Beelink「EQi12」は、第12世代Coreプロセッサーを搭載する、電源内蔵のミニPCです。
メモリこそオンボード24GBで固定ですが、最も廉価なCore i3-1220Pモデルは4万円台、セール時には3万円台になることもあります。

Core i3と言えば以前(第8世代~第11世代)は2コア4スレッドのしょぼい奴という位置づけでしたが、第12世代以降のCore i3は実はかなりパワフルになっていて、Core i3-1215Uは6コア8スレッド(2P4E)、Core i3-1220Pに至っては10コア12スレッド(2P8E)と、とんでもなくパワーアップしています。
とはいえ第12世代以降のCore i3を搭載するPCは少なく、当ブログでも未検証。
そんな気になっていた第12世代Core i3を搭載するミニPCが出たということで、実際に買って、検証してみました。
Beelink EQi12

| ■ Beelink EQi12 | |
| CPU | Core i7-12650H Core i5-12450H Core i3-1220P |
|---|---|
| メモリ | 24GB LPDDR5-5200 |
| ストレージ | 500GB~1TB NVMe SSD |
| インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB3.2 Gen2×3 USB2.0×1 HDMI×2 1GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
| サイズ | 126×126×44.2mm |
| 重さ | 520g |
GoodPoint
✔ CPU性能が異様に高い
✔ 電源内蔵ですっきり
✔ M.2 2280 SSD×2スロット
✔ めっちゃ静か
BadPoint
✖ グラフィック性能はしょぼい
✖ USB4/TB4は非対応
✖ ボリュームライセンス
パッケージ

・電源ケーブル
・HDMIケーブル
・マニュアル
・保証案内
・附則
「EQi12」は電源内蔵のため、電源アダプタがなく、電源ケーブルのみです。
「EQi12」のインターフェース

・USB3.2 Gen2
・オーディオジャック
・USB3.2 Gen2 Type-C
・電源ボタン
・USB3.2 Gen2×2
・USB 2.0×1
・HDMI 2.0×2
・1GbE 有線LAN×2
・電源端子
「EQi12」の内部

内部はM.2 SSD(2280)が2スロット、Wi-fiカード、右側に電源ユニット。
メモリはオンボードでCPU側に実装されています。
またフロントサイド(画面下側)のボードが分離していて、CPU側との隙間を多く開けてエアフローを確保しているのがポイントです。
「EQi12」のパフォーマンス
「EQi12」の搭載CPUはCore i3-1220Pで8コア10スレッド(2P8E)です。
総合
PassMark 11

PassMarkスコアは公式平均がシングル3390、マルチ14526なので、「EQi12」のスコアはかなり高め。
上位モデルのCore i5-12450Hの公式平均とほぼ同じスコアになっています。
CrystalMark Retro

CrystalMark Retroはデータを蓄積している段階ですが、CPU性能はシングル/マルチともにCore i5-1335Uのちょっと下くらいでした。
CPU
上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド
CPU性能はCore i3なのにやたらと高く、Core i5-1235Uをさらっと抜いています。
TDPの差(Core i3-1220Pは28W、Core i5-1235Uは15W)があるとはいえ、同じ第12世代なのにCore i3がCore i5を上回っているというのは結構衝撃的。
2コアですがPコアも持っているので、シングルスレッド性能も引けを取らず。
思っていた以上にヤベーCPUだな、Core i3-1220P…
GPU
Core i3-1220Pのグラフィックは、UHD Graphics(64EU)。Core i5-1235U(同80EU)の8割のEU数で、スコアもだいたい8割となっています。
単なる4K表示程度であれば問題ありませんが、ゲームは厳しいです。
ストレージ

「EQi12」のストレージはCrucial P3シリーズのCT500P3SSD8。
容量500GBのGen3 SSDで、速度はリード3,500MB/s、ライト1,900MB/sとされています。

実際の計測では、リードはほぼ仕様通りの3,498MB/s。ライトはなぜか大幅にオーバーした3,114MB/s。
「P3」シリーズは1TB以上のモデルはライト3,000MB/sなのですが…500GBも3,000MB/sになったの?
上の内部画像で見たように、「EQi12」はデュアルM.2 SSDです。

というわけで、実際に計測。使用したのはTeam「MP44(2TB)」(リード:7,400MB/s、ライト:6,400MB/s)です。


リード7,035MB/s、ライト6,606MB/sでした。Intel系環境の制限(7,000MB/s強で頭打ち)でリードがやや足りないものの、ばっちり速度が出ています。
これ以上の速度を突き詰めるなら、デスクトップCPUとCPU直結スロットを使って計測する必要があるでしょう。
外観
パッケージ

外箱は比較的シンプル。

底面にはスペックラベルが張られています。

再掲ですがパッケージ内容。
付属品

電源ケーブルとHDMIケーブル。
HDMIケーブルもデザインカラーに合わせたグレーになっていて、こだわりを感じます。

日本市場で長くやっているBeelinkだけあって、画像も交えながら丁寧に説明しています。

そして長くやっているはずなのに、まだ中華フォントが残っています。
「放置すると世界的にこれが”正しい日本語の漢字”と思われるようになる」という意見を見てからは、がじぇっとりっぷでは中華フォントについては指摘することにしています。
といっても、「作成したPCでは日本語フォントだったんだけど、印刷所のPCに日本語フォントが入ってなくて…」みたいな事例もあるようです。

附則。
Powered USB(電源オフでも通電)の設定ができるよってことが書かれています。
筐体

インターフェースは結構みっちり。
USBが全部黒端子なので区別がつきませんが、HDMIの隣の1ポートのみUSB2.0です。
これ、せめて刻印で分かるようにして欲しいなぁ…

左右は何もありません。

底面が吸気口となっています。
左下に、蓋を開けるときにつまむベロが付いています。
何気にこういう小さな気遣いはありがたいですね。

重さは本体が約513g、電源ケーブル込みで600g。
電源ユニット込みで513gは、結構軽いです。
内部構造

ねじはゴムで隠されています。

開けたところ。
特にファンとかはないので、前述のベロをつまんで、ガパッと開けます。

内部全景。

右側の電源ユニットは19V/4.47A(=84.93W)の出力です。

SSDヒートシンクを外すと、デュアルM.2 SSDスロットがお目見え。

このヒートシンク、熱伝導シートがコントローラ部にしかなく、変なところでケチっています。

M.2スロットが並んでいるので、分かりやすくラベルが貼られています。

前述の通り、フロント側はボードが分離していて、メインボードは隙間を多くとっています。

SSDはグラフェンシートなども貼っていません。
しかし…1チップデザインなんだなぁ…
P3 Plusシリーズの500GBモデルと1TBモデルの設計が変わって、Micron製 232層 3D TLC NANDの1チップ仕様になったことは知っていましたが、P3シリーズでも同様になったぽいですね。
もしかしてこの設計変更のタイミングで500GBモデルも速度が上がったのかも。

SSDの表裏。

おまけ。
「EQi12」はデュアルM.2 SSDスロットですが、スロット間にひーどシンクのねじ止めをするスペーサーがあり、ヒートシンク付きSSDは干渉して取り付けることができませんでした。
いや、標準のヒートシンクがあるんだから外してつけろって話ではありますが。
システム
起動前

UEFIはBIOSスタイル。

メモリは3GB×8。

ファンの速度は結構細かく設定できます。
システム情報

デスクトップはいたって普通。プリインストールアプリもありません。

ライセンスは”VOLUME_MAK”、ボリュームライセンスでした。
こういうところが中華しぐさとか言われるんですよね…
実運用する場合はクリーンインストールでOEMライセンスに変更する必要があります。

Core i3だけど12スレッドが並ぶタスクマネージャー。歴が長い人ほど違和感を覚えそう。

GPUは最大12GBまで割り当て可能。

HWiNFOでみるシステム情報。

CPU詳細。TDPは28W、PL1/PL2は35Wに設定されています。
ゲームベンチマーク
レビュー機のスペック
レビュー機のスペックは以下の通り。
| CPU | Core i3-1220P |
|---|---|
| グラフィック | 12th UHD Graphics(64EU) |
| メモリ | 3GB×8 |
| ストレージ | 500GB Gen3 SSD |
[中量級] Street Fighter VI


2023年6月に発売し、全世界で400万本(2024年9月時点)を売り上げたストリートファイター6。
最低レベルでも37FPSなので、プレイは実質付加。

なお、設定NORMAL以上はエラーで実行できず。
[中量級] FF XIV 暁月の終焉

| 設定 | スコア | FPS | 評価 |
|---|---|---|---|
| 1920×1080 最高品質 | 2177 | 14.23 fps | 設定変更 |
| 1920×1080 高品質 | 3047 | 20.95 fps | 設定変更 |
| 1920×1080 標準 | 4102 | 28.63 fps | 普通 |
| 1280×720 高品質 | 5472 | 38.70 fps | 普通 |
| 1280×720 標準 | 6823 | 49.27 fps | やや快適 |
中量級タイトルでは、設定次第ではFHD(1080p)でも30FPS前後でプレイできますが、さすがに厳しいものがあります。
[重量級] FF XV Windowsエディション

| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 1920×1080 高品質 | 951 | 動作困難 |
| 1920×1080 標準品質 | 1390 | 動作困難 |
| 1920×1080 軽量品質 | 1752 | 動作困難 |
| 1280×720 標準品質 | 2052 | 重い |
| 1280×720 軽量品質 | 2546 | やや重い |
重量級タイトルはさすがに無理。
それでも、2020年発売のGPD「WIN Max(初代)」(Core i5-1035G7)より高いスコアを出しているあたり、時代の進化を感じます。
消費電力・稼働時間・騒音・温度
消費電力

| アイドル時 | 7.8~8.1W |
|---|---|
| 画面オフ時 | 7.4~7.8W |
| スリープ時 | 0.5W |
| CINEBENCH(S) | 28.3W |
| CINEBENCH(M) | 61.7W |
| 最大 | 62.4W |
「EQi12」の消費電力は最大で62.4Wと、電源ユニット(85W)の出力内に余裕で収まっています。
ただ特段にワットパフォーマンスに優れているかと言われればそうでもなく、例えばGEEKOM「A7」(Ryzen 9 7940HS)は1.5倍弱の最大90Wで、ベンチマークスコアは1.8倍程度を出しています。
騒音

| 状況 | 音量 |
|---|---|
| 電源オフ | 35.0dB |
| アイドル | 35.1dB |
| 最大 | 36.1dB |
| 最大(背面) | 37.1dB |
| 騒音レベル[dB] | 音の大きさのめやす | 自室内の聞き騒音 | |
|---|---|---|---|
| うるさい | 70 | 掃除機 騒々しい街頭 |
非常にうるさい |
| 60 | 普通の会話・チャイム 時速40キロの自動車の内部 |
非常に大きく聞こえうるさい 声を大きくすれば会話ができる |
|
| 普通 | 50 | エアコンの室外機 静かな事務所 |
大きく聞こえる 通常の会話は可能 |
| 40 | 深夜の市内 図書館 |
多少大きく聞こえる 通常の会話は十分に可能 |
|
| 静か | 30 | ささやき声 深夜の郊外 |
非常に小さく聞こえる |
| 20 | ささやき 木の葉のふれあう音 |
ほとんど聞こえない | |
「EQi12」の動作音はとても静か。
アイドル時でもファンは回っています(1200RPM前後)が、10cm程度の距離まで耳を近づけないと、音が聞こえません。
高負荷時でもファンは1900RPM弱、動作音は多少聞こえるようになりますが、耳障りな高周波音もなく、3mも離れれば聞こえなくなります。
静まった深夜でこれなので、昼間はベンチマークをしていても実質音が聞こえない状態でした。
温度


CPU温度は最大で80℃。
ハイエンドCPUほど性能が高くなく、消費電力も控えめなので発熱も少ないです。
まとめ
「EQi12(i3-1220P)」の記事執筆時点での価格は40,800円。セール時には39,800円前後と、4万円を切ることもしばしばあります。
上位モデルのCore i5-12450Hモデルは、セール時は4.7万円前後。
同価格帯だとRyzen 7 5700U搭載ミニPCがありますが、CPUの性能差は1割程度。
「EQi12」であればデュアルGen4 SSDに対応していたり(Ryzen 5000UシリーズはGen3 SSDまで)、静音だったり(Ryzen 7 5700U搭載ミニPCはレビューでもファン騒音に言及されることが多い)、電源内蔵だったりと、こちらを選ぶメリットも十分にあります。
ボリュームライセンスな点はいただけませんし、ハイエンド機ではないので2.5GbEもUSB4/Thunderbolt4もありませんが、ライトユース層の日常機としてはいいんじゃないでしょうか。
関連リンク
付録
ベンチマーク結果一覧
| モデル名 | EQ12i | |
|---|---|---|
| CPU | Core i3-1220P | |
| GPU | UHD Graphics | |
| メモリ | 3GB×8 | |
| ストレージ | 500GB Gen3 | |
| PassMark 9 | Total | 5179.5 |
| CPU Single | 3418 | |
| CPU Multi | 17341.4 | |
| 2D | 906.5 | |
| 3D | 2128.6 | |
| Memory | 2319.5 | |
| Disk | 14446.9 | |
| PassMark 11 | Total | 3164.9 |
| CPU Single | 3525 | |
| CPU Multi | 16552.9 | |
| 2D | 383 | |
| 3D | 1981.5 | |
| Memory | 2177.7 | |
| Disk | 28135.2 | |
| 3DMark | TimeSpy | 977 |
| Graphics | 854 | |
| CPU | 5365 | |
| FireStrike | 2536 | |
| Graphics | 2805 | |
| Phisics | 16801 | |
| Combined | 848 | |
| NightRaid | 10605 | |
| Grapihics | 11122 | |
| CPU | 8395 | |
| WildLife | 6719 | |
| Graphics | 40.24 fps | |
| SteelNomad | 91 | |
| Graphics | 0.92 fps | |
| SteelNomadLight | 639 | |
| Graphics | 4.74 fps | |
| CINEBENCH R15 | OpenGL | 76.39 fps |
| CPU(M) | 1346 cb | |
| CPU(S) | 214 cb | |
| CINEBENCH R20 | CPU(M) | 3276 pts |
| CPU(S) | 583 pts | |
| CINEBENCH R23 | CPU(M) | 8964 pts |
| CPU(S) | 1543 pts | |
| CPU-Z | Single | 616.2 |
| Multi | 3907.7 | |
| CrystalMark | Mark | 588027 |
| ALU | 222703 | |
| FPU | 109981 | |
| MEM | 121304 | |
| HDD | 89849 | |
| GDI | 21802 | |
| D2D | 4210 | |
| OGL | 18178 | |
| CrystalMark Retro | All | 8583 |
| CPU-Single | 10556 | |
| CPU-Multi | 72227 | |
| 2D-text | 8836 | |
| 2D-square | 13892 | |
| 2D-circle | 11065 | |
| 2D-image | 18396 | |
| 3D-scene1 | 1282 | |
| 3D-scene2 | 711 | |
| 3D-scene1-CPU | 151 | |
| 3D-scene2-CPU | 136 | |
| GeekBench4 | Single | 6605 |
| Multi | 25587 | |
| OpenCL | 34094 | |
| OpenCL(dGPU) | – | |
| GeekBench5 | Single | 1409 |
| Multi | 6218 | |
| OpenCL | 9677 | |
| OpenCL(dGPU) | – | |
| GeekBench6 | Single | 2048 |
| Multi | 6511 | |
| OpenCL | 8979 | |
| OpenCL(dGPU) | – | |
| PCMark | ALL | 4856 |
| Essensial | 9050 | |
| Productivity | 6665 | |
| DigitalContent | 5154 | |
| VR Mark | 1311 | |
| DQ(DX9) | 1920・最高 | 8969 とても快適 |
| 1280・標準 | 11651 すごく快適 |
|
| FF XIV(DX11) 暁月の終焉 |
1920・最高 | 2117 設定変更 14.23 fps |
| 1920・高 | 3047 設定変更 20.95 fps |
|
| 1920・標準 | 4102 普通 28.63 fps |
|
| 1280・高 | 5472 普通 38.70 fps |
|
| 1280・標準 | 6823 やや快適 49.27 fps |
|
| FF XIV(DX11) 黄金の遺産 |
1920・最高 | 1428 設定変更 9.64 fps |
| 1920・高 | 3141 設定変更 21.93 fps |
|
| 1920・標準 | 3410 設定変更 23.54 fps |
|
| 1280・高 | 5155 普通 37.66 fps |
|
| 1280・標準 | 5710 普通 41.27 fps |
|
| FF XV(DX11) | 1920・高 | 951 動作困難 |
| 1920・標準 | 1390 動作困難 |
|
| 1920・軽量 | 1752 動作困難 |
|
| 1280・標準 | 2052 重い |
|
| 1280・軽量 | 2546 やや重い |
|
| ブラウザ | jetstream2 | 252.484 |
| BaseMark | 1099.9 | |
| WebXPRT4 | 248 | |
| MotionMark | 1459.58 | |
| SpeedMeter2.0 | 316 | |
| SpeedMeter3.0 | 20.5 | |
| octane | 76489 | |
ベンチマーク結果画像



































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