2021年5月14日、ASUSTeK Computer(ASUS)はJasper Lake世代のCeleron/Pentiumを搭載するミニデスクトップ型PCおよびベアボーン「PN41」を発表しました。
ただし台湾での発表であり、記事執筆時点では国内発表は行われていません。
この「PN41」、その後の音沙汰がなかったのですが、いつの間にか米Amazonなどで販売されていて価格も判明したので、日本でも発表しないかなぁと期待を込めて記事にしました。
スペック
■ASUS PN41 | |
CPU | Pentium Silver N6000 Celeron N5100 Celeron N4500 etc |
---|---|
メモリ | DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2 NVMe×1 2.5インチ×1 |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×3 HDMI 2.5GbE 有線LAN 拡張ポート オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax/ac+BT5.0 |
サイズ | 115×115×49mm |
重さ | 0.7kg |
特徴
「PN41」は2018年に発表された、Gemini Lake世代のCeleron N4000などを搭載した「PN40」の後継機種に当たります。まぁ結局「PN40」は国内発売されませんでしたが。
ASUSはNUC型PCでは一貫して115×115×49mmというサイズで作り続けていて、「PN41」もそのサイズとなっています。
過去の設計資産を活かしやすく、コストを下げることにつながるのでしょう。
ただインターフェースも同じような配置にしているので見た目から形式を判断しづらいのが難点です。
CPU
「PN41」のCPUはJasper Lake世代のCeleronおよびPentiumです。仕様表の上では以下の6プロセッサが記載されています。
・Pentium Silver N6005
・Pentium Silver N6000
・Celeron N5105
・Celeron N5100
・Celeron N4505
・Celeron N4500
このうち、現在販売が確認されているのはN4500とN5100の二種類です。
メモリとストレージ
メモリはSO-DIMM 2スロットでDDR4-3200に対応、完成モデルでは4GBまたは8GB搭載となります。
ストレージはM.2 NVMe SSD+2.5インチのデュアルストレージに対応。
64/128GB eMMC搭載モデルもあり、香港での販売を確認しています。
参考 Asus PN41 N54G128PRO/EP:TerminalHK
その他
無線LANはモデルによって802.11ac(Wi-fi 5)と802.11ax(Wi-fi 6)があり、ベアボーンモデルはWi-fi 6を内蔵します。
有線LANは2.5GbE。
ASUSも割と積極的に2.5GbEを推している印象がありますが、安価なエントリーモデルにも導入するようになったんだなぁと時代の移り変わりを感じます。
「PN41」をはじめとするミニPCでASUSが力を入れているのが静音性。
BIOSで設定できる静音モードでは回転数を60%にまで抑え込みます。
外観
インターフェースです。
USBは計4ポート、赤外線センサーとmicroSDスロットはオプションです。
拡張ポートはDisplayPort、VGA、COM(シリアルポート)、LANポートなどがありますが、だいたいは販売時点で決まっているので選択はできません。
そんな中、製品ページの画像一覧に気になるものが…
稲妻マークってことは、Thunderbolt 3/4ですよね…?
Jasper LakeはPCIeを8レーン持っています。なので、2.5GbE(1レーン)+M.2 NVMe(2レーン)+TB 3/4(4レーン)ということであれば対応できなくはなさそうですが、Thunderboltコントローラーチップも必要ですし、さすがに誤掲載の可能性の方が高いと思います。
背面のType-C端子はDisplayPort出力+USB PDに対応しているます。
合成感あふれる画像が怪しさ爆発ですが、↓のようなPD給電対応ディスプレイと接続すれば、ケーブル一本で動かすことが可能です。
内部構造。
構造的には旧来のミニPCシリーズと変わりませんが、M.2 SSDに金属カバーが付きました。
この辺りは「PN50」のレビュー記事が参考になると思います。
パッケージについても特に変更は見られません。
まとめ
「PN41」は2.5GbEだったりUSB PD対応だったりと2021年のミニPCらしい仕上がりになっています。
「PN41」の現在販売が確認されている範囲では、価格は以下のようになっています。
・N4500(ベアボーン):169ドル(約19,200円)(米Amazon)
・N5100(ベアボーン):215ドル(約24,500円)(米Amazon)
・N4500(8GB/1TB NVMe/Win10 Pro):459.99ドル(約52,400円)(米ウォルマート)
・N5100(4GB/128GB eMMC/Win10 Pro):3299香港ドル(約48,300円)(TerminalHK)
なお、米Amazonから日本に個人輸入する場合、送料が40~50ドルかかります。
ウォルマートの1TB SSDはインパクトがありますが、考えてみたら1TB SSDって今だと1.2万円くらいからあるので、そんなにすごい話じゃなくなっているんですよね。
問題は国内展開があるかどうかですが…ベアボーンの価格的には割と安めですし、技適などの費用まで考えるとペイできるかは怪しいところです。
そもそもミニPC関連を見ている限りだと、Celeron/Pentium系は完成品で3万円未満が相場という扱いを受けています。
ASUSがその価格で出してくれば売れそうですが…さすがに厳しいんじゃないかなぁと。
Celeron N4000搭載の「PB40」といったCeleronミニPCの国内投入の前例はあるものの、あまり期待はできない気がします。
関連リンク
ASUS PN41:ASUS
ASUS PN41(N4500、ベアボーン):米Amazon
ASUS PN41(N5100、ベアボーン):米Amazon
ASUS PN41(N4500、完成品):米ウォルマート
ASUS PN41(N5100、完成品):TerminalHK
コメント