2022年9月15日、GPDはRyzen 7 6800Uを搭載したゲーミングUMPC「GPD WIN 4」をWeChat上で発表(同日にTwitterでも発表)、製品サイトを公開しました。
スペック
■ GPD WIN 4 | |
CPU | Ryzen 7 6800U |
---|---|
メモリ | 16~32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1~2TB NVMe SSD |
画面 | 6インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×1 USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×1 オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
バッテリー | 45.62WHr |
サイズ | 220×92×28mm |
重さ | 570g |
特徴
Ryzen 7 6800U搭載したゲーミングUMPCは結構多く、がじぇっとりっぷが把握しているだけでも以下の7機種が発売、あるいは発売予定です。
・AOKZOE A1:8インチWUXGA。Kickstarterでファンディング(国内販売サイトもオープン)
・ONEXPLAYER Mini Pro:7インチWUXGA
・AYANEO 2:7インチWUXGA
・AYANEO GEEK:7インチWXGA/WUXGA
・AYN Loki Max:6インチFHD、下記記事参照
・GPD WIN Max 2:10.1インチWUXGA、下記記事参照
・GPD WIN 4:6インチFHD、本記事
結構な乱立ですね。
ほとんどはスレートタイプで、キーボードを備えるのは「GPD Win Max 2」と「GPD WIN 4」のみとなります。
CPUとGPU
「GPD WIN 4」のCPUはRyzen 7 6800Uです。
CPUアーキテクチャはZen3+でTDPは28W。6nmプロセス製造となります。
Ryzenは6000シリーズでグラフィックアーキテクチャをRDNA2に更新、グラフィック性能を格段に引き上げました。
Ryzen 7 6800UのグラフィックはRadeon 680Mで12CU(Compute Units、シェーダープロセッサクラスタの単位)です。
これがRyzen 5 6600Uになると6CUと半分に減るので、dGPUを搭載できず内蔵グラフィック重視とならざるを得ないゲーミングUMPCではあまり採用は進んでいません。
Ryzen 7 6800UはCPU処理もさることながら、グラフィック処理は輪をかけて高いスコアをたたき出しています。
旧世代dGPUのGTX 1050(Max-Q)の9割以上、現行世代のGTX 1650(Max-Q)比でも85%と、エントリーゲーミングノートはもうこのCPUでいいんじゃない?ってレベルの性能です。
それに対しRyzen 5 6600Uはまぁその…うん。いまどきのモバイル向けCPUらしいスコアだね…?
決して低いわけではないのですが、Ryzen 7 6800Uを見るとかなり見劣りしてしまいます。
「GPD WIN 4」でFHD解像度における各ゲームのフレームレートです。
さすがに高設定はほとんどありませんが、ミドル設定であればエルデンリングなどは60FPSで動作するようです。
メモリとストレージ
メモリは16GBまたは32GBのLPDDR5-6400。接続はクアッドチャネルとなります。
ストレージは1TBまたは2TBのPCIe Gen3 SSD。スロット自体はPCIe Gen4対応です。
ファンの下という結構大変そうな位置ですが換装もできます。
GPDの慣習というか恒例というか、対応は片面実装タイプのみなので、換装を考える場合は注意が必要です。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6)対応。Bluetoothは5.2です。
有線LANはドッキングスタンドで対応します。
小型ながらバッテリーは45.62Whを確保。
高負荷時で2時間、低負荷時は10時間の駆動時間となります。
電源アダプタは65Wで、おそらくはUSB PDです(というかほかに電源ポートがない)。
外観
インターフェースです。
画面は6インチで解像度はFHD(1920×1080)です。CPU(というかグラフィック)の性能が上がったため、これまでの720p(1280×720)から解像度が引き上げられました。
表面コーディングはCorning Gorilla Glass 5でタッチにも対応しています。
ディスプレイを押し上げるとキーボードが出現。小さいですがフルキーで揃っています。
キーはドームスイッチ式で、キーボードバックライトも内蔵しています。
背面には吸気口。
中指の位置に背面ボタンがあります。
LTEモジュールを取り付けることで、4G/LTEに対応します。対応バンドは以下。
LTE-FDD: B1/B2/B3/B4/B5/B8/B12/B13/B18/B19/B20/B25/B26/B28
LTE-TDD: B38/B39/B40/B41
UMTS: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B9
GSM: B2/B3/B5/B8
左右にはバイブレーションモーター。
ゲーミングなのである意味必須の機能です。
左右下部にはスピーカー。
この画像ではブラックとホワイトの2色が用意されていることが分かります。
ドッキングステーションも用意されています。
USBは全ポート(Type-A×3+Type-C×1)ともUSB 3.2 Gen2。それにHDMI 2.1(4K/60Hz)と1GbE有線LANという構成です。
とはいえ「GPD WIN 4」の下部ポートはUSB 3.2 Gen2なので、全ポート同時利用すると帯域が足りなくなる場合があります。
まとめ
「GPD WIN 4」は製品が発表されただけで、発売(もしくはファンディング開始)は2022年12月予定とされています。当然現時点では価格も公開されていません。
先代「GPD WIN 3」はIndiegogoで799ドルスタート(Core i5-1135G7モデル)でしたが、「GPD WIN 4」はRyzen 5モデルはなくRyzen 7 6800Uのみ。
最近のGPD製品の価格からすると、「GPD WIN Max 2」と同じ899ドル(約13万円)スタートくらいかなぁと。ドル円が110円の時代であれば10万円を切ったのですが…
ゲーミングUMPC最小クラスながらスライドキーボードのギミックまで付いた「GPD WIN 4」、発売が楽しみですね。
欲を言えば解像度はWUXGA(1920×1200)だと嬉しかったかなぁ。
関連リンク
GPD WIN 4:GPD
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