2023年5月1日0時より、ゲーミングUMPCメーカーのAOKZOEが、クラウドファンディングサイトのIndiegogo上で、世界初のRyzen 7 7840Uを搭載した8インチゲーミングUMPC「A1 Pro」のファンディングを始めます。
AOKZOE A1 Pro: World’s 1st 7840U Gaming Handheld:Indiegogo
スペック

■ AOKZOE A1 Pro | |
CPU | Ryzen 7 7840U |
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メモリ | 32~64GB LPDDR4X-6400 |
ストレージ | 512GB~2TB NVMe SSD |
画面 | 8.0インチ IPS WUXGA |
インターフェース | 不明 |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.2 |
バッテリー | 65WHr |
サイズ | 285×125×21mm |
重さ | 729g |
特徴
AOKZOEは3月30日に「A1 Pro」と7インチUMPCの「A2」の予告を行っていて、4月29日(AOKZOEの書き方だと28日24時)に正式発表、5月1日(4月30日24時)にファンディング開始となります。
「A1 Pro」は名前からすればRyzen 7 6800Uを搭載した「A1」の上位モデルという位置づけとなります。
「A2」もファンディング予定で、Coming Soonなキャンペーンページが公開されています。
ところでOne-Netbookにも「A1 Pro」があるので、紛らわしいなぁと。他カテゴリならともかく、UMPC同士で名称が被るってどうなの?
CPU
「A1 Pro」のCPUはRyzen 7040シリーズに属する、Ryzen 7 7840Uです。
Ryzen 7040シリーズはZen4アーキテクチャ+RDNA3アーキテクチャの新設計CPUで、7000シリーズの目玉となるシリーズです。

Ryzen 7 7840U搭載機はまだ出回っておらず情報が薄いのですが、同じRyzen 7040シリーズで同じAMD 780Mを搭載するRyzen 7 7840HSのデータがリークされています。
これをベースに見ていくと、Ryzen 7 7840HSとRyzen 7 6800HXの差が20%。これをRyzen 7 6800Uにあてはめることで、Ryzen 7 7840UのPassMarkスコアは25000程度と予想できます。
ただ、AOKZOEによるCineBench R23の計測だと、4割向上してRyzen 9 6900HXを超えているんですよね。
それを当てはめると29000前後とRyzen 7 7840HSを超えてしまうので、さすがにそこまで伸びないとは思います。
グラフィックについてもRyzen 7 7840HSのデータがあり、GeForce GTX 1650をさくっと上回っています。
TDPが違うのでそのまま当てはめることはできませんが、おそらくはGTX 1650とGTX 1050の中間くらいにはなると思われます。
AOKZOEによる各種ゲームFPS計測値はこんな感じ。
重量級タイトルは1280×800に解像度を落としていますが、設定次第では大体のタイトルで60fps前後を出せるようにはできるようです。
メモリとストレージ
メモリは32GBまたは64GBのLPDDR5-6400。
書き間違いじゃありませんよ?32GB、または64GBです。
噓でしょ?と思いますよね。がじぇっとりっぷもそう思いました。でも本気で64GBモデルが用意されています。
UMPCで64GBを搭載してきたのは多分初めてです。
ストレージは512GBから2TBのGen4 SSD。
資料ではリード7,109MB/s、ライト6,316MB/sとされています。
…YMTC製NANDなSSDが来そうだなぁと思うのは深読みしすぎですかね?
※YMTCは世界で2社しかない232層TLC NANDを製造できる企業の一社(もう一社はMicron)。iPhone向けストレージNANDを受注したものの、納品直前で米国の禁輸対象(エンティティリスト)入り。在庫が大量に積み上がっていて、仕方なく中華SSDメーカーに格安で卸していると言われている。日本でもMonster StorageやHIKISEMIのブランド名で格安で売られている。モノは悪くない模様。
その他
無線LANはWi-fi 6E(082.11ax)対応で、チップはIntel AX210です。Bluetoothは5.2。
バッテリーは65WHr。
電源アダプタは100Wで、満充電まで1時間30分の急速充電に対応します。
外観
記事執筆時点で公開されている画像は少なく、正面画像しかありません。
インターフェースについても資料に記載がなく、不明です。
とはいえ、サイズが「A1」と同じなので、おそらく筐体は「A1」流用と思われます。
とすると、「A1」より貧相なインターフェースにするとは思えないので、おそらく「A1」と同じUSB4×2+USB3.0になるでしょう。
参考までに、「A1」のインターフェースです。
「A1 Pro」のサイズ感はこんな感じ。
がじぇっとりっぷは現在GPD「Win 4」のベンチマークを行っていますが、6インチディスプレイは小さくてつらいので、8インチはいいなぁと思っているところだったり。
カラーは上で表示したクオンタムブルーと、ルナホワイト。
ルナホワイトは画面周りの黒ふちがありませんが、これ本当ですかね?
まとめ
「A1 Pro」の価格は上の画像の通り。799ドル(約109,000円)スタートですが、カード会社でだいたい2%程度のレート上乗せ(両替手数料)があるので、実際は約111,000円くらいからのスタートになります。
最上位の64GB/2TBだと1,159ドル→約161,000円ですね。
早期購⼊者特典として、販売開始96時間以内の購入には「液晶ガラス保護フィルム」と「専⽤ハードケース」が付属します。
…世界初でさらにメモリ64GB積んでこれは安いのでは…?現行品だとメモリ32GBでもこれより高いよ?
今後大量に出てくると思われるRyzen 7 7840U搭載機については、GeekBenchの検索を見る限りでは、GPDはすでにテスト段階に入っているようですが、これはクラムシェル型の「GPD Win Max 3」ではないかと噂されています。
記事執筆時点では配送予定日は明らかになっていませんが、今のところライバルが登場する気配はなし。「世界初で手元に届く」を横からかっ攫われる心配もなさそうです。
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