2022年10月15日、PINE64は月例の進捗報告の中でRISC-VベースのSBC「Ox64」を発表しました。
スペック
■ Ox64 | |
CPU | Bouffalo Lab BL808 |
---|---|
メモリ | 64MB pSRAM |
ストレージ | 2~16MB Flash |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 microUSB×1 microSDXC |
wi-fi | 802.11 b/g/n+BT5.2 |
サイズ | 51×21×19mm |
特徴
「Ox64」は見た目的には「Raspberry Pi Pico」とかESP32などのマイクロコントローラー(OSレスで直接プログラムを実行可能)にそっくりなのですが、「Ox64」はデバイス上でLinuxカーネルを動作させるため、SBC(シングルボードコンピューター)に分類されます(少なくともPINE64はそう主張しています)。
SoC
「Ox64」のSoCはBouffalo LabsのBL808。
480MHzの64bitプロセッサ(D0)と、320MHzの32bitプロセッサ(M0)、低消費電力コアからなるハイブリッドSoC(CPUコアはすべてRISC-Vベース)です。
さらにBLAI-100という動画・映像解析向けのNPUを搭載しています。
ブロックダイアグラムはこんな感じですね。
メモリとストレージ
メモリとして、「Ox64」では64MBのpSRAMを搭載しています。
ストレージは2MB(16Mb)または16MB(128Mb)のXSPI NOR flashと、microSDです。
その他
ネットワークは802.11 b/g/n(Wi-fi 4)にBluetooth 5.2。さらにZigbee(近距離無線通信規格の一つ)にも対応しています。
有線LANは拡張ボードで100MbEに対応する予定だとか。
OSは特になく、githubにBL808用のOpenSBI(ブートローダ)とLinuxカーネルが用意されています。
ファームウェアはSoC開発元のBouffalo Labsが公開しています。
なんというか、こんなスペックでLinuxが動くのかなぁと思ったのですが、考えてみれば90年代末くらいのPCのスペックなんですよね。
がじぇっとりっぷは1999年に初めて自分でPCを購入しましたが(SOTECのPC Stationシリーズ)、この時のスペックはCeleron 433MHz(1コア)、メモリ64MB、ストレージ4.3GBでした。
これでWindows 98が動いていたわけで。
…つまりスペック的には「Ox64」上でWindows98が動いてもおかしくないのか…いや、命令セットが対応していないだろうけれど。
外観
ボード外観です。ボード上の5ピンはJTAGです。
左右にType-C(USB 2.0)とmicroUSBを備えていて、電源(5V/0.5A)はどちらからも取れます。
言い換えれば、電源を取りつつもUSBが1ポート使えるということです。
さらにType-CはAltモードでMIPI CSIとして機能します。
背面にはmicroSDスロットがあります。
画像出展 GAMELASTER (gamiee):Twitter
GPIOは40ピンですが、「Raspberry Pi Pico」とはレイアウトが違っています。
まとめ
「Ox64」は2モデル用意されています。
2MB/microSDソケットなし:6ドル
16MB/microSDソケットあり:8ドル
…マイコンと同程度の価格かぁ…
しばらくは開発者向けの販売となりますが、いずれ一般向けも出るんじゃないかなと。まぁ、PINE64製品は開発者向けばかりでなかなか一般には出回らないのですが。
Linuxが動くといってもどこまで動くのかも不明だし、この手のデバイスで問われる消費電力面でマイコン勢と張り合えるのかも不明ですが、意欲的な製品であることは確かですね。
コメント