2022年7月14日、Mango PiはAllwinner H616を搭載した小型SBC「MQ-Quad」をTwitterで発表しました。
記事執筆現在はAliExpressで販売中です。
スペック

■ MQ-Quad | |
CPU | Allwinner H616 |
---|---|
メモリ | 1GB DDR3L |
ストレージ | なし |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×2 HDMI microSD |
wi-fi | 802.11 b/g/n+BT4.2 |
サイズ | 65×30mm |
モデル名 | MQ-Quad |
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メーカー | Mango Pi |
発売日 | 2022/07 |
価格 | 26.7ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Allwinner H616 (1.5GHz A53 ×4) |
GPU | Mali-G31 MP2 |
NPU | – |
メモリー | 1GB DDR3L |
サポートOS | Tina Linux Debian Android 10 TV |
有線LAN | – |
Wi-fi | 802.11 b/g/n |
Bluetooth | 4.2 |
チップ | RTL8723DS AXP313a |
ストレージ | – |
USB | 2.0(Type-C) × 2 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | miniHDMI(2.0) × 1 |
カメラ | MIPI CSI |
オーディオジャック | – |
その他インターフェース | – |
消費電力 | |
電源 | DC 5V(Type-C) |
幅 | 65mm |
奥行き | 30mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「MQ-Quad」はサイズやインターフェース配置などを「Raspberry Pi Zero」に合わせた、いわゆるPi Zeroクローンのひとつです。
2022年4月にも、RISC-Vプロセッサを使った「MQ-Pro」を発表していますが、こちらはARM版なので、総合的なノウハウの量については優位性があります。
参考 MQ-Pro:Mango Pi
SoC
「MQ-Quad」のSoCはAllwinner H616です。H618版がTwitter上で発表されていますが、記事執筆時点では販売されていません。
Allwinner H6の後継として2019年に発表されたSoCで、CPUは1.5GHzのクアッドコアCortex-A53、グラフィックはMali-G31 MP2となっています。
Allwinnerで初めてBifrostアーキテクチャ(Mali-Gシリーズ)を搭載したSoCですね。
性能面ではAnTuTu v8が総合5.6万点、GPUが0.5万点くらい。
GeekBench 5のスコアがシングル100、マルチ280といったところ。
「Pi Zero」シリーズの最新モデル「Pi Zero 2 W」のRP3A0が、シングル90、マルチ130くらいなので、マルチスレッド時は2倍程度の性能となります。
ちなみにPi Zeroクローンの中ではAmlogic S905Y2を採用した「Radxa Zero」が飛びぬけていて、シングル280、マルチ1000のスコアを誇ります。

その他のベンチマーク比較は以下のサイトに詳しいです。

メモリとストレージ
メモリは1GB DDR3L。
ストレージはなく、microSDで賄います。
その他
無線LANはWi-fi 4(802.11b/g/n)対応です。チップはTrolink TL8723DSですが、中身はRTL8723DSなので最大150Mbpsですね。
電源はType-CまたはGPIOで、5V/2A入力となります。
OSはDebian、Android 10 TV、そしてAllwinnerシステム向けの、OpenWrtベースのTina-Linux。
イメージファイルは公式ページに置かれています。
Debianは同じH616を使った「Orange Pi Zero 2」用のイメージがそのまま動くようです。

外観
ボードの表と裏です。
端子はminiHDMIにType-C×2。
グラフィックはそこそこ強いので、HDMIは4K/60Hz対応のHDMI2.0です。
USBは、H616はUSB2.0しか対応していません。2ポートありますが、OTG+Hostの組み合わせとなります。
配置そのものは「Pi Zero 2 W」と同じですが、microSD → Type-Cの違いがあります。
ボードカラーはブラックとピンク。
PCBのパターンはこんな感じ
The #MangoPi MQ-Quad ( H616 but nearly compatible with RPI-zero2W) next batch is coming in Pink.
Currently on sale color:
MQ-Pro (D1): Pink√
MQ-Quad (H616): matte-black√#linux #sbc pic.twitter.com/Ho66WlCTpR— MangoPi SBC🐧 (@mangopi_sbc) November 2, 2022
ヒートシンクも用意されています。
公式でも「very hot」と書かれているので、裸運用は厳しいっぽい。
This H616 chip position, perfect heat dissipation! https://t.co/l1uchsUe97 pic.twitter.com/RoApwsQ6q2
— MangoPi SBC🐧 (@mangopi_sbc) August 23, 2022
まとめ
「MQ-Quad」の価格は26.7ドル。ヒートシンク付きだと29.6ドルです。
「Pi Zero 2 W」の15ドルに比べると高めですが…「Pi Zero 2 W」は供給が、ね…国内どころかAliExpressでもぼったくり価格しかありません。
ちなみに「Radxa Zero」は記事掲載時より値上がりしていて、512MBで19.9ドル、1GBで26ドル、2GBで39ドルです。4GBモデルになると内蔵ストレージも追加され、その分値段も上がります(4GB/32GBで55ドル)。
まぁ、このクラスに高性能を求めるのはどうかと思うので、「MQ-Quad」や「Radxa Zero」の1GBモデルくらいがちょうどいいかと。
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