.54mmではなく0.5mm FPCコネクタでの提供です。
Type-C端子は電源入力(5V/3A)のみでデータ転送には使えません。
LANの転送速度は送信(Tx)が1.85Gbps、受信(Rx)が2.3Gbps。
そういえばリンクアグリケーションやボンディングには対応しているのでしょうか?そこは記述がありません。
専用のメタルケースも用意されています。
内部はボード形状に合わせられていて、ケースが直接SoCに触れるようになっています。
ケースをつけた状態だと、高負荷時も50度以下で安定します。
M.2 SSDを装着した状態でもケースが使えるのもポイントですね。
まとめ
「NanoPi R5S」の価格は59ドル(約7,700円)、ケースはプラス16ドル(約2,100円)です。送料はChinaPostで12ドル、SF-Expressで60ドルです。
AliExpressだと2GBモデルがケース・送料込みで1.2万円弱、4GBモデルが同1.3~1.4万円といったところですね。
FriendryELECではミニルーターに分類している「NanoPi R5S」ですが、新世代のSoCにデュアル2.5GbE、オンボードeMMCに加えて低速ながらM.2 SSD対応など、自宅で小型サーバーとか自作ルーターとかを運用している人以外も思わず手が伸びそうな内容なわけで。
それでいて割と安価なので、人気が出そうだなぁというのが正直な感想です。
これ、ラズパイ派が宗旨替えしてもおかしくないと思ったり。
関連リンク
NanoPi R5S:FriendryELEC
NanoPi R5S:Friendry wiki
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