ルーターボードの枠超えてる。 Sinovoip「Banana Pi BPI-W3」はRK3588搭載の全部入り開発ボード

シングルボード

2022年7月21日、SinovoipはRochchip RK3588を搭載した、ルーターボードボードをベースとした開発ボード「Banana Pi BPI-W3」を発表しました。

Banana Pi BPI-W3 NAS router board:banana-pi.org
Banana Pi BPI-W3:AliExpress

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スペック

■ BPI-W3
CPURockchip RK3588
メモリ8GB LPDDR4
ストレージ32GB eMMC
インターフェースUSB Type-C(不明)×1
USB 3.0×2
USB 2.0×2
HDMI×2
HDMI-IN
1GbE 有線LAN×2
オーディオジャック
サイズ148×101mm

Banana Pi BPI-W3:AliExpress

特徴

「BPI-W3」は型番的には「BPI-W2」の後継機です。
中身的には受け継いでいるのはデュアルLANとHDMI-IN、M.2スロットくらいですね。

ルーターボードな「BPI-R」シリーズと違い、「BPI-W」シリーズはルーターボードをベースとした開発ボードという位置づけなので、比較的大きなサイズにインターフェースを山盛りにしているのが特徴です。

SoC

「BPI-W3」のSoCはRochchip RK3588

RK3588はRockchipの新フラグシップモデルでRockchip初の8nmプロセス製造、4コアのCortex-A76と4コアのCortex-A55のbig.Litte構成を取っています。
グラフィックは2021年5月に発表されたばかりのMali G-x10シリーズからミドルハイクラスとなるMali-G610の4コア(MP4)モデルを採用。
さらに6.0TOPSのNPUも内蔵し、かなり強力なSoCに仕上がっています。

ブロックダイアグラムはこんな感じ。
地味にHDMI-IN (HDMI RX)をサポートしています。

GeekBenchスコアはこんな感じ。
SBC界隈で主流のRK3399のざっと3倍、PC向けと比較するとシングルコア性能はCeleron N5100と同等、8コアな分マルチスレッド性能はN5100の1.5倍くらいでしょうか。

ただ大きな問題があって、RK3588搭載ボードはSBCメーカー各社から発表されてはいるものの、いまだに正式発売されたことがないんですよね。
開発機デモは結構あるのでモノは存在しているのは確かなのですが、量産に何か問題があるのでしょうか。

メモリとストレージ

「BPI-W3」のメモリは8GB LPDDR4、ストレージは32GB eMMCです。

その他

無線LANはなく、有線LANは1GbE×2のデュアルLANです。

電源は12V/2Aとあるので、USB PD給電には対応していなさそうです。

OSはAndroid 12またはLinux。

特筆すべき点としてHDMIが3ポートあり、うち1ポートはHDMI-INとなっています。
映像出力はHDMI2.1、つまりは8K出力に対応。実際にOSにDebianを使って動かすデモ映像が公開されています。

外観

外観については、記事執筆時点では2枚の画像しか公開されていません。

この2枚からはM.2スロットやPCIeスロットを持つこと、SATAはデータポートのみなど、大体の情報は読み取れます。

まとめ

「BPI-W3」は発表されたものの、記事執筆時点では続報に乏しく、価格はおろか発売日も明らかになっていません。
まぁこれはRK3588搭載ボード全般に言えることなのですが。

というか、発表から2か月経つのにWikiページが作りかけのままなんですよね。

さすがにこれ以上は放置できないので、進展がなさすぎる中での記事化ですが、正直発売までは遠そうです。

2023年5月7日追記AliExpressで発売されました。価格は162ドル(約22,800円)+送料です。

関連リンク

Banana Pi BPI-W3 NAS router board:banana-pi.org
Banana Pi BPI-W3:Banana Pi wiki
ニュースリリース:Banana Pi forum
Banana Pi BPI-W3:AliExpress

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