面白いけどあと一歩。MINISFORUM「EYERTEC AD650i」はオンボードCore i7-12650HにM.2 SSD×6枚な変態マザボ

PC

2023年9月13日、MINISFORUMはオンボードでCore i7-12650Hを搭載するMini-ITXマザーボード「EYERTEC AD650i」を発売しました。

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スペック

■ EYERTEC AD650i
CPUCore i7-12650H
メモリSO-DIMM DDR4-3200×2
ストレージM.2 Gen3 SSD×6
2.5インチSATA×2
インターフェースUSB Type-C(USB4)×1
USB3.2 Gen2×2
USB3.2 Gen1×2
HDMI×2
2.5GbE 有線LAN
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 6+BT5.0
バッテリーWHr
サイズ170×170mm
電源19V(180Wまで、別売)

特徴

MINISFORUMはミニPCメーカーですが、ここ最近は独特な仕様の製品の開発に熱心です。
例えば2022年4月に発表した「B550」は、形態はミニPCでありながらGPUを外付けできるという変態チックな仕様でした。

そこからしばらくはGeForce RTX 3070/3060を内蔵した「DeskMini NUCX」、Radeon RX6600を内蔵した「Neptune HX77G/HX99G/HX80G」と、dGPU内蔵ミニPCを立て続けに発売し、ついにマザーボードのみで売り出したのが今回の「EYERTEC AD650i」です。

CPU

CPUはIntel第12世代(コードネーム:Alder Lake)からCore i7-12650Hをオンボードで搭載します。
Core i7-12650Hは10コア16スレッド(6P4E)で、パフォーマンスコアが多め。TDPは45Wで、グラフィックはCore UHD(64EU)。要はCPUコア重視のグラフィック弱めな構成です。

CPUPassMark(Multi)
Ryzen 7 7745HX(8C/16T)32915
Ryzen 9 7940HS(8C/16T)31009
Core i9-13900H(14C/20T)30002
Ryzen 7 7840HS(8C/16T)29144
Core i9-12900H(14C/20T)28652
Core i7-13700H(14C/20T)28460
Core i7-12700H(14C/20T)26476
Ryzen 7 7840U(8C/16T,30W)25263
Ryzen 9 6900HX(8C/16T)24930
Ryzen 7 7735HS(8C/16T)24188
Ryzen 7 6800H(8C/16T)23701
Core i7-12650H(10C/16T)23625
Core i9-11980HK(8C/16T)23063
Ryzen 9 5900HX(8C/16T)22777
Core i5-13500H(12C/16T)22718
M1 Pro(10C/10T)21855
Core i5-12500H(12C/16T)21669
M2 Pro(10C/10T)21622
Ryzen 7 7735U(8C/16T)21214
Ryzen 7 5800H(8C/16T)21184
Core i7-11800H(8C/16T)20810
Ryzen 7 6800U(8C/16T)20589
Core i5-12450H(8C/12T)17933
Ryzen 5 6600U(6C/12T)17185
M2(8C/8T)15489
Core i5-11400H(6C/12T)15839
Core i7-1355U(10C/12T)15355
Core i7-1255U(10C/12T)13829
Core i7-1165G7(4C/8T)10370
GPUFireStrike(Graphics)
RTX 3050 Mobile12001
GTX 1060 Max-Q10765
VR Readyの壁
AMD 780M(7940HS)8392
AMD 780M(7840U)8166
GTX 1650 Max-Q7785
GTX 1050 Max-Q7285
AMD 680M(7735HS)7123
AMD 680M(6800U)6890
GeForce MX5506199
Core i7-13700H6133
Core i9-13900H6012
Core i7-12700H5641
GeForce MX450(30.5W)5362
Core i7-1355U5200
Core i5-13500H5149
Core i7-1165G75102
Ryzen 5 6600H5075
Core i7-1260P4960
Ryzen 5 6600U4832
Core i5-12500H4580
GeForce MX450(25W)4435
Core i7-1255U4383
Ryzen 7 5800U3933
Core i7-12650H(UHD)3800~4300
Core i5-1135G73800
Core i5-1235U3745

Core i7-12650HはCPU性能についてはPassMarkスコアが23600と、(モバイル向けCPUの中では)かなり高めです。
日常用途では不満のない性能ですし、個人用のサーバーとしても十分に活躍できる性能と言えます。

一方でグラフィックはIris XeではなくUHDなのでそれほど高くありません。といってもCore i5-1135G7並はあるようなので、非ゲーム・非映像編集であれば問題ないでしょう。

メモリとストレージ

メモリは非搭載でSO-DIMMが2スロット。DDR4-3200までの対応で、最大64GBまで搭載できます。

ストレージは…これが変態というかなんというか。
まず、ボード裏面にM.2 Gen3が3スロット。表側のMXMボード上に3スロットの、合計6スロットのM.2 SSDを搭載できます。ちょっと変態過ぎて、最初に知ったときは仕様を理解するまで結構時間がかかりました。

さらにSATAが2ポートありますが、ボード上の電源ピンが5Vのため、2.5インチしか動きません(3.5インチは12V)。実際仕様表にも2×2.5インチと書かれています。

その他

無線LANはカード非搭載。
MXMカードのヒートシンク下にM.2 key-Eスロットがあり、バックプレートにもアンテナホールがあるので、自前でカードを用意すればWi-fiにも対応できます

有線LANは2.5GbE×1
最近は2.5GbEも標準的となりつつありますが、ここまでNAS向けな構成で2.5GbEのシングルポートは微妙です。
M.2 SSDが6枚も挿せるのに、出口は300MB/s程度って…

ここはせめてデュアル2.5GbEか、思い切って10GbEだったら良かったのになぁ…
USB4ポートがあるので、10GbEアダプタを繋げばいい話なんですけどね。

電源は19Vで最大180W入力対応。なのですが、電源アダプタは付属しません
別途、調達する必要があります(端子は5.5×2.5mm)。

外観

全体です。
半分がCPU(+ファン)部、残り半分がMXMカード部に分かれています。

斜めから見るとMXMカード部は巨大なヒートシンクとなっています。

MXMカードのヒートシンクの下にはM.2 SSDが3スロット。
手前のアンテナ端子に隠れているところに、Wi-fiカードスロットがあります。

背面も半分はパネルに覆われていて。

その下にM.2 SSDが3スロット隠れています。

バックパネルインターフェース。
USB4があるので、GPU Boxを接続すればグラフィック性能も伴ったPCとして使えますが…それなら最初からグラボを搭載できるマザボを選ぶような…

まとめ

「AD650i」の価格は55,980円
独特すぎる製品なので相場がないのですが、Core i7-12650HにMXMボード込みの価格と考えると、このくらいかなぁと。

ネットワークが2.5GbEなので、内部処理の負荷が高いデータベース用ならアリですね。
NASにするのであれば、USB4に10GbEアダプタを接続するなど、高速化させた方が実用性は増すでしょう。

Mini-ITXでM.2 SSD×6枚ってコンセプトはめちゃくちゃ面白いのに、それを活かしきれる仕様になっていないのはちょっと惜しいですね。
1万円上乗せでも10gbE対応とかだったら、自宅鯖界隈が買いあさっただろうに…

関連リンク

公式販売ページ:MINISFORUM

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