がじぇっとりっぷではおよそ2年前にGMK「NucBox」を取り上げています。

実はがじぇっとりっぷはこの時INDIEGOGOで出資して入手していまして。
当時はレビュー依頼が立て込んでいた関係からずるずると後回しにした結果、いまさらの公開となります。
現在は後継となるCeleron N5105搭載の「NucBox 5」が販売されています。
また、ほぼ同型機としてCHUWI「LarkBox Pro」が販売されています。
タイムスタンプを見る限りは開封およびベンチマークを行っていたのは2021年3月で、そこに現在のレギュレーションを追加した形となっています。
GMK NucBox

| CPU | Celeron J4125 |
|---|---|
| メモリ | 8GB DDR4-2133 |
| ストレージ | 128GB M.2 SATA SSD |
| インターフェース | USB Type-C(給電)×1 USB 3.0×2 HDMI microSDXC オーディオジャック |
| wi-fi | 802.11ac+BT4.2 |
| サイズ | 62×62×42mm |
| 重さ | 144g |
GoodPoint
✔ 超コンパクト
✔ それなりに使える性能
BadPoint
✖ 爆熱
✖ ファンがちょっとうるさい
✖ インターフェースが背面にしかない
パッケージ

・電源アダプタ
・電源ケーブル
・説明書
「NucBox」のインターフェース

フロントは電源ボタンのみ、背面は給電用のType-CにUSB3.0が2ポート。映像出力はHDMIが1ポートのみです。
側面にmicroSDスロットとオーディオジャックが配置されています。
「NucBox」のパフォーマンス
「NucBox」の搭載CPUはCeleron J4125で4コア4スレッド、世代としては2019年Q4登場のGemini Lake Refreshとなります。
近い製品としてCeleron J4115(CHUWI「LsarkBox」)およびCeleron N5105(GMK「NucBox 5」)のスコアも比較に入れています。
総合


PassMarkは旧バージョン(v9)と新バージョン(v10.1)の両方を掲載。比較グラフはデータの揃っているv9のみを掲載しています。
PassMark(v10)は公式集計の平均値だと2986なので、平均以上のスコアが出ています。(v9の平均は2913なのでちょっと低い)
超小型機とはいえファンが頑張っていたためか、予想外にいいスコア(といっても平均値程度ですが)が出ています。同じ4コアの旧世代(Celeron N4100)と比べると、4割以上の向上です。
ただやっぱりCeleronの域を出るほどではなくて、同じ2019年登場の第10世代Core i3-1005G1と比較すると半分にも届きません。
Celeronとしては順当に成長しているものの、過度な期待は禁物というのがここでの印象です。
あと地味に現行世代となるJasper Lake(Celeron N4100/N5105)のシングルスレッドスコアがやたらと高いです。
CPU
上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド
CINEBENCH R23は、レビュー時期が古いものはデータがありません。
基本的な傾向はPassMarkと変わりませんが、Core i3-1005G1との差は1.5~1.6倍程度になっています。
逆にCeleron N4100比だと1.5倍を超えていますね。
GPU
グラフィックはCPU(計算処理)とはまた違う傾向です。
世代の新しいCPUほどFire Strike(DirectX 11)よりはTime Spy(DirectX 12)に最適化されていて、スコアが伸びています。
Celeron N4500比でスコアが逆転しているあたりにその様子がうかがえます。
スコア的にも単なる4K表示なら何とかなってもゲームは軽量級ですら無理そうな雰囲気です。
また、Celeron J4115に対してはCPU・グラフィックともにわかりやすくちょっと上を行っています。
現在の「LarkBox Pro」はCeleron J4125にアップグレードされているので、「NucBox」と同等の数値になっているものと思われます。
ストレージ

「NucBox」のストレージは128GB M.2 SATA SSD。
リードは552MB/sとSATAの限界近くまで出ていますが、ライトは141MB/sとかなり遅いです。

microSDはリード95MB/s、ライト78MB/sと予想外に高速。
これならストレージ拡張としても使えなくはないかなぁと。
とはいえmicroSDの特性を考えても、大きなデータを置くような使い方しか無理そうですが。
外観
※レビュー機はクラウドファンディングで入手したものです。内容物について国内販売モデルとは異なっている可能性があります。
パッケージ

外箱は上から見たら直方体。
10.5×10.0×8.5cmなので、箱の時点でめっちゃ小さいです。

内容物はシンプル。本当に最低限といった感じです。
付属品

電源アダプタは12Vオンリーで、12V/2A出力。
中華製品ではありがちなType-Cなのに12Vオンリーってやつなのですが、USBの仕様に則ると規約違反なわけで。
「たまたま端子形状がType-Cと同じ電源アダプタ」と解釈するしかありません。
部材調達面でこっちのほうが有利なんですかね…?

ユーザーマニュアルはペライチで英語のみ。スペック表と安全に関して、インターフェース解説と保証説明が1ページずつの本当に最低限な内容です。
筐体

フロントは電源ボタン、右サイドにmicroSDスロットとオーディオジャックがあります。

背面は電源(Type-C)、HDMI、USB3.0×2。
このUSBは2ポートのみというのが曲者で、キーボード・マウスが一つのドングルで動くタイプのものを使わないと、それだけで埋まってしまいます(ワイヤレスキーボードが使えるのはセットアップ完了以降)。
左側面には何もありません。

microSDを差し込むとこんな感じですっぽり収まります。

天面に吸気口、底面にはゴム足と認証マークがありました。
天面吸気って降りてきた埃をそのまま吸い込むスタイルになるので、長期的な運用だとどうなるかは気になるところ。
重量

重量は本体のみで144g。そこらのスマホより軽いです。
電源アダプタ込みだと269g。電源アダプタが125gと本体に近い重量なのはなぁ…
内部構造

底面のゴム足の下にねじが隠されています。

ねじを外して開けたところ。
M.2 2242 SSDがお目見えです。SSDは熱が回らないように隔離されています。
この構造はCHUWI「LarkBox」と同じですね。


内部はこんな感じで、2層基盤になっています。

真ん中に見えるのはeMMC用の実装スペース。
「LarkBox」ではここに128GB eMMCを実装し、M.2スロットを空けていました。
…これつまりは外装が違うだけで中身は「LarkBox」と同じものということですね。
システム
起動前

UEFI画面です。

設定可能項目は結構多め。

メモリ構成が2GB×4となっていることが分かります。

恒例のバックアップです。
使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは22.69GBでした。
システム情報

デスクトップは素のWindowsっぽいです。


システム情報。

HWiNFOによるCPU詳細情報。
メモリはオンボードなのでモジュール情報が空白になっています。

マザーボードのモデル名も「NucBox」

ストレージ情報。
M.2 C100としか出ませんが、メーカーはHIKVisionです。

再起動直後のメモリ使用量は2.1GB
スロットの使用も4/4になっています。

スタートアップは余計なものがありません。
システムインフォのロゴ以外はほぼ素のWindowとみてよさそうです。
ゲームベンチマーク
レビュー機のスペック
レビュー機のスペックは以下の通り。
| CPU | Celeron J4125 |
|---|---|
| グラフィック | UHD 600 |
| メモリ | 8GB LPDDR4-2133(クアッドチャネル) |
| ストレージ | 128GB SATA |
比較対象
[軽量級] DQベンチマーク
| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 1920×1080 最高品質 | 1415 | 重い |
| 1280×720 標準品質 | 3179 | 普通 |
上のほうで軽量級でもゲームは厳しいと書きましたが、ドラクエは720p/標準品質だと”普通”評価が出たので、ぎりぎりプレイできなくもなさそうです。
[中量級] FF XIV 漆黒のヴィランズ
| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 1920×1080 最高品質 | 532 | 動作困難 |
| 1920×1080 高品質 | 765 | 動作困難 |
| 1920×1080 標準 | 1195 | 設定変更が必要 |
| 1280×720 高品質 | 1310 | 設定変更が必要 |
| 1280×720 標準 | 1955 | 設定変更が必要 |
中量級は完全に無理ですね。
[重量級] FF XV Windowsエディション
| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 1920×1080 高品質 | 170 | 動作困難 |
| 1920×1080 標準品質 | 252 | 動作困難 |
| 1920×1080 軽量品質 | 330 | 動作困難 |
| 1280×720 標準品質 | 388 | 動作困難 |
| 1280×720 軽量品質 | 509 | 動作困難 |
重量級のFF XVは、プレイできるできない以前に、よく落ちずに完走したなぁと感心しました。
ベンチマーク中の画面を見ても、パラパラ漫画を数枚とばしでめくって眺めるって表現が近いです。
消費電力・稼働時間・騒音・温度
消費電力

| アイドル時 | 3.6W |
|---|---|
| 画面オフ時 | 2.9W |
| スリープ時 | 0.5W |
| CINEBENCH(S) | 7.0W |
| CINEBENCH(M) | 11.6W |
| 最大 | 17.2W |
消費電力は高くなく、普通に使っている分には10W程度で推移します。
最大の数値も瞬間的なもので、実際はフルロード時でもおおむね15W以下でした。
騒音

| 状況 | 音量 | 聞こえ方 |
|---|---|---|
| 電源オフ | 35.1dB | |
| アイドル | 35.1dB | ファン回転停止 |
| 最大 | 39.9dB | うるさいまではいかないものの 高音気味でやや耳障り |
| 最大(背面) | 39.9dB |
| 騒音レベル[dB] | 音の大きさのめやす | 自室内の聞き騒音 | |
|---|---|---|---|
| うるさい | 70 | 掃除機 騒々しい街頭 |
非常にうるさい |
| 60 | 普通の会話・チャイム 時速40キロの自動車の内部 |
非常に大きく聞こえうるさい 声を大きくすれば会話ができる |
|
| 普通 | 50 | エアコンの室外機 静かな事務所 |
大きく聞こえる 通常の会話は可能 |
| 40 | 深夜の市内 図書館 |
多少大きく聞こえる 通常の会話は十分に可能 |
|
| 静か | 30 | ささやき声 深夜の郊外 |
非常に小さく聞こえる |
| 20 | ささやき 木の葉のふれあう音 |
ほとんど聞こえない | |
騒音は…意外とあるというか、ファンがめっちゃ頑張るので、結構な音がします。
ファン音はやや高音気味ですが高周波数成分はやや少なめ、例えるなら二部屋先の掃除機の音にそっくりです。
それなりに音のある環境では気になりませんが、ある程度静かな部屋だと結構気になります。
こまめにオンオフがかかるので、なおさらです。
音の発生源は天面の吸気口なので、前後どちらからも音の大きさなどは変わりません。
温度
「NucBox」はとにかく爆熱です。どのくらいかというと…


表面温度は40度超え、排気口に至っては50度オーバーです。
実際、フルロード中の本体を持つとめちゃくちゃ熱いです。ずっと持っていると多分低温ヤケドになります。
一方で、これだけ熱いのに性能が落ちないというのは大したものだなぁと感心もしたり。
まぁちっちゃなファン全開で排熱するため、うるさいのは性能維持とのトレードオフってことですね。

センサー温度で見ると最高温度は83度。CPUの使用的には最高温度は105度なので、まだ余裕があります。
というか、それだけ全力で排熱してるってことです。
Celeron J4115な「LarkBox」ではファンの音を抑える代わりにCPU温度が91度まで上昇していたので、この辺りはメーカーごとの方針の違いというところでしょう。
SSDは隔離状態なのであまり熱の影響はなく、30度台で推移しています。
SSDはあまり熱に強くない(製品寿命を縮める)ため、ここまで熱の影響を抑えきっているというのは素晴らしいですね。
まとめ
レビュー公開まで時間のかかった「NucBox」ですが、爆熱でファンがそこそこうるさいという問題はあるものの、性能面では非常に頑張っています。
…多分これ、爆熱と騒音でおすすめできる機種とは言えないから、後回しにしたんだろうなぁ…
公開が遅くなったことでAmazonでは販売終了となりましたが、ほぼ同型品のCHUWI「LarkBox Pro」は現役で販売されていますし、後継機ともいえる「NucBox 5」(記事執筆時点ではレビュー途中)はグラフでみても分かるようにスコアが爆上がりで、しかも低発熱になっています。
セール時には「LarkBox Pro」は1.6万円台、「NucBox 5」は2.7万円程度で購入でき、結構価格差がありますが、余程予算に困窮しているのでもなければ「NucBox 5」をおすすめします。
「LarkBox Pro」もコスパは抜群ですし、悪くはないんですけどね。「NucBox 5」は「NucBox」や「LarkBox」で、もっとこうだったらなぁって思うところがきっちり盛り込まれているんですよ。
関連リンク
付録
ベンチマーク結果一覧
| メーカー | GMK | |
|---|---|---|
| モデル名 | NucBox | |
| CPU | Celeron J4125 | |
| GPU | UHD 600 | |
| メモリ | 8GB | |
| ストレージ | 128GB | |
| PassMark 9 | Total | 1473.5 |
| CPU Single | 1121 | |
| CPU Multi | 2844.1 | |
| 2D | 326.6 | |
| 3D | 534.4 | |
| Memory | 994.3 | |
| Disk | 2605.8 | |
| PassMark 10 | Total | 1104.9 |
| CPU Single | 1185 | |
| CPU Multi | 3247.1 | |
| 2D | 152.3 | |
| 3D | 436.8 | |
| Memory | 1029.5 | |
| Disk | 2683.7 | |
| 3DMark | TimeSpy | 148 |
| Graphics | 129 | |
| CPU | 1086 | |
| FireStrike | 475 | |
| Graphics | 513 | |
| Phisics | 4163 | |
| Combined | 165 | |
| NightRaid | 2012 | |
| Grapihics | 2254 | |
| CPU | 1253 | |
| SkyDiver | 1539 | |
| Graphic | 1430 | |
| Phisics | 3092 | |
| Combined | 1308 | |
| CloudGate | 3763 | |
| Graphics | 4205 | |
| Phisics | 2751 | |
| IceStorm | 30864 | |
| Graphics | 30811 | |
| Phisics | 31053 | |
| IceStormEX | 19494 | |
| Graphics | 17607 | |
| Phisics | 31198 | |
| IceStormUnlimited | 34756 | |
| Graphics | 33900 | |
| Phisics | 38130 | |
| 3DMark | TimeSpy | 149 |
| Graphics | 130 | |
| CPU | 1130 | |
| FireStrike | 464 | |
| Graphics | 504 | |
| Phisics | 4280 | |
| Combined | 159 | |
| NightRaid | 2025 | |
| Grapihics | 2248 | |
| CPU | 1298 | |
| CINEBENCH R15 | OpenGL | 20.17fps |
| CPU(M) | 270cd | |
| CPU(S) | 70cd | |
| CINEBENCH R20 | CPU(M) | 603pts |
| CPU(S) | 159pts | |
| CINEBENCH R23 | CPU(M) | 1551pts |
| CPU(S) | 432pts | |
| CPU-Z | Single | 210.4 |
| Multi | 842.8 | |
| CrystalMark | Mark | 159507 |
| ALU | 48491 | |
| FPU | 27935 | |
| MEM | 32145 | |
| HDD | 32014 | |
| GDI | 8932 | |
| D2D | 3052 | |
| OGL | 6938 | |
| GeekBench4 | Single | 1944 |
| Multi | 6009 | |
| OpenCL | 9701 | |
| OpenCL(dGPU) | – | |
| GeekBench5 | Single | 445 |
| Multi | 1559 | |
| OpenCL | 1739 | |
| OpenCL(dGPU) | – | |
| PCMark | ALL | 1902 |
| Essensial | 5040 | |
| Productivity | 3038 | |
| DigitalContent | 1222 | |
| VR Mark | 179 | |
| DQ(DX9) | 1920・最高 | 1475 重い |
| 1280・標準 | 3179 普通 |
|
| FF XIV(DX11) 紅蓮 |
1920・最高 | 523 動作困難 |
| 1920・高 | 793 動作困難 |
|
| 1920・標準 | 1175 設定変更 |
|
| 1280・高 | 1366 設定変更 |
|
| 1280・標準 | 1928 設定変更 |
|
| FF XIV(DX11) 漆黒の反逆者 |
1920・最高 | 532 動作困難 |
| 1920・高 | 765 動作困難 |
|
| 1920・標準 | 1195 設定変更 |
|
| 1280・高 | 1310 設定変更 |
|
| 1280・標準 | 1955 設定変更 |
|
| FF XIV(DX11) 暁月の終焉 |
1920・最高 | 510 動作困難 |
| 1920・高 | 754 動作困難 |
|
| 1920・標準 | 1175 設定変更 |
|
| 1280・高 | 1281 設定変更 |
|
| 1280・標準 | 1828 設定変更 |
|
| FF XV(DX11) | 1920・高 | 170 動作困難 |
| 1920・標準 | 252 動作困難 |
|
| 1920・軽量 | 330 動作困難 |
|
| 1280・標準 | 388 動作困難 |
|
| 1280・軽量 | 509 動作困難 |
|
| MHF(DX10) 大討伐 |
1920 | 967 |
| 1280 | 1834 | |
| ブラウザ | jetstream2 | 61.519 |
| BaseMark | 318.44 | |
| WebXPRT | ||
| WebXPRT4 | 70 | |
| MotionMark | 161.49 | |
| SpeedMeter2.0 | 56.15 | |
| octane | 19547 | |
ベンチマーク結果画像






































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