2022年11月30日、SBCメーカーのFriendlyELECはRockchip RK3568B2を搭載したSBC「NanoPi R5C」を発売しました。
スペック

| ■ NanoPi R5C | |
| CPU | Rockchip RK3568B2 |
|---|---|
| メモリ | 1~4GB LPDDR4X |
| ストレージ | 8~32GB eMMC |
| 画面 | 14.0インチ IPS FHD |
| インターフェース | USB Type-C(給電)×1 USB 3.0×2 HDMI 2.5GbE 有線LAN×2 |
| wi-fi | M.2 E-Key |
| サイズ | 58×58mm 62.5×62.5×29mm(ケース込) |
| 重さ | 38g 149g(ケース込) |
| モデル名 | NanoPi R5C |
|---|---|
| メーカー | FriendlyElec |
| 発売日 | 2022/11 |
| 価格 | 49ドル(1GB) 59ドル(4GB) |
| 価格(日本円) | |
| CPU | Rockchip RK3568B2(4コア) (2.0GHz A55 x4) |
| GPU | Mali-G52 MP1 2EE |
| NPU | 0.8TOPS |
| メモリー | 1/4GB LPDDR4X |
| サポートOS | Friendry Core FriendryWrt Debian Buster |
| 有線LAN | 2.5GbE×2 |
| Wi-fi | M.2 E-Key |
| Bluetooth | – |
| チップ | RTL8125BG HYM8563TS |
| ストレージ | 8/32GB eMMC microSD(~128GB) |
| USB | 3.0 x 2 |
| GPIO | × |
| 映像 | HDMI(2.0 4K/60Hz) |
| カメラ | × |
| オーディオジャック | × |
| その他インターフェース | UART MASKボタン |
| 消費電力 | |
| 電源 | DC 5V/3A(Type-C) |
| 幅 | 58mm |
| 奥行き | 58mm |
| 高さ | |
| その他 | 重量:38g 重量:149g(ケース込) |
特徴
「NanoPi R5C」はミニIoTゲートウェイと位置付けられ、先に発売された「NanoPi R5S」から削れるものを削ってコンパクト化したもの、というのが表現としては近いです。

といっても3ポートの有線LANを抱える「R5S」はミニルーターと位置づけられているので、ちょっと方向性が違います。
「NanoPi R5C」は発表から発売まで多少の間があるFriendlyElecにしては珍しく、Wikiページが作られたのが11月17日で、存在が明らかになってから2週間足らずでの発売となっています。
SoC
「NanoPi R5C」のSoCは、「R5S」と同じRockchip RK3568B2です。
RK3568B2は中身的には無印のRK3568とほぼ同じで、どうも半導体枯渇時のリードタイムが長かった部分を、納期が早いものに置き換えたバージョンとなるようです。
構成としては4コアのCortex-A55に、GPUはMali-G52 2EE、さらに0.8TOPSのNPU(AI学習向けプロセッサ)も搭載しています。
なお、CPU性能としてはRK3399の2/3くらいですね。

RK3568はPCIe Gen2/USB3.0/SATAなどに使える汎用レーン(Serdes Lane)が3レーンあり、「NanoPi R5C」ではUSB3.0×2+M.2 E-Keyに割り当てているようです。
「R5S」ではM.2 M-Key(M.2 SSD用)に割り当てていましたが、PCIe2.1 x1接続(片方向0.5GB/s)という速度的に、Wi-fiに割り当てる方が自然ですね。
メモリとストレージ
メモリとストレージは1GB/8GBまたは4GB/32GBの組み合わせです。
メモリはLPDDR4X、ストレージはeMMCです。
「NanoPi R5S」で搭載されていたM.2 SSDスロットはなくなったので、あとはmicroSD(UHS-I対応)のみ。
microSDは高頻度の読み書きに弱く、eMMCの容量も限られていることから、「NanoPi R5C」は大量にため込んだデータをこねくり回すのではなく、センサーなどのエッジデバイスから集めたデータをサーバーに送る、IoTゲートウェイとしての性質がより強く出ています。
まぁ、USB SSDなどを使えばデータ解析用に使うこともできますが。
その他
無線LANはチップ非搭載ですが、M.2 E-Keyスロットを搭載しているため、好きなWi-fiカードを使えます(ただし動作するかどうかはドライバによる)。
公式ストアではオプションとして802.11ac(Wi-fi 5)対応のRTL8822CEチップのWi-fiカードを選択できます(が、おそらく技適未取得なので、国内で別途用意すべきでしょう)。
有線LANはデュアル2.5GbE。

転送速度は両ポートとも送信2.1Gbps、受信2.3Gbpsとなっているので、足りないということもそうそうないでしょう。
外観

インターフェースです。
「R5S」と比べるとLANが2ポートに減りましたが、USB3.0×2とHDMIはしっかり残っています。
HDMIがあると使い方の幅が広がりますね。
対応OSにDebian10 Desktopがあるので、(ストレージはかつかつですが)普通にデスクトップ的な使い方もできます。
また、Wi-fi搭載時のアンテナケーブルを通すため、一部が切り欠きになっています。

ケースはこんな感じ。
隙間がありませんが、そもそもGPIOがないので、他の機種のように悩む必要がありません。

ケース内部。
ケースが直接SoCに接触してヒートシンクを兼用する形になっています。

パッケージは本体+ケースか、アンテナ込みか、です。
まとめ
「NanoPi R5C」の価格はケース込みで1GB/8GBモデルが49ドル(約6,600円)、4GB/32GBモデルが59ドル(約8,000円)です。
「R5S」が2GB/8GB/ケースなしで59ドル、4GB/16GB/ケースなしで70ドル(ケースは+10~11ドル)であることを考えると、十分に廉価モデルと言えます。
Wi-fiモジュールは+18ドル。アンテナ込みの価格です。
アンテナ自体はAmazonでも買えるので、国内利用の場合は選択する理由はありません。
最小クラスのサイズなのに”使える”仕様、さらには安価と売れる要素は揃っているので、人気が出てもおかしくはないですね。
関連リンク
NanoPi R5C:FriendlyElec
NanoPi R5C:Friendly Wiki




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