2023年12月8日、LenovoはRyzen Z1 Extremeを搭載した8.8インチのゲーミングUMPC「Legion Go」を国内発売しました。
スペック
■ Legion Go | |
CPU | Ryzen Z1 Extreme |
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メモリ | 16GB LPDDR5X-7500 |
ストレージ | 512GB NVMe Gen4 SSD |
画面 | 8.8インチ IPS WQXGA |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.3 |
バッテリー | 49.2WHr |
サイズ | 298×131×40.7mm |
重さ | 854g |
特徴
「Legion Go」はLenovo初のゲーミングUMPCです。グローバルでは9月1日に発表、11月頃に発売されています。
CPU
「Legion Go」のCPUはRyzen Z1 Extremeを搭載します。
Ryzen Z1 ExtremeはASUS「ROG Ally」と同じCPUですね。
ハンドヘルドPCゲーミング用プロセッサと位置付けられたシリーズで、アーキテクチャはZen4+RDNA3。
動作クロックやキャッシュ、グラフィックコア数などはRyzen 7 7840Uと同じですが、cTDPが9~30Wと下に広く(7840Uは15~30W)、省電力での動作をサポート、さらにNPUであるRyzen AIを無効化している点が異なっています。
絶対性能的にはRyzen 7 7840Uとほぼ変わりません。
メモリとストレージ
「Legion Go」のメモリは16GB LPDDR5X-7500。
オンボードの固定容量で、現在のところ32GBモデルなどは用意されていません。
「Legion Go」はCPU内臓GPUのため、グラフィックメモリもここから供用され、実使用可能容量は12GB程度となります。
ストレージは512GB Gen4 TLC SSD。海外では1TBモデルもあるようですが、国内では512GB一択です。
2242サイズで換装はできますが、CRU(お客様による交換可能部品)に指定されていないため、換装したら保証がなくなります。
100GBクラスのタイトルが増えている現状では、UMPCを買うようなゲーマーからすれば512GBは心もとない容量ですし、ここは市場でも入手しやすい2280サイズにして、ユーザー自身での換装をサポートしてほしかったところです。
ちなみに「ROG Ally」も2242サイズですが、サードパーティー製のアダプタで2280化することができます。「Legion Go」は…内部スペース的に無理そうです。
その他
無線LANはWi-Fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.3です。
バッテリーは2セルの49.2WHr。
稼働時間はJEITA2.0で約7.9時間。充電時間は約1.2時間とされています。
外観
全体です。
右コントローラにタッチパッドがあるのは評価ポイントです。スティックでのカーソル移動は本当に面倒で…
ディスプレイは8.8インチWQXGA(2560×1600)、リフレッシュレートは144Hz。色域は97% DCI-P3で、輝度は最大500nits。10点マルチタッチに対応しています。
…これ「Legion Y700(2023)」と同じパネルでは…?
かなりいいパネルを使っているのですが、2.5Kで144Hzって、CPUへの負荷も含めて消費電力に直撃するんですよね。
なので、バッテリー容量が50W弱と「ROG Ally」(40WHr)より25%多いにもかかわらず、高設定では動作時間は1時間30分~40分程度になるとか。
持った時のサイズ感はこのくらい。
8.8インチ+左右のコントローラで幅は298mm。幅だけでいえば11インチの「Fire Max 11」(259mm)はおろか、13.4インチのDELL「XPS 13」(295.4mm)より広いという。
Nintendo Switch(239mm)くらいを想像していると、面食らうと思います。
2.microSDメディアカードリーダー
3.通気口(排気)
4.音量ボタン
5.USB4 Type-Cコネクタ
6.マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
7.電源ボタン
9.FPSモード・スイッチ
10.USB4 Type-Cコネクタ
11.マウス・センサー
インターフェースはUSB4が2ポート。Type-Aもない潔さです。
最近はPCIe Gen4 x8を外に引き出すOCuLinkが話題になっていますが、さすがにそういった変則的なことはしていません。
また、電源LEDは動作モードごとに色が変わるそう。
コントローラは本体から分離して使用可能。これは「ONEXPLAYER 2 Pro」と同じ機構です。
右コントローラーは底部にマウスとしてのセンサーがあり、コントローラーベースにはめ込んでマウス風に使用(FPSモード)することができます。
ただし、FPSモード自体は新しい形態としてかなり評価されているものの、Nintendo Switchや「ONEXPLAYER 2 Pro」のように、左右コントローラをつなぐグリップが用意されていない点はマイナス評価を下されています。
内部はこんな感じ。右下がSSDです。
CPUとファンはシングルヒートパイプでつながれていて、ファン音も比較的ましな方だとか。
まとめ
「Legion Go」の価格は134,860円。北米での699.99ドル(約10.2万円)に消費税を足して、さらに+2万円という価格設定です。
同じZ1 Extreme/16GB/512GBな「ROG Ally」が109,800円であることを考えると、かなり強気と言えます。
価格決定時の為替相場の差や、ディスプレイや分離コントローラなどの要素を加味しても、まだちょっと高く感じますね。これがメモリ32GB/1TB SSDなら安かったし、「ROG Ally」とも競合しなかったのですが…
ちなみに海外では「ROG Ally」(699ドル)とほぼ同額ということもあり、品薄だとか。
各種メディアでの評価がざっくり「初代機としては頑張っているのは分かる」という感じですし、Lenovoはイロモノに関してはフィードバックを拾いまくって次モデルにしっかり反映させてくる印象が強いので、狙うなら次のモデルでしょう。
その時は価格もこなれているといいなぁ…
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