SBC(シングルボードコンピューター)メーカーであるLibre Computerが、Rockchip社のRK3399を搭載した「Renegade Elite」について、7月からクラウドファンディングサイトのIndiegogoで出資を募ることを発表しました。
2018年7月14日追記:2018年7月12日にIndiegogoでの募集が開始されました。価格はケース込みで99ドルです。
スペック
model | Renegade Elite |
メーカー | Libre Computer Project |
発売日 | 2018/07 |
価格 | 99ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (2GHz A72 x2 + 1.5GHz A53 x4) |
GPU | Mali-T860 MP4 |
メモリー | 4GB LPDDR4 |
サポートOS | Linux 4.19+ Linux Rockchip 4.4 Android 8.0 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | x |
Bluetooth | x |
チップ | |
ストレージ | 128MB SPI NOR microSD eMMC5.0ソケット |
USB | 3.0 x 1(Type-C.PD) 3.0 x 1(Type-C) 2.0 x 3 |
GPIO | 60pin x 1(PCIe) 60pin x 1 |
映像 | HDMI(2.0) eDP MIPI DSI |
カメラ | MIPI CSI x 2 |
オーディオジャック | x |
その他インターフェース | IR Receiver UART |
消費電力 | |
電源 | |
幅 | 122mm(推定) |
奥行き | 73mm(推定) |
高さ | 12mm(推定) |
その他 |
※サイズについてはRK3399チップとのサイズ比から推定となります。
特徴
Libre ComputerはRK3328と1GBメモリを搭載して35ドルで発売している「Renegade」というSBCがあり、がじぇっとりっぷでも紹介しています。
今回発表された「Renegade Elite」はその上位版に位置づけられます。
ちょうど、「Rock64」と「RockPro64」と同じ関係ですね。
現状はプレ発表ともいうべき状態で、情報も限られているのですが、どうやら電源がUSB PDのようです。
これまで発表・発売されてきたRK3399搭載SBCはどれも、電源入力が12Vということもあって電源アダプタが問題となっており(邪魔になるようなのしかないので)、USB PDに対応してくれたらいいなぁと願っていましたが、ついに実現しました。
公開されている画像も少ないのですが、表裏がわかる画像はしっかりと公開されています。
見てわかる大きな特徴として、RaspberryPiスタイルの40pinGPIOヘッダではなく、60pinのヘッダを2つ備えています。片方はLow Speed HeaderでGPIOに相当しますが、もう片方はPCIe拡張ヘッダとなっています。
ピンヘッダでの提供は初めて見ましたし、海外の紹介ブログでもスルーされており、使いこなすのは相当難しそうです。
Wi-fi/BTはないようです。基板上にもそれらしきチップは載っていません。
もうひとつ、すごく地味ですが、LANポートが基盤にめり込むような形になっています。LANポートの端子部分だけ切り取って、はめ込んでいるのだと思います。
これまで見てきたSBCって、基盤の上にLANポートが乗っかっていたため、基盤の厚み+端子の厚み+裏面の端子分の高さが、高さの最低値となっていたのが、この方式を取ることで、最低値がLANポートの端子の厚みだけとなりました。
LANポート端子自体も薄型のものを使っているようなので、おそらく厚みは12mm程度になると思われます。
RaspberryPi 3が17mmなので、30%ほどの薄型化ですね。
ヒートシンクをつけてしまうとあまり関係なくなってしまうところですが、こういう試みは面白いと思います。
まとめ
RK3399搭載SBCについては、メモリ供給の問題から「ODROID-N1」が開発を断念したニュースがあったばかりのため、「Renegade Elite」が発表されたことは純粋に喜ばしく思います。
クレカサイズよりはふたまわりほど大きめながらUSB3.0はType-Cが2つ(片方はUSB PD対応)、Type-AはUSB2.0ながら3つありと拡張性は確保されており、使い勝手自体は(USB3.0の分)RaspberryPiよりはいいんじゃないかと思います。
60pinヘッダは玄人向けになりそうですが、高速なPCIeだけあって、使いこなせれば面白そうではあります。
現時点で価格は公開されておらず、7月にIndiegogoで公開される予定です。また、8月には一般提供(general availability)となっているため、すでに量産に入っていると思われます。
ほんの数週間ですが、待ち遠しいですね。
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