これもうただのミニPCでは? Hardkernel「ODROID H3/H3+」はJasperLakeにデュアル2.5GbE搭載

シングルボード

2022年10月12日、SBCメーカーのHardkernelは、Celeron N5105を搭載した「ODROID H3」およびPentium N6005を搭載した「ODROID H3+」を発売しました。

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スペック

■ ODROID H3/H3+
CPUCeleron N5105 (H3)
Pentium N6005 (H3+)
メモリなし
(SO-DIMM DDR4-2933×2)
ストレージなし
(eMMC+NVMe+SATA×2)
インターフェースUSB 3.0×2
USB 2.0×2
HDMI 2.0
DisplayPort 1.2
2.5GbE 有線LAN×2
オーディオジャック
wi-fiなし
サイズ110×110×47mm

特徴

「ODROID H3/H3+」は2年10か月ぶりの「ODROID H」シリーズで、Celeron J4105搭載の「ODROID H2」、Celeron J4115搭載の「ODROID H2+」の後継となります。

Celeron N5105、Pentium N6005はJasperLake(2021年1Q)でCeleron J4105/Celeron J4115はGemini Lake(2017年4Q)なので、CPU世代的には3年半分の更新です。

CPU

前述の通り、CPUにはJasper Lake世代のCeleron N5105またはPentium N6005を搭載します。

実はグラフィックに期待。Intelの10nmプロセスとなったCeleronの新世代「Jasper Lake」について

「H2+」のCeleron J4115を100とした場合、CPU性能は30~40%の向上、「Unlimited Performance Mode」(時間制限なしのターボブースト)だと最大80%のスコアアップとなります。
なお、「Unlimited Performance Mode」はアクティブファン冷却でないとサーマルスロットリングが発生する可能性があります。

グラフィックはTiger Lakeアーキテクチャになったので爆上がり。
ただし同じJasper LakeでもCeleron N5105が24EU、Pentium N6005が32EUなので、スコアが最大1.3倍くらい違います。

ブロックダイアグラム図はこんな感じ。
8レーンに増えたPCIe 3.0がフル活用されています

2.5GbEをインターフェースに持つElkhart Lakeであれば、わざわざPCIeレーンを消費する必要もないのですが…産業組み込み向けCPUなので価格が上がっちゃうんですよね。
価格バランスも考えると、現状の最適解といったところでしょう。

あとJasper LakeはUSB3.2 Gen2に対応したのに、そこが使われないのはちょっと残念です。

メモリとストレージ

メモリとストレージは非搭載で、いわゆるベアボーン状態となります。

メモリはSO-DIMMが2スロットで対応はDDR4-2933まで。最大64GB(32GB×2)に対応とされています…が、仕様上は16GBなんですけどねぇ…
一応Jasper Lakeでは、シングルランクメモリで32GB(16GB×2)が動作するところまでは確認(下記記事参照)できています。

【レビュー】QNAP TS-364:メモリとかVMとか追加で実験してみた【応用編】

ストレージはM.2 NVMe SSD(PCIe 3.0×4接続)のほか、eMMC、SATA×2に対応します。
「H2+」ではM.2 NVMe SSDはPCIe 2.0×4接続(最大2,000MB/s)だったので、「H3/H3+」でようやくNVMe SSDの本領が発揮できるようになりました。

ストレージの選択の幅が大きいのはうれしいですが、eMMCって国内だと入手しづらいんですよね…素直にM.2 SSDを採用するべきでしょう。

ちなみに公式で、M.2-PCIeスロット変換ボードでグラフィックボードが使えることを謳っていたり。
…まぁ、実行する人は少ないでしょうが。

なお、M.2 SATA SSDには非対応です。

その他

無線LANは非対応。もともとの用途が有線LANしか想定されていないため対応スロットもなく、Wi-fiを使いたいのであればUSBドングルでの対応となります。

有線LANはデュアル2.5GbE。これは「ODROID H2+」と同じです。
チップはRealtek RTL8125Bです。

推奨電源は60W。3.5インチHDDを使う場合は133Wとされています。
オプションの電源アダプタは15V/4Aですね。

外観

基板の表裏です。
ミニPCのマザーボードやNUCボードと違うのは、24ピンのGPIOとかeMMCスロットくらいです。

映像出力はHDMI 2.0(4K/60Hz)とDisplayPort 1.2(4K/60Hz)です。

SATAは2ポート。
ヒートシンクは基本ファンレスです。

コンパクトだとか3.5インチHDD対応だとか、そういうので純正ケースは何と6種類も用意されています。
用意されてはいますが・・・このダサさは何とかならなかったのでしょうか…

個人的に惹かれたのがこれ。
オプションの「H3/H2 Net Card」(M.2 -クアッド2.5GbE変換ボード)です。

まとめ

「ODROID-H3」の価格は129ドル(約19,000円)、「ODROID-H3+」は165ドル(約24,000円)です。
オプション扱いの電源アダプタは9.4ドル(約1,400円)、クアッド2.5GbE変換ボードは47ドル(約6,900円)です。

…メモリとストレージまで入れると、ぶっちゃけ現状ではAmazonでミニPCを買った方が安いし手っ取り早いんですよね…
デュアル2.5GbEが必要だとか、GPIOがないと困るとか、NVMe SSDの早さじゃないと間に合わないとか、よほどの理由がない限りは普通のミニPCで間に合っちゃうのも悩ましいポイントです。

円安がなければお手頃価格だったんですけどねぇ…

関連リンク

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ODROID-H3:Hardkernel shop
ODROID-H3+:Hardkernel shop
H3/H2 Net Card:Hardkernel shop
リリースノート:Hardkernel
ODROID-H3 and ODROID-H3+:ODROIDF Wiki

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