2024年2月26日、Lenovoはスペインで開催された「MWC 2024」内でCore Ultra Series 1 (コードネーム:Meteor Lake)を搭載したキーボード着脱型の2-in-1 PC「ThinkPad X12 Detachable Gen 2」を発表(国内での正式発表は3月26日)、5月に発売しました。
スペック
■ ThinkPad X12 Detachable Gen 2 | |
CPU | Core Ultra 7 164U Core Ultra 5 134U |
---|---|
メモリ | 16~32GB LPDDR5X-7500 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 12.3インチ IPS FHD+ |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×1 USB Type-C(Gen2)×1 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.3 |
バッテリー | 42WHr |
サイズ | 283.3×203.5×8.8mm (本体のみ) 283.3×217.8×14.5mm (キーボード込) |
重さ | 0.76kg (本体のみ) 1.1kg (キーボード込) |
特徴
「ThinkPad X12 Detachable Gen 2」は2021年以来3年ぶりとなるデタッチャブルノートです。
先代(初代)はCore i7-1160G7やCore i5-1130G7など、第11世代の省電力モデルを搭載していました。
中身はともかく、筐体サイズやインターフェースは同じで、ヒンジ構造なども同じであることからすると、ガワは先代からの流用と思われます。
新規に金型を起こす費用をケチったというよりは、先代の完成度が十分に高いことと、3年ぶりということで買い替え需要も予想されるため、下手に変えないほうがいいという判断なのでしょう。
CPU
「ThinkPad X12 Detachable Gen 2」のCPUは、Core Ultra Series 1よりCore Ultra 7 164UまたはCore Ultra 5 134U。
TDPが9~30Wと低いCPUです。
Core Ultra 7 164UとCore Ultra 5 134Uはサンプル数が少なく(Core Ultra 5 134Uにいたっては1件のみ)、あくまで参考程度になります。
TDPが低い分性能も控えめですが、12コア14スレッド(2P8E2LPE)という点には変わりないため、最低限の性能は確保されています。
グラフィックはデータがありませんが、Core Ultra 7 155Uなどと同じ4Xeコアなので、155UのスコアよりTDPの差だけ落ち込む程度と思われます。
メモリとストレージ
メモリは16GB LPDDR5X-7500。オンボードで後からの増設はできませんが、カスタマイズで32GBに変更できます。
ストレージは256GBから1TBまでのM.2 Gen4 SSD。先代はGen3 SSDだったので、地味にアップデートされています。
2242サイズで、TLC NANDであることが明記されています。
その他
無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)、Bluetoothはv5.3。チップはIntel AX211です。
有線LANはありません。
オプションで4G/LTEに対応させることができます。NFEもオプションで選べるはずですが、カスタマイズ項目にないので国内では非搭載になりそう。
バッテリーは4セルの42WHrで、動作時間は動画再生時で10.2時間、アイドル時は19.2時間(JEITA3.0)。
電源アダプタは標準だと45Wですが、カスタマイズで65Wに変更可能。
外観
本体です。キーボードも付属します。
ディスプレイはアスペクト比3:2の12.3インチ1920×1280。
輝度最大400nitsの省電力パネルでマルチタッチ対応、表面はゴリラガラス3、反射防止/汚れ防止コーティングがされています。
…先代はゴリラガラス5なんだけど、なぜか古くなっています。でも特に理由は書かれていないんですよね…
本体背面はMicrosoft Surfaceシリーズのように、下半分全体がスタンドとなっています。
また、タブレットスタイルなので背面にもカメラ(800万画素)がついています。
なお、フロントカメラは500万画素+赤外線(IRカメラ)です。
2.ボリュームボタン
3.セキュリティ キーホール
4.マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
6.Nano SIMカードスロット(カスタマイズ)
7.USB 3.2 Gen2 Type-C (Video-out 対応)
インターフェースは先代(初代)と全く同じ。タブレットならありそうなカードリーダーもありません。
Type-CはUSB4+USB3.2 Gen2です。両方USB4みたいなアップデートもありません。
スタイラスペン(別売り)も対応。
使えるのはLenovo「Precision Pen」または「デジタルペン 2」で、どちらも筆圧4096段階に対応しています。
まとめ
「ThinkPad X12 Detachable Gen 2」の価格は記事執筆時点で218,823円から。
ライバル(2023年以降発売機種)にはMINISFORUM「V3 3in1」がいて、Ryzen 7 8840Uを搭載。こちらも20万弱と価格は近いですが、リフレッシュレート165Hzの14インチ2560×1600や映像入力、デュアルUSB4など、仕様が豪華です。
昨年はDELLが「XPS 13 2-in-1」を出していましたが、3月に終売。
Core Ultra 7 165U/5 135Uを搭載するMicrosoft「Surface Pro 10」は法人向けのみのラインナップ。
コンシューマ向けはSnapdragon X Elite/Plusを搭載した「新しいSurface Pro」となり、大半のユーザーは当面様子見となるでしょう。
ASUS「ROG Flow Z13」はdGPUを搭載するハイエンドモデルで、価格も30万オーバーと購買層が違います。
つまり現状の選択肢はIntel系の「ThinkPad X12 Detachable Gen 2」、AMD系の「V3 3in1」に絞られます。
少ないパイの奪い合いだったタブレットPC界隈で、ここまでライバルが少ないタイミングもそうそうありません。これを機にニッチな層以外にも広がるといいのですが…
なお、2022年発売まで広げると、「IdeaPad Duet 570i」や富士通「FMV LOOX」などもあります。
コメント