ラズパイインターフェース準拠のRadxa「ROCK Pi 4」はRK3399搭載で飛び出すM.2スロット付き

シングルボード

2018年11月7日、深センのSBC(シングルボードコンピューター)メーカーのRadxaが、Rockchip社のRK3399を搭載した「Rock Pi 4」を発表しました。
Wi-fiの有無でModel AとModel Bの2モデルがあります。

※2018年6月27日追記allnetchinaでの販売を確認しました。

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スペック

modelROCK Pi 4 Model A
ROCK Pi 4 Model B
メーカーradxa
発売日
価格39ドル(1GB)
56.99ドル(2GB)
65ドル(4GB)
66.99ドル(2GB)
74.95ドル(4GB)
価格(日本円)
CPURockchip RK3399(6コア)
(2GHz A72 x2 + 1.5GHz A53 x4)
GPUMali-T860 MP4
メモリー1〜4GB LPDDR4-3200
サポートOS
有線LAN1GbE x 11GbE x 1
(PoE対応)
Wi-fi×802.11 ac
Bluetooth×5.0
チップBCM43456
ストレージeMMC
microSD
M.2 M-key(外向き)
USB3.0 x 1(Type-C、給電専用)
3.0 x 2
2.0 x 2
GPIO40pin x 1
映像HDMI(2.0 4K/60Hz)
MIPI-DSI x 1
カメラMIPI-CSI x 1
オーディオジャック
その他インターフェース
消費電力
電源DC9〜20V(Type-C)
85mm
奥行き54mm
高さ
その他USB PD2.0対応
QC3.0/2.0対応

特徴

「ROCK Pi 4」の一番の特徴は、実のところ電源周りなんじゃないかと思います。
NanoPi NEO4」の紹介記事でも触れましたが、RK3399搭載SBCは意外と電力が必要となります。

そこで「ROCK Pi 4」では電力不足を回避するため、Type-C端子を用いたUSB PD 2.0給電を採用しています。
対応入力は9V/2A、12V/2A、15V/2A、20V/2Aですが、USB PD規格(〜100W)に準拠しているため、MacBook Pro(15インチ)の87W電源を挿しても問題ないとのこと。
また、QuickCharge 2.0/3.0にも対応しており、こちらは入力が9V/2A、12V/1.5Aとなっています。

これによって12V電源を使うことなく市販のUSB PDアダプタやQC対応電源で給電することができるため、電源の入手性が向上することになります。
ただ逆に、USB PDやQCに対応していない、5Vしか出ない電源アダプターだと不安定になる可能性があるとのことで、注意が必要です。

「ROCK Pi 4」のもうひとつの特徴は、とにかくRaspberry Piに合わせてきたことです。
その徹底ぶりは、Wi-fiなしのModel AとWi-fiありのModel Bを用意してくるほど。

インターフェースの配置もRaspberry Piそっくりです。

こちらは比較対象となるRaspberry Piです。USBの後ろの4pinやCSIの配置まで合わせてきていることが分かります。

配置はともかく中身はだいぶ違っていて、たとえばUSBは3.0×2、2.0×2となっています。
RK3399は内蔵するUSBインターフェースが3.0×2、2.0×2で、多くのRK3399搭載機はUSB3.0をType-A×1、Type-C×1に振り分け、Type-Cは電源兼用としています。

「ROCK Pi 4」は電源はUSB PDチップを介して実装しているため、USB3.0はType-A×2として使うことができるようになりました。
なお、USB3.0の片方はOTG機能があるため、裏面の物理スイッチでホストモードとデバイスモードを切り替えることができるようになっています。

Wi-fiチップにはRaspberry Piで使われるBroadcomm”BCM43455″の後継に当たる”BCM43456″を採用しています。
これにより、Bloetoothが5.0までの対応となっています。

なお、前述の通りWi-fiはModel Bのみ搭載されます。

裏面にはCPUとメモリ、eMMCスロット、M.2 M-Keyスロット、microSDスロット、前述のUSBのホスト/デバイスモード切り替えスイッチがあります。
メモリは1GB/2GB/4GBと、珍しく1GBモデルがあります。DDR4-3200という高速なメモリを使用しているため、処理速度もDDR3を使うモデルに比べて早くなっていると思われます。

M.2 M-KeyはM.2 SSDなどが使えますが外を向いており、この形は「rock960」や「Hikey 960」で使われています。

画像は96boardsのフォーラムよりお借りした「Hikey 960」の例ですが、「ROCK Pi 4」でも同じようになります。
CPUの上を通すことができない以上こうなるのも仕方ないのですが、なんかマヌケですよね…

まとめ

「ROCK Pi 4」は、電源周りの不安を解消し、かつUSB3.0 Type-Aを2ポート備えるという、他のRK3399機にはない優位性を確保しています。
PCIeは外向きのM.2スロットという微妙な点もありますが、使えないわけではありません。
少なくとも謎のpinになっているようなモデルよりは全然マシです。

気になる価格は、現時点では公式サイトでの言及が見当たらず、発売日も不明です。
海外のサイトでは39ドルからとされています。
おそらくこれはメモリ1GB/Wi-fiなしの価格となります。

この39ドルを基準に考えると、2GB版が55ドル、4GB版が85ドル、Wi-fiがプラス10ドルといったところでしょうか。
あくまで勝手な予想ではありますが、RK3399搭載機の最安値水準を攻めてきそうな予感がします。

※2019年6月27日追記;販売開始と合わせ、価格も判明しました。
“Model A”が39ドル(1GB)、56.99ドル(2GB)、65ドル(4GB)、”Model B”が66.99ドル(2GB)、74.95ドル(4GB)です。予想よりも安くきました。
なお、2GBモデルが割高になっているのは、ヒートシンク付きだからです。

関連リンク

Introduce the new ROCK Pi 4 – Radxa ニュースリリース
ROCK Pi 4 – 公式Wiki

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