いろいろと惜しい… ASUS「ROG Ally」はやや安価なハイパフォーマンスゲーミングUMPC。

PC

2023年6月2日、ASUSは初のゲーミングコンソール型UMPC「ROG Ally」の予約を開始しました。

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スペック

■ ROG Ally
CPU Ryzen Z1 Extreme
メモリ 16GB LPDDR5-6400
ストレージ 512GB Gen4 SSD
画面 7.0インチ FHD(120Hz)
インターフェース USB Type-C(Gen2)×1
ROG XG Mobile×1
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi Wi-fi 6E+BT5.1
バッテリー 40WHr
サイズ 280×111.38×32.43mm
重さ 608g

特徴

前述の通り、「ROG Ally」はASUS初のポータプルゲーム機(ゲーミングUMPC)です。
中身としてはAYANEOやAOKZOEなどが出すゲーミングUMPCと似たようなものですね。

799ドルスタート! AOKZOE「A1 Pro」は初のZen4なRyzen 7 7840U搭載ゲーミングUMPC
2023年5月1日0時より、ゲーミングUMPCメーカーのAOKZOEが、クラウドファンディングサイトのIndiegogo上で、世界初のRyzen 7 7840Uを搭載した8インチゲーミングUMPC「A1 Pro」のファンディングを始めます。

「ROG Ally」では「Z1 Extreme」と「Z1」という2つのCPUでの2モデルをラインナップしていますが、今回予約開始したのは上位の「Z1 Extreme」搭載モデルのみ。下位の「Z1」搭載モデルは2023年夏以降とされています。

なお、「ROG Ally」はアールオージー エイライと読みます。読み仮名振るくらいなら最初からもっと読みやすい名前にしようよ…

CPU

「ROG Ally」の搭載CPUはAMD Ryzen Z1 Extremeプロセッサーです。
ハンドヘルドPCゲーミング用プロセッサと位置付けられたシリーズで、アーキテクチャはZen4+RDNA3

動作クロックやキャッシュ、グラフィックコア数などはRyzen 7 7840Uと同じですが、cTDPが9~30Wと下に広く(7840Uは15~30W)、省電力での動作をサポートしている点が異なっています。
上限は同じなので、フルロード時はRyzen 7 7840Uと変わらない性能になるでしょう。

CPU PassMark(Multi)
Core i9-13900H(14C/20T) 32844
Core i7-13700H(14C/20T) 30966
Core i9-12900H(14C/20T) 29049
Ryzen 7 7840HS(8C/16T) 28429
Core i7-12700H(14C/20T) 26834
Ryzen 9 6900HX(8C/16T) 25004
Ryzen 7 7840U(8C/16T) 25000?
Ryzen 7 7735HS(8C/16T) 24497
Ryzen 7 6800H(8C/16T) 23503
Core i9-11980HK(8C/16T) 23463
Ryzen 9 5900HX(8C/16T) 23014
M1 Pro(10C/10T) 22060
Core i5-12500H(12C/16T) 21617
Ryzen 7 5800H(8C/16T) 21349
Ryzen 7 6800U(8C/16T) 20903
Core i7-1360P(12C/16T) 20813
Ryzen 7 7730U(8C/16T) 19673
Core i5-1340P(12C/16T) 19618
Ryzen 7 4800H(8C/16T) 18947
Ryzen 7 5825U(8C/16T) 18499
Core i5-12450H(8C/12T) 18375
Ryzen 5 6600U(6C/12T) 17804
Core i5-1240P(12C/16T) 17407
Core i7-1260P(12C/16T) 17066
Ryzen 5 7530U(6C/12T) 16444
Ryzen 5 5625U(6C/12T) 14969
Core i5-1235U(10C/12T) 13516
Core i7-1255U(10C/12T) 13443
Core i7-11370H(4C/8T) 11937
Core i7-1165G7(4C/8T) 10487
Core i5-1135G7(4C/8T) 10058
GPU FireStrike(Graphics)
RTX 3070 Mobile 26845
RTX 4060 Mobile 26304
Radeon RX 6600M 23121
RTX 3060 Mobile 20103
Radeon RX 6500M 13865
GTX 1660Ti Max-Q 13346
RTX 3050 Mobile 12001
GTX 1060 Max-Q 10765
VR Readyの壁
RTX 2050 Mobile 7908
AMD 780M(7840HS) 7900
GTX 1650 Max-Q 7785
AMD 780M(Z1 Ex) 7350
GTX 1050 Max-Q 7285
AMD 680M(6800U) 6890
GeForce MX550 6199
Core i7-12700H 5641
GeForce MX450(30.5W) 5369
Core i7-1165G7 5102
Ryzen 5 6600H 5075
Core i7-1260P 4960
Ryzen 5 6600U 4832
Core i5-12500H 4580
Core i7-1255U 4383
Core i5-1240P 4195
Ryzen 7 5800U 3933
Core i5-1135G7 3800
Core i5-1235U 3745
Ryzen 5 5625U 3453
Core i3-1215U 3378
Core i3-1115G4 2340

PassMark3DMarkの集計値に基づいています

Z1 Extremeは「ROG Ally」が初搭載機なので、
Ryzen 7 7840U搭載機はまだ出回っておらず情報が薄いのですが、Cinebench R23ではシングル1800、マルチ14800程度ということがリークされています。

PassMarkスコアはないのですが、同じRyzen 7040シリーズで同じAMD 780Mを搭載するRyzen 7 7840HSのデータがリークされています。
Ryzen 7 7840HSはCinebench R23がシングル1800、マルチ16800程度なので、差は14%弱。ここから考えてRyzen 7 7840UのPassMarkスコアは25000程度と予想できます

グラフィック性能は先行レビューベンチマークの結果から引用.
Ryzen 6000世代から着実に性能向上していますが、モバイル向けGTX 1650を追い越すには至らなかったようです。

なお、「Z1」はRyzen 5 7540U相当となります。6コア12スレッドで、グラフィックコア数が1/3の4CUとなり、グラフィック性能は良くて「Z1 Extreme」の半分程度となるでしょう。

※2023年6月2日修正:当初Ryzen 5 7640U相当と記載していましたが、Ryzen 5 7540U相当の誤りでした。

メモリとストレージ

メモリは16GB LPDDR5-6400のみ。32GBなどのバリエーションはありません。
「ROG Ally」というか、内臓GPUの場合はここからグラフィックメモリも捻出するわけで、重いゲームによってはメモリがかつかつになるやもしれません。

ストレージは512GB Gen4 SSD
記事執筆時点では5,000MB/s程度なのか、7,000MB/sオーバーなのかは不明です。
というかこれもゲーム詰め込むとすぐに枯渇しそう…

その他

無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)対応、Bluetoothは5.1です。
…Wi-fi 6E+BT5.1の組み合わせなWi-fiチップってあったかな…?Realtek辺りにありそうだけど、ざっと調べた範囲では見当たらず。

バッテリーは40WHr
稼働時間は10.2時間(JEITA測定法)ですが、ヘビーゲームのプレイ可能時間は最長約2時間とされています。

外観

本体全景兼インターフェースです。

ゲーミングUMPCによくある、底面のType-Cはありません
つまり、スタンド兼用のドッキングステーションも用意されていません(ちっちゃなスタンドが同梱します)。

ついでに言うと、PCIe Gen3 x8接続なROG XG Mobileインターフェースはあるのに、USB4ポートはありません。内部的にはできそうな感じなんですけどね。
ROG XG Mobileインターフェースは現状だとROG XG Mobile専用なので、もうちょっと汎用性が欲しかったところ。

画面は7インチFHD(1920×1080)で120Hz駆動。応答速度は7msで最大輝度は500nitsです。
大体のゲーミングUMPCは画面は60Hzと言われている(そもそもリフレッシュレートについて言及していない)ので、ここは大きなポイントと言えます。

色域については先行レビューでsRGB比99.1%s、sRGBカバー率94.1%と出ていますね。

表面はGorilla Glass Victus+Gorilla Glass DXCという組み合わせです。

冷却はデュアルファンを用いたROGインテリジェントクーリングシステム。
先行レビューでは結構静かとの評価が多いです。

周辺アクセサリーはこんな感じ。

Charger DockはSwitch向けの周辺機器と似たようなもの(ただしSwitch向けは出力が30W程度)とみてよさそうです。出力が65Wになるだけで値段が倍以上(希望小売価格9,980円)なのはどうなんだろう?

ROG XG Mobileと接続すると、こんな感じになります。

まとめ

「ROG Ally」の価格は109,800円。米国価格は699ドル(約97,000円)なので、10万円を切っていたら最高だったのですが。
夏以降発売の「Z1」モデルは89,800円(米国価格599ドル)と、手に取りやすい価格なんですけどね。

※2023年6月16日追記:日本でも税抜き価格で考えると10万円を切っているので、実際のところはおま国価格というわけではなく、とてもまっとうな価格付けです。

比較はしにくいのですが、AOKZOE「A1 PRO」がRyzen 7 7840U/32GB/512GBで799ドルです。メモリの差を考えても100ドル差は安めですね。
ただ「A1 PRO」はクラファンなので、日本円価格だと10,000円も差は付かなさそうですが。

がじぇっとりっぷなんかはついつい”画面とバッテリーの付いたミニPC”として見てしまうので、メモリ容量とインターフェースがいまいちな点はかなり気にかかります。
ASUS渾身の一台だけに売れそうだなぁとは思うものの、ほんとにいろいろと惜しすぎる。

関連リンク

コメント

  1. 匿名 より:

    Ryzen Z1(6C12T)のGPUのCU数は4なので、ベースはRyzen 5 7540Uになると思われます。

    • がじぇっとりっぷ より:

      コメントありがとうございます。
      ご指摘の通り、Ryzen 5 7540U相当ですね。修正いたしました。

  2. ppk より:

    やっぱりメモリは足りんよなー
    steamdeck向けのドッキング?ステーションが使えそう

  3. 匿名 より:

    アメリカ価格は税抜きだから日本価格と大差無いですよ
    むしろ輸入や技適等を考えたら安いまであります

    • がじぇっとりっぷ より:

      コメントありがとうございます。
      税抜きはその通りで、日本も税抜きだと10万円切るんですよね…この点については追記いたしました。

      まぁ価格としては適当であると思っているので、10万円切っていたら云々はあくまでお気持ちです。

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