2018年8月7日、IntelのプラチナパートナーでNUCに特化したECサイトのSimplyNUCに、Cannon LakeとRadeon 540を搭載した「NUC8i3CYSM」「NUC8i3CYSN」の2製品が登場しました。
NUCの世代としては”Crimson Canyon”となります。
2018年12月11日追記:2018年12月6日、国内で完成品(BOXNUC8i3CYSM)の販売が開始されました→販売ページ
スペック
「NUC8i3CYSM」と「NUC8i3CYSN」との違いはメモリが8GBか4GBかだけなので、「NUC8i3CYSM」のスペックのみを記載します。
メーカー | Intel |
型番 | NUC8i3CYSM |
価格 | 574ドル |
発売日 | 2018/08 |
幅 | 117mm |
奥行き | 112mm |
高さ | 52mm |
容量 | 0.68L |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Core i3-8121U |
CPU世代 | Cannon Lake |
Passmark値 | |
ベース周波数 | 2.2GHz |
バースト周波数 | 3.2GHz |
グラフィックチップ | Radeon 540(2GB) |
コア/スレッド数 | 2C/4T |
TDP | 15W |
チップセット | |
メモリ | 8GB LPDDR4-2666 |
メモリスロット | × |
メモリ最大 | – |
ストレージ | 1TB HDD |
SATAポート数 | 1 |
M.2 | 1 |
mSATA | – |
USB2.0(内部) | 2 |
USB2.0(外部) | – |
USB3.0(内部) | – |
USB3.0(外部) | Front x 2(Gen1) Rear x 2(Gen1) |
USB type-C | – |
SDカード | Side (SDXC) |
LAN | Rear 1Gb x 1 Intel i219-V |
Wi-fi | 802.11ac(2×2) Intel AC-9560 |
Bluetooth | 5.0 |
D-Sub | – |
DVI | – |
HDMI | Rear x 1(2.0) |
4K対応(HDMI) | 4K/60Hz |
DisplayPort | – |
4K対応(DP) | – |
シリアルポート | – |
S/PDIF | – |
オーディオジャック | Front x 1 |
サウンドチップ | – |
光学ドライブ | – |
PCI-Eスロット | – |
eSATA | – |
赤外線 | ○ |
Optaneメモリ対応 | – |
最大消費電力 | |
電源 | 90W / 19V |
ノイズレベル | |
VESA | 75mm,100mm |
付属品 | VESAマウントキット |
その他 | 3年保証 |
特徴
「NUC8i3CYSM/NUC8i3CYSN」は”Cannon Lake”アーキテクチャを採用した「Core i3-8121U」を搭載しています。
「Core i3-8121U」の存在自体は2018年5月にIntel ARKで公表されており、中国のECサイトでこのCPUを搭載したLenovo「IdeaPad 330-15ICN」が(公表前から)発売されています。
“Cannon Lake”は10nmプロセスで製造される現状唯一のCPUとなります(ノートPCで使われるCore i5-8250Uなどは14nmプロセス)。
この10nmプロセスCPUは、2017年には登場する予定でしたが、開発の遅れにより2018年にずれ込んでいました。
このずれ込みの最大の原因は内蔵GPUにあると噂されており、「Core i3-8121U」は内蔵GPUをなしにしてディスクリートGPU(Radeon 540)とセットにすることでなんとか出荷にこぎつけたと言われています。
ディスクリートGPUのRadeon 540はGDDR5 2GBメモリを搭載していますが、性能としては同じくGDDR5 2GBメモリを搭載する「GeForce MX150」の10W版と25W版の間くらいになるようです。
参考:これからノートPCを買う人は注意。dGPUの「GeForce MX150」は2種類あるらしい。
本格的にゲームをするには厳しいですが、4Kディスプレイ2枚で事務作業をするくらいなら余裕でこなせそうです。
「Core i3-8121U」の性能ですが、ベンチマークサイトのGeekBenchでシングルコア性能が3800〜4000程度、マルチコア性能が7400〜8000程度となっています。
Core i5-8250U(4コア、14nm+プロセス)がシングルコア性能で3000〜4000程度、マルチコア性能で9000〜14000程度となっている(機種によって差が大きいです)ので、シングルコア性能は同等からやや上、マルチコア性能は6割程度(コア数の差)となります。
インターフェースですが、USBはTYPE-Aが4ポートのみで、残念ながらUSB Type-C(Thunderbolt3)はありません。
HDMIはどちらも2.0aで、4K/60Hz出力に対応しています。とはいえ前述の通り、その性能に過信は禁物です。
サイドにフルサイズのSDXCカードスロット(TOP画像参照)があるのは嬉しいですね。
仕様表には赤外線レシーバーの記載があるのですが、どこにあるのかわかりません。本当にあるんだろうか…
パッケージには本体の他に90WのACアダプタとVESAマウントキットが付属します。
まとめ
初の10nmプロセスCPUを搭載したNUCですが、記事執筆時点ではベアボーンモデルは見当たらず、完成品のみが予約中となっています。
価格はメモリ4GBな「NUC8i3CYSN」が529ドル(約58,800円)、メモリ8GBが「NUC8i3CYSM」が574ドル(約63,800円)となっています。
DDR4-2666 SO-DIMM単体の価格を調べると、4GBで6000円、8GBで10000円程度なので、この差額は妥当な範囲と言えます。
なお、発送は10月予定となっています。
10nmプロセスとなったことで消費電力が下がり、ワットパフォーマンスは上がっていると思われますが、性能的には高いとは言いがたいです。
絶対性能が欲しい方は素直に”Kaby Lake-G”搭載の”Hades Canyon”を買うのが吉です。
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