2023年3月20日、Xunlong Softwareは「Orange Pi 5」のWi-fi内蔵版となる「Orange Pi 5B」を発売しました。
Orange Pi 5:orangepi.org
スペック
■ Orange Pi 5 | |
CPU | Rockchip RK3588S |
---|---|
メモリ | 4~32GB LPDDR4/4x |
ストレージ | 32~256GB eMMC |
インターフェース | USB Type-C(3.0)×1 USB 3.0×1 USB 2.0×2 HDMI 1GbE 有線LAN microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 100×62mm |
モデル名 | Orange Pi 5 |
---|---|
メーカー | Xunlong |
発売日 | 2023/03 |
価格 | 89.9ドル(4GB/32GB) 115ドル(8GB/64GB) 149ドル(16GB/128GB) 169ドル(16GB/256GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3588S (8コア) (2.4GHz A76×4 + 1.8GHz A55×4) |
GPU | Mali-G610 MP4 |
NPU | 6.0TOPS |
メモリー | 4~32GB LPDDR4/4x |
サポートOS | Android 12 Debian 11 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ax |
Bluetooth | 5 |
チップ | YT8531B AP6275P RK806-1 |
ストレージ | microSD 32~256GB eMMC |
USB | 3.0 x 1 3.0 x 1(Type-C) 2.0 x 2 |
GPIO | 26pin x 1 |
映像 | HDMI(2.1 8K/60Hz) MIPI-DSI (4lane) x 2 |
カメラ | MIPI-CSI x 1 MIPI D-PHY x 2 |
オーディオジャック | ○ mic x 1 |
その他インターフェース | UART |
消費電力 | |
電源 | Type-C 5V/4A |
幅 | 100mm |
奥行き | 62mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「Orange Pi 5B」は「Orange Pi 5」のWi-fi・ストレージ内蔵版…というか、当初発表されていた仕様変更前の「Orange Pi 5」がベースですね。
そのままではなく電源がType-Cになるなどの変更が加えられています。
SoC
「Orange Pi 5」のSoCはRockchip社のRK3588S。
フラグシップSoCの世代交代ということで、各社からRK3588/RK3588S搭載ボードの発表が相次いでいて、「Orange Pi 5」もその一つとなります。
がじぇっとりっぷが紹介した中ではFirefly 「ROC-RK3588S-PC」が同じSoCを採用していますね。
RK3588SはRK3588の小型版で、CPU/GPU/NPUはそのままながら、インターフェース周りが簡素化されています。
RK3588S | RK3588 | |
---|---|---|
CPU | Cortex A74 ×4 Cortex A55 ×4 | |
GPU | Mali-G610 MP4 | |
NPU | 6TPOPS | |
メモリ | LPDDR4x/LPDDR4/LPDDR5 最大32GB | |
映像出力 | HDMI 2.1/eDP ×1 DisplayPort ×1 MIPI DSI ×2 | HDMI 2.1/eDP ×2 DisplayPort ×2 MIPI DSI ×2 |
映像入力 | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP HDMI-IN (4K/60Hz) |
ネットワーク | 1GbE ×1 | 1GbE ×2 |
USB | USB3.1 Gen1(OTG) ×1 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (HOST) ×2 | USB3.1 Gen1(OTG) ×2 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (OTG) ×2 |
PCIe | – | PCIe 3.0 x4 |
Combo PIPE | 2ポート | 3ポート |
低速I/O | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC CAN bus ×3 | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC |
サイズ | 17×17mm | 21.45×21.45mm |
性能についてはレビュー中の「Orange Pi 5」のデータだと、GeekBench5では2600点オーバー。近いのはPentium N6005やCore i3-1115G4です。
旧世代のSBCでよく使われていたRK3399(約700点)比だと、ざっと3.7倍です。
参考 RK3588S データシート:CNS Software ※PDF
メモリとストレージ
メモリは4~32GBのLPDDR4/4x。規格が定まっていないのは、容量によって違うものと思われます。
現状では市販されているのは16GBまでなので、32GBは直接問い合わせのカスタムになるものと思われます。
ストレージは32GB~256GBのeMMC。
市販品だと4GB/32GB、8GB/64GB、16GB/128GB、そして16GB/256GBの組み合わせが販売されています。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6)対応で、モジュールはSparkLAN AP6275P、チップはBroadcom BCM43752です。
内部接続はPCIeで、転送速度は1.2Gbpsです。
有線LANは1GbEでチップはMotorcommのYT8531Cが使われています。
参考 YT8531C データシート:Motorcomm
※Motorcomm(裕太微电子):2017年に設立した、上海は張江ハイテクパークに拠点を置く、中国国内で唯一PHYチップを量産しているベンチャーメーカー。
ちなみに「Orange Pi」シリーズは公式のサポートがかなり頑張っていて、OSだけでもDebian、Ubuntu、Androidに加えてLinuxベースの「Orange Pi OS(arch)」、デスクトップUIを備えたAndroidベースの「Orange Pi OS(Droid)」の他、インストール用ツールが用意されています。
外観
インターフェースです。
eMMCと無線LANチップが付いた代わりに、「Orange Pi 5」にはあった背面のM.2 SSDスロット(PCIe2.0 x1接続)はなくなりました。
ポート類が見やすい角度。
縦2段のUSBポートは、両方青ですが上がUSB3.0、下がUSB2.0となっています。「Orange Pi 5」も同じ仕様なのですが、紛らわしい…
まとめ
「Orange Pi 5B」の価格は以下の通り
4GB/32GB:89.9ドル (約12,500円)
8GB/64GB:115ドル (約16,000円)
16GB/128GB:149ドル (約21,000円)
16GB/256GB:169ドル (約23,500円) ※執筆時点で売り切れ
参考までに、「Orange Pi 5」の価格はこんな感じ
4GB:75ドル (約10,500円)
8GB:90ドル (約12,500円)
16GB:120ドル (約18,000円)
主にeMMCチップが差額(Wi-fiチップは1ドル以下)と考えれば妥当なところですね。16GB/128GBは容量のわりに差額が小さめです。
電源(5V/4A)がセットになったモデルもありますが、PSEマークがないようです。
WI-fiもおそらく技適はありませんし、日本で使うなら「Orange Pi 5」にM.2 SSDを追加したほうがよさそうです。
関連リンク
Orange Pi 5B:orangepi.org
Orange Pi 5B (16GB/128GB):AliExpress
コメント